レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008年09月01日
- 登録日時
- 2008/09/02 13:41
- 更新日時
- 2014/10/15 20:56
- 管理番号
- 08-005
- 質問
-
解決
明治法制史を研究している。研究で利用している図書館所蔵資料に特徴的な蔵書印が押されていた。
資料は明治期に刊行されたものと思われる。この蔵書印が誰のものかを調べているが調査に行き詰っ
ている。また、この蔵書印を押した人物についても調べたい。
- 回答
-
①蔵書印は波多野重太郎氏のもの。
②波多野氏については、長澤規矩也氏が「思い出す人々」という題名で 『日本古書通信』昭和49年
7月号に文章を寄せている。
- 回答プロセス
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①蔵書印を調べるならば、青裳堂書店『日本書誌学大系』に含まれている
『近代蔵書印譜』(中野三敏編)あたりが、まずはじめにアプローチすべき資料だろう。
『近代蔵書印譜』は全部あわせても5冊なので、調査依頼者とともに手分けして
ブラウジングを行った。
↓
②その結果、第二編に該当する蔵書印があった。
そこから、調査している蔵書印は波多野重太郎のものと判明。
蔵書印の内容は「巌松堂古典部波多埜扱斯書」である。
↓
③また、波多野氏については、長澤規矩也氏が「思い出す人々」という題名で
『日本古書通信』昭和49年7月号に文章を寄せていることが判明。
神奈川大学にも所蔵があったため該当資料を提供。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 『近代蔵書印譜』
- キーワード
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- 近代蔵書印譜
- 日本古書通信
- 中野三敏
- 日本書誌学大系
- 長澤規矩也
- 蔵書印
- 波多野重太郎
- 和本
- 明治法制史
- 和漢古典籍研究分科会
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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☆2012年8月23日追記
国文学研究資料館のホームページ上で≪蔵書印データベース≫が公開されている。
http://base1.nijl.ac.jp/~collectors_seal/
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■長澤規矩也氏といえば、いわずと知れた書誌学の大家。川瀬一馬氏と双璧をなす。
■和本について学ぶなら、まずは橋口侯之介著『和本入門』 (東京 : 平凡社 2005.10)あたりから読み始めると
取っ掛かりとしてはよいと思う。
また、『DOCUMENTARY 和本 -WAHON-』DVDも日本最大のオークション「古典籍展観大入札会」の様子や
和本との親しみ方そして取り扱いや、平安時代写本「古今和歌集」の仕入れと値段など興味深い内容となって
いる。ちなみに予告編をYouTubeで見ることができる。
・『DOCUMENTARY 和本 -WAHON-』YouTube
https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=CTVXfnc_lEo
■私大図協の<和漢古典籍研究分科会>のホームページも役立つ。
(http://www.jaspul.org/e-kenkyu/kotenseki/)
「国書・漢籍書誌用語対照表」や「蔵書印解読のための参考資料」が紹介されている。
また、<2007年研究報告大会発表スライド>では多くの蔵書印が紹介されており、
ヴィジュアル的にも楽しめ学べるスライドになっている。
http://www.jaspul.org/pre/e-kenkyu/kotenseki/report/2006-2007slide.pdf
- 調査種別
- 書誌的事項調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000047047