レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007年10月14日
- 登録日時
- 2007/11/08 17:30
- 更新日時
- 2011/05/25 10:46
- 管理番号
- 福若-2007-0928
- 質問
-
解決
「天正大地震」(天正13年(1586)11月29日 近畿・東海・北陸地域に甚大な被害を及ぼした)に関して、
Ⅰ.『若狭漁村史料』所収の常神社 天正14年棟札に関する解釈等の資料がないか
Ⅱ.この地震で若狭地域における被害の記録はないか
- 回答
-
Ⅰ.この棟札に関する解釈等は発見できない。また空白部分が多く、意味の解釈は困難。
Ⅱ.地震があったという記録は数件の資料で確認できる。
- 回答プロセス
-
Ⅰ. 常神社天正14年棟札のことについて
(1)『若狭漁村史料』には、常神社棟札について何点かの棟札が載っている。天正14年棟札は、「天正13年霜月~(空白)~天正14年~(空白)~」
となっていて、空白部分が多く史料の解釈は困難である。但し「修造」という言葉が2ヵ所出てくることは注意される。
(2)この棟札に関する解釈等は『若狭漁村史料』をはじめ、いまのところ見当たらない。
これ以外の棟札は下記2点に紹介、解説されている。
・『若狭湾と中世の海の道』若狭歴史民俗資料館 2005 (H264/ワカサ)p22
・『三方町史』1990 (H271/ミ)p961~962
(3)このほかに『三方郡誌』『西田村誌』『福井県神社明細帳』『福井県神社誌』『福井県の地名』などをみたが、該当なし。
Ⅱ. 若狭地方における天正地震での被害記録について
*質問者が挙げている「今までの研究者の報告」とは『天正大地震誌』飯田汲事著 1987と思われる。(この地震に関する史料網羅的な研究書)
(1)本館所蔵なので取寄せて確認すると、このなかで福井県関係の記録は以下の通り。
『福井県災異年表』1943,『福井県の気象』1963,『新修福井市史』1970,『南条郡誌』1934,『大飯郡誌』1931。これらの内容を確認する。
(2) 嶺南地域の郡誌・市町村史誌(主に年表・目次部分から災害部分を中心に),福井県史,福井県の災害史などをあたる。
(1)以外で発見されたのは、次の1件。
・『上中町郷土史』1964(H273/カミナ)に「若狭国災異一覧」の章があり、その地震の部分に「天正13年11月29日 越前若狭地震 福井県史 南条郡誌」とある。
*若狭歴史民俗資料館の学芸員に問合せる。
→ Ⅰ.『若狭湾と中世の海の道』の展示の際、常神社棟札を詳しく調査したが、天正14 年の棟札については、『若狭漁村史料』に載っている以上のことは不明である。
【2011.05.25修正】
- 事前調査事項
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福井県立図書館で市町村史や災害史などを見たが、県内での被害記録は「今までの研究者の報告どおり
(『天正大地震誌』のここと推測される)」福井県内での被害記録は見当らなかった。
地震があったという記述は『南条郡誌』『大飯郡誌』などにある。
- NDC
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- 地震学 (453 8版)
- 北陸地方 (214 8版)
- 参考資料
- キーワード
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- 天正(大)地震
- 常神社
- 照会先
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- 福井県立若狭歴史民俗資料館
- 寄与者
- 備考
- 天正大地震は天正13(1586)年11月29日に発生し、近畿・東海・北陸地域に甚大な被害を及ぼした。
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000039047