このページではJavaScriptを使用しています。お客様の閲覧環境では、レファレンス協同データベースをご利用になれません。

レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000036378
提供館
(Library)
埼玉県立久喜図書館 (2110009)管理番号
(Control number)
埼久-2007-013
事例作成日
(Creation date)
2007/05/11登録日時
(Registration date)
2007年08月02日 02時12分更新日時
(Last update)
2007年09月04日 11時29分
質問
(Question)
パウル・クレーの「コロンブスの魚」という絵をみたい。バウハウスなどの芸術活動中の作品か。音楽、楽譜を絵にしたものらしい。
回答
(Answer)
「コロンブスの魚」が作品自体を指すのか明瞭ではなかった。作品というよりは、クレー自身の音楽との関連における絵画の方法論あるいは造形の理論を指すのではないか。
『ほるぷ「世界の名画」 11 クレー カンディンスキー』『ユリイカ 24巻11号』(1992.11)「特集バウハウス」
『クレーの絵と音楽』などの記述を紹介する。
回答プロセス
(Answering process)
当館所蔵資料では、
『ほるぷ「世界の名画」 11 クレー カンディンスキー』(ほるぷ出版 1970)
収録の「クレー 3」の綴じ込み裏面に「クレーと魚 その形態に魅せられる」と題して坂崎乙郎の小論があり。クレーがバウハウスで教鞭をとっていた時分のエピソードの記述を以下に引用。
----------------------------------------------------
(前略)クレーは黒板にふたつの弧をすばやく描きました。1本は上方から下降し、ふたたび上昇する弧。もう1本は反対に下から上昇して前の弧とまじわって上辺にふくらみをつけた後、下降する弧です。このふたつの線分が両端で結ばれたとき、そこにはなんと1匹の魚がフォルムをなしていたのです。あっけにとられている学生を前にして、クレーはいいました。
 「これは、コロンブスの魚だ」
(中略)つまり、クレーがバウハウスの学生に教えたかったのは、何よりもまず独力で白紙の状態から絵をはじめること、基本的な点-線-面-立体のプロセスをたどることだったのです。(後略)
----------------------------------------------------
という記述があり。。

次に、《MAGAZINEPLUS》から関連する論攷がないか〈コロンブス & 魚〉で検索したところ3件ヒット。このうち関連がありそうで、県立所蔵の雑誌では、『ユリイカ 24巻11号』(1992.11)が「特集バウハウス」で編まれている。
p64-68に「コロンブスの魚-バウハウスにおける眼と耳の実験」と題して秋山邦晴の論文が掲載されている。p67で「クレーは音楽を視覚的に翻訳する独自な方法論をこころみ、それを「コロンブスの魚」と称した(中略)独自なこの方法を使って、彼はバッハの〈チェンバロとヴァイオリンのためのソナタ 第6番 第4楽章〉の冒頭の部分を視覚的に変換してみせた。」と述べられている。

上記2点の記述は、エピソードと具体的な音楽作品の引用という点で矛盾があるように思われる。
他の所蔵資料をあたったところでは、『クレーの絵と音楽』(ピエール ブーレーズ 筑摩書房 1994)は「コロンブスの魚」という語句は見あたらないが、音楽を絵画に表現したクレーに関する研究が作品の具体例を通して記述されている。クレーの方法論、造形論を考察する上での一書と考えられる。

上記以外の調査資料:全て県立久喜の所蔵資料で「コロンブスの魚」記述なし
『西洋美術作品レファレンス事典』『西洋美術全集 絵画索引』『西洋絵画作品名辞典』『現代世界美術全集 13 クレー』『現代世界美術全集 13 愛蔵普及版 クレー』『ファブリ―研秀世界美術全集 19 ピカソ ブラック レジェ クレー』『ヴィヴァン 21 新装版・25人の画家 クレー』『朝日美術館 西洋編 2 パウル・クレー 20世紀の巨匠』『絵画の発見 16 クレー/エルンスト 内面への思索』『パウル・クレーの芸術 その画材と技法と』『クレーの手紙 1893-1940』『クレーの絵画』『クレー回想』『クレー 新潮美術文庫 50』『クレー (巨匠のデッサン・シリーズ)』『クレーの天使 変容する魂』『クレーの贈りもの (コロナ・ブックス 95)』『クレー《大はしゃぎ》 芸術家としての実存の寓意』『クレー(美術選書)』『クレーの日記』『造形思考 上・下』
以上の経緯を回答する。

追記:後日調査の追加情報。
『世界の巨匠シリーズ 11 クレー』月報「クレーと音楽あるいは〈コロンブスの魚〉の秘法」p4には「〈コロンブスの魚〉と名づける方法は、単純な旋律をとりだし…」とあり、絵の題名ではなく、絵画技法であることがわかる。同ページに、クレー画か不明だが「Der Fisch des columbus」と書かれた魚の挿絵あり。
事前調査事項
(Preliminary research)
クレーが音楽との関連で書いた作品らしい。楽譜をモチーフにしたものらしく、絵画作品ではないかもしれないとのこと。画集等では見つけられず。県立図書館から借用中の『パウルクレー 絵画と音楽』(音楽之友社 1990)には載っていない。
NDC
洋画  (723 9版)
芸術.美術  (700 9版)
参考資料
(Reference materials)
『ほるぷ「世界の名画」 11 クレー カンディンスキー』(ほるぷ出版 1970)
「コロンブスの魚-バウハウスにおける眼と耳の実験」(秋山邦晴『ユリイカ 24巻11号』(1992.11)「特集バウハウス」)
キーワード
(Keywords)
画家-洋画
芸術論
Klee Paul (クレー パウル)
バウハウス
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
その他
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
図書館
登録番号
(Registration number)
1000036378解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
未解決
Twitter

このデータベースについて
国立国会図書館が全国の図書館等と協同で構築している、調べ物のためのデータベースです。詳細

活用法

刊行物・グッズ
新着データ
最近のアクセスランキング
レファ協PickUP!