レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2005/03/19
- 登録日時
- 2006/04/20 02:10
- 更新日時
- 2007/03/04 10:20
- 管理番号
- 都立図事-2005003996
- 質問
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パテン請負業とはどんな職業か。『社会運動の状況 14 昭和17年』(復刻版 内務省警保局編 三一書房 1972刊)p.1219の最終行に出てくる。五・一五事件で逮捕された山岸宏の父親の職業である。国語、外来語、職業等の辞典には出ていない。
- 回答
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質問にある資料(資料1)から、山岸宏が新潟県高田市出身で、父親の名前が山岸宏隆(地方有力者)であることが分かる。
資料2の「高田市商工人名」の「パテン業」という項目に6名出ているが、山岸の名はない。高田市以外に「パテン業」はなく、項目の説明もないため職業の内容は不明。
資料3から以下のことが分かる。
*明治31年に飯島保太郎が木戸信次郎を主任として職人町に工場を設け、横浜から2人の女性を招きバテン加工業を開業した。
*バテン取引の中心は横浜で、横浜の取扱業者は外国商館から注文を受け、これを各地に注文加工させた。
*従業員に原料の糸や型紙を貸し付け、製品を集荷する業者は、横浜、高田間を盛んに往来した。
資料4によれば、このバテンとは「手工芸品のレースの一種であり、レースの種類から分類すればテープ・レースに属するレース」のことで、高田市(現在の上越市)では明治頃から、このバテンレースが特産品だったらしい。さらに、p.26には「長岡出身の軍人で後に高田でバテン業者もやった山岸宏隆(後に市議・県議になる)」という記述が出てくる。
以上のことから、この「バテン業」が質問の「パテン請負業」であると思われる。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 北陸地方 (214 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】 社会運動の状況 14 昭和17年 / 内務省警保局∥編 / 三一書房 , 1972 /3630/ナ/14-1
- 【資料2】 都道府県別資産家地主総覧 新潟編 3 / 渋谷隆一∥編 / 日本図書センター , 1997.6 DR/3618/3146/37
- 【資料3】 高田市史 第1巻 / 高田市史編集委員会∥編 / 高田市 , 1958 /2194/149/1
- 【資料4】 バテンレ-スと細幅織物 / 上越市史専門委員会現代史部会∥編集 / 上越市 , 1997.3 ( 上越市史叢書 No.1 ) /586.8/5001/1997
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000028363