このページではJavaScriptを使用しています。お客様の閲覧環境では、レファレンス協同データベースをご利用になれません。

調べ方マニュアル詳細(Detail of search guide data)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=man_view&id=2000020839
提供館
(Library)
国立音楽大学附属図書館 (3310053)管理番号
(Control number)
国音2012-0002S
調べ方作成日
(Creation date)
2012年08月29日登録日時
(Registration date)
2012年08月29日 09時38分更新日時
(Last update)
2015年02月05日 15時49分
調査テーマ
(Title of the search guide)
音楽用語を調べる 2 (2013年) 2006年10月24日一般公開版続編
2006年10月以前は、「音楽用語を調べる」をご参照ください。 http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=man_view&id=2000001551
調べ方
(Contents of the search guide)
◎音楽用語を調べるには、様々な音楽用語事典類〔当館の参考図書表示ではX-010 楽語・事項事
 典〕を利用すると良いでしょう。
●日本語から音楽用語を調べる場合、“音楽用語”とタイトルにうたわれていない資料も調べる必要が
 あります。特に、音楽や日本音楽を広範囲に収載する音楽事典類(当館の音楽参考図書表示では、
 X-001~X-007 [各国]音楽百科事典に当たる)の活用は重要です。索引も含め『ニューグローヴ
 世界音楽大事典 』(全21巻+別巻2+略語・内容索引)(講談社 1994-96)の活用は特に重要で、
 同様な使い方を期待できるものには、『音楽大事典』(全6巻、索引付)(平凡社 1981~1983)、
『標準音楽辞典』(全2巻、索引付)(音楽之友社 2008)などがあります。又、日本音楽関係事典類
 (当館の音楽参考図書表示では、XY-000 邦楽に関する参考図書に当たる)では、『日本音楽大事
 典』(平凡社 1989)、『邦楽百科辞典』(音楽之友社  1984)などがあります。
 又、小型、中型事典(辞典)の中にも、音楽用語事典類として利用できるものがあり、『図解音楽事典
 : カラー / U.ミヒェルス編』((白水社, 1995 )や『新編音楽中辞典 / 海老澤敏〔ほか〕監修』
(音楽之友社, 2002)、『新編音楽小辞典 / 金澤正剛監修』 (音楽之友社, 2004 )は、ある程度
までのクイックレファレンスには便利に利用できます。
●最近は、イタリア語、ドイツ語などの語学学習書と音楽用語事典を兼ねた優れた資料が出版されて
 いますが、音楽用語(楽語)事典類、音楽事典類でどうしても音楽用語が見つからない場合や語彙、
 語源等まで確かめるためには、各国語の辞書(音楽研究者が編集に参加しているものが好ましい。ex:
 『新アクセス独和辞典』は“分野別用語”の中に音楽用語をまとめて収載)や作曲家の作品目録、
 作品解説にヒントを求めるのも一方法です。
●欧文のみで音楽用語を探す場合も同様で、音楽用語(楽語)事典類は勿論、音楽事典類、音楽ジャ
 ンルにに強い各国語の辞書を調べる必要があります。

音楽事典としては、、
・『The new Grove dictionary of music and musicians』 edited by Stanley Sadie ; executive
 editor, John Tyrrell 2nd ed.  Grove, 2001
・『Die Musik in Geschichte und Gegenwart : allgemeine Enzyklopädie der Musik』 begründet
 von Friedrich Blume2., neubearbeitete Ausg. / herausgegeben von Ludwig Finscher Bärenreiter,
 c1994- 10 v. (Sachteil) ; 18 v. (Personenteil) ; 1 v. (Supplement) : ill. (some col.) ; 28 cm. +
 1 CD-ROM (4 3/4 in.) [(Sachteil)(Supplement)は音楽用語にとって特に重要]  
は必須ツールとして使用しています。(近年は、オンラインデータベースでの音楽用語検索も併用
しています。)

◎以下に、日本語の音楽用語事辞典類及びそれと同等それ以上の機能を有する資料と利用頻度
 の高い欧文資料をリストアップします。なお、版を重ねている資料及び同系列の資料については、
 特別な理由のない限り最新版のみとします。

●日本語
・『ありそうでなかった形から引ける音楽記号辞典 : ジュニア版』 トーオン編集部編著
  ヤマハミュージックメディア 2014
  図形風の音楽記号など、どう調べたらいいのか途方にくれる場合や、確認を取りたい場合などに便利な事典。
  索引がついています。便利ですが、音楽学習者はしっかりとした大事典や文献での確認調査の必要がある場合も
  あるかと思われます。
・『実用音楽用語事典』 ドレミ楽譜出版社 2013 
 約6000語の音楽用語の解説。ポピュラー、民族楽器、古典音楽、最新テクノロジー等の音楽用語を収載。 
 音楽用語には、欧文標記を併記。年表と索引が付いています。
・『オペラ事典』 戸口幸策・森田学〔監修〕 東京堂出版 2013
 本来機能は、オペラ事典であるので、オペラ用語の収載は当然としても、オペラに関連のある声楽
 や器楽、舞台の用語辞典としても機能しうる可能性を秘めています。例えば、メッサ・ディ・ヴォーチェ。
 字義的な意味や歴史、使用範囲〔声楽起源の用語だが器楽でも広く用いられるようになった。〕、実際の
 方法に至るまで、要を得た短い記述は傑出しています。声(こえ)の項や、それと関連した諸項目〔ex:
バリテノーレ〕は、興味深く、一つの整理方法として説得力があります。中には、バリトノという項目の
 ように、通常の呼称と違うものもありますが、音楽用語の主な語源がイタリア語である以上、その正式な
 呼び方に徹している点等、高く評価できる点を数々発見します。調査にも役に立ちますが、拾い読みして
 も楽しさの種が尽きない事典と言えます。
・『すぐに役立つ ポケット版 音楽用語辞典』 小池孝志編著 ドレミ音楽出版社 2013
 本当にポケットに入る大変小型の辞典。"発想記号"を中心に説明は、ほとんどが1~数行程度。
 大方の項目がアルファベット順配列で、10頁程度の項目の五十音順配列が続き、後は索引
 という構成。珍しい並べ方だが、使ってみると、外国語の音楽用語を調べるには、理にかなって
 いて大変便利です。採録項目数が書かれていないので、正確には言えないが、小型の割には、
 音楽用語を幅広くとらえており、類書では扱われそうにない言葉等あって、大至急、当座の用に
 は間に合いそうに思われます。しかし、時間があれば、しっかりとした大事典や文献での補足調
 査の必要があると思われます。
・『知って得するエディション講座 』 吉成順著 音楽之友社 2012
 参考図書ではないが、参考図書以上にレファレンスに役立つ本です。特に、「序章 エディション早わかりガイド」
 p.4-5 に記載されている、版、稿、校訂、原典版、実用版、解釈版、全集版、初版、ファクシミリ版、
 スケッチ、手稿譜、自筆譜、筆者譜、清書、版刻、校正刷り等のエディション用語の説明は大変便利で、
 音楽図書館員の必須音楽用語であるにもかかわらず、参考図書を調べると意外に項目化されていないもの
 もあり、 特に、ピアノの楽譜のエディションに関する基本用語を概観しつつ一挙に把握できるので大変
 重宝しています。(2014.3現在)
・『音楽のためのドイツ語事典』 市川克明著 オンキョウパブリッシュ 2012 
 音楽理論や、楽式と楽曲、それぞれの専攻(鍵盤楽器、管弦打楽器、声楽・合唱、…作曲、音楽学、
 音楽教育)で使用される基本的なドイツ語が実際的且つ豊富に記されています。特に(発想)記号、
 強弱、速度・テンポに関する表や、音楽用語辞典ドイツ語→日本語、日本語→ドイツ語は非常に便利
 で大変重宝します。研究者にとっては当たり前なドイツ語の邦訳であっても、いざ調べる段になると難 
 航するものです。初心者は、まず、この本を利用した上で、更に深い知識をドイツ語辞典や専門資料
 に求めると良いでしょう。
・『音楽用語のイタリア語』 森田学著 改訂新版 三修社 2011
 各項目、簡潔ながら深い学殖と洞察に基づく説明の施されたイタリア語の本です。音楽用語のイタリア
 語には、対応する英語、独語、仏語が付され、項目によっては、音楽用語の語源、類義語、反意語まで
 も記されています。事典として学習書として高度に統合された好著と言えます。             
・『新ジュニア音楽辞典』  繁下和雄 山下薫子監修 音楽之友社 2011
 この辞典の特徴は、説明の分かりやすさです。本人が入門者である場合や初心者向きの授業や講習会
 などで説明するときなど、強い味方になってくれます。収載されている用語は、西洋音楽、日本音楽、ポピ
 ュラー音楽などでよく使われるものです。本文のみならず、「形からひける音楽用語・記号の索引」「形から
 引ける楽器の索引」も便利です。
・『現代音楽キーワード事典』 デイヴィッド・コープ著 春秋社春秋社  2011
・『音楽小辞典』 最新7訂版 齋藤好司編 ドレミ楽譜出版社 2011
 吹奏楽やオーケストラの現場で必要とされる音楽用語を収載する小辞典。音楽用語以外にも音楽会場、
 関係団体、個人名などの情報も載せられていて便利。
・『音楽用語ものしり事典 』 久保田慶一著 アルテスパブリッシング 2010
 音楽用語を第一線の研究者による深いうんちくとともに味わえる事典。図書館員としては、例えば、”“オーパス”
 “オリジナル”“ウアテクスト”“BWV”“ケッヘル”等については、検索以前の音大生の常識として、是非知ってお
 いていただきたいので、おもしろく分かりやすいこの事典の愛読をお薦めします。
・『イタリア語から学ぶひと目で納得!音楽用語事典』 関孝弘 ラーゴ・マリアンジェラ共著 全音楽譜出版社 2010
 音楽用語に用いられるイタリア語を様々なニュアンスごと学習するための事典。
・『ケータイに便利な音楽用語・記号事典』 シンコウー・ミュージック・エンタテイメント 2010
 初心者及びギター愛好家向けの内容と言えます。本文は、楽譜に関する記号、速度記号、発想記号、奏法記号
 などのカテゴリーに細かく分けられ、記述されています。音楽記号が項目の場合は、まず、記号があってその横
 に記号名が書かれているので、読み方の見当もつかない場合等に便利です。
・『キーワード150音楽通論』  久保田慶一編 アルテスパブリッシング 2009
 音楽通論として、広く学ぶこともでき、各論の調査もでき、索引を利用して音楽用語事典類としての使用も可能な
 大変便利で優れた本です。各項目は、音楽を専門にする人にとり必要にして充分な内容が簡潔に、しかも奥深く
 記述されており、譜例、図、表ともに大変分かり易く編集されています。この本は、音楽用語をあまりにも簡単に
 提供しすぎるレファレンサーにとっては、警鐘の書とも受け取れます。特に、楽譜提供の際に把握しておくべき「原
 典版(ウアテクスト)original edition, Urtext Ausgabe」と「実用版 practical edtion」の違い、記
譜法等についての、この本の記述は具体的、実際的で大変参考になります。
・『名曲から学べる音楽記号事典』 齋藤純一郎監修. ナツメ社 2009
 音楽用語を楽譜関係に絞り、項目説明も簡潔にしている事典。CD付で譜例・演奏例も豊富(190曲以上)です。
・『実用クラシック音楽用語事典』 ドレミ楽譜出版社 2009
・『DTM用語辞典』 藤本健 大坪知樹著 ビー・エヌ・エヌ新社 2008
 DTM(デスクトップ・ミュジック)の現場で重要と思われる約370語を収載。全体は、アルファベット、仮名表記、漢
 字表記の順で記載するが、8つのカテゴリーに区分し、各項目に用語カテゴリーアイコンを付けて、どのカテゴリ
 ーの用語であるかも明示。単に用語の意味だけではなく、楽曲制作のテクニック、ヒントや例示、図、写真も必要
 に応じ取り入れ、見やすくまた役に立つよう工夫されています。カテゴリー別インデックス、[総]インデックス付。
 例えば、“初音ミク”もDTM用語として読むと色々興味深い情報が得られると思われます。
・『楽譜がスラスラ読める音楽記号事典』 多田鏡子著 日本文芸社  2008
 文字が大きいのと名曲の譜例が多い点が特徴の事典。超初心者には便利ですが、音大生なら知っておかねばな
 らない音楽記号ばかりです。
・『日本音楽基本用語辞典』 音楽之友社編 音楽之友社  2007
 全体は、一般的用語、雅楽、仏教音楽、琵琶学、能・狂言・・・アイヌ音楽等の章に分けられ、各章毎の分担執
 筆(三味線音楽を除き、各章1名)で、各々執筆者名が記されています。巻末に用語索引があり、検索の便を図
 っています。それにより本文に戻り、例えば、“じ”という用語の能・狂言、三味線音楽、尺八音楽(ここまで“地”)、
 筝曲(柱)での扱いや違い等を知ることができます。
・『演奏のための楽典 正しく解釈するために』 菊池有恒著 音楽之友社 2004 
 楽典の本ですが、演奏に関わる楽語について調べることが可能です。独・仏・伊語の用語から本文に戻って解説
 を読むことができる「国別の楽語索引表」や「国別の楽語比較表」も、便利です。 なお、この本に限らず、楽典の
 中には、基本的な音楽用語集として(特に、楽譜、演奏に関する章、項等)利用できるものもあります。
・『新音楽辞典 楽語』 音楽之友社 2002 
 日本語による楽語(クラシック中心、日本および各国の音楽もあり)の辞典として、ハンディながら充実の一冊。ほ
 とんど中項目、小項目ですが、中には“管弦楽法”のように長い記述(大項目)のものも少なからずあります。便利
 な欧文索引付き。
・『カタカナ引き 音楽辞典』 遠藤三郎編著 春秋社 2002 
 クラシック音楽愛好者、初・中級学習者対象の実用音楽辞典と銘打っていますが、内容は小項目主義の楽語辞典
 と見て良いようです。親しみ易いのが特徴。簡単な略語表と欧文索引付き。

●欧文
・『Wörterbuch musik = dictionary of music 』  Johanna Heutling Wiesbaden : Breitkopf & Härtel, 2013
 多言語による音楽用語辞典。第1章~第6章までは、ドイツ語、日本語、韓国・朝鮮語、中国語、ロシア語、英語で
 一覧できます。第7章[音楽発想、速度標語]の7.1は、音楽用語のアルファベット順(概ね、イタリア語又はラテン語
 を配列語として、/の後にドイツ語の音楽用語を記しています。)。それ以外の言語は、日本語、韓国・朝鮮語、中
 国語、ロシア語、英語です。7.2の配列語はフランス語で、後は7.1に準じた措置が取られています。7.3の配列語は
 ドイツ語で、後は7.1に準じた措置がとらていますが、イタリア語、ラテン語、フランス語の記載はありません。
 索引は、ドイツ語、日本語、韓国・朝鮮語、中国語、ロシア語、英語からのものが作成されていますが、イタリア語、
 ラテン語からのものはありません。(7.1があるのでその必要性はないと言えます。)
 「この辞典の使い方」の中で、基礎知識修得のためという点が強調されています。そのための、見出し語数の少数
 限定措置や、端的な訳語の記述は基本概念を素早く知るという面では、効果を挙げていると言えます。
 しかしながら、端的な訳出だけでは無理な場合もない訳ではないと言えます。(ex:messa di voce/ allmähliches
  Anschwellen und Abnehmen eines Tones  一音においてクレッシェンドしてから、デクレッシェンドする。)
 [実は、この例については、中国語の訳の方がmessa di voceに近いと言えます。日本語訳は、messa di voce 
 よりは、英語訳に近いと判断されます。]
 いずれにしても、日本語にしたときに、もう少し補わなければ意味が正確に伝わらない場合や原義からの特徴が
 伝わらない場合も見受けられるので、本格的に勉強するためには、他の音楽用語辞典なり、大音楽辞典なりで
 足りない知識を補っていく必要がると言えます。とは言え一つのキッカケとしては、大変合理的に良くできている
 のできている(特に、7.1やドイツ語からの索引)ので、限界を認識した上で、上手に活用しては?と思われます。
 なお、当館では、音楽用語等に関連し総合的に扱う「楽語・事項事典典類」(X-010)と「楽語・楽曲名の言い換え」
 しか扱っていないもの(X-010b)とに分けて配架しているが、この『Wörterbuch musik = dictionary of
 music 』は、(X-010b)に分類し、配架している。 
・『Das grosse Wörterbuch der Musik』 herausgegeben von Heinrich Zelton. - 1. Aufl. Florian Noetzel 2010
 約8000語の音楽用語を収載。例えば、ラルゴは、largo(ital.=breit, weit), Largo, のように項目記載されるが、breit,
 weitからlargo, Largoへの参照はないので、注意を要する。(Adagio, Andante, Moderato等も同様)
・『Guide des genres de la musique occidentale』 Eugène de Montalembert, Claude Abromont. Fayard. Lemoine
 2010 楽曲形式について、かなりまとまった知識を得られます。
・『Schülerduden : Musik : das Fachlexikon von A - Z』 herausgegeben und bearbeitet von der Redaktion Schule
 und Lernen ; [redaktionelle Leitung: Martin Bergmann] 版5 Dudenverlag, 2009
 ドゥーデンの学生向き事典。音楽用語も含む事項事典ですが、作曲者等も収載しており、人名索引も巻末に
付いています。小事典ながら、記述内容は中々なものなので、速度記号Largo等も、他の事典類と比較する
と興味深い情報が得られたりもします。
・『The concise Oxford dictionary of music』 Michael Kennedy and Joyce Bourne Kennedy. - 5th ed.. Florian
 Noetzel 2010
 音楽用語も含むハンディーな音楽事典。速度記号Largo等には、極めて短い英文の説明が付けられています。
・『Oxford dictionary of musical terms』 Alison Latham編 Oxford University Press 2004 
 英語によるハンディな用語辞典です。解説は英語ですが、独・仏・伊・ラテン語等の楽語やクラシック音楽の
様々な分野で出てくる用語が収められています。また、文中に使われている用語が別項目として解説されて
いる場合には*印が付けられ参照できるようになっています。解説が簡潔・明解であることと略語も含まれて
いることが魅力です。
・『The Harvard dictionary of music』 4th ed.  Don Michael Randel編 The Belknap Press of Harvard
University  Press, 2003
<最新版>
・『The new Harvard dictionary of music』 Don Michael Randel編 The Belknap Press of Harvard University
Press, 1986 <旧版>
・『The Harvard dictionary of music』 2nd,Rev. and Enlarged ed. Willi Apel編 The Belknap Press of Harvard
 University Press, 1969 <旧版>
 上記3点は、いずれも楽語に定評のある通称「ハーヴァード音楽辞典」です。2003年の最新版では、
Rap, Fiddling , Turntablism等のポピュラー音楽や民族音楽の記述を拡充させつつ、事典のコア
として多くのクラシック項目もほとんど差し替 えず、しっかりと残しています。英語ですが、図版や譜
例が豊富でわかりやすい解説です。「ハーヴァード」 については、当館で はこの最新版の他に、以
前の版も参考図書室に残していますので、項目比較や、記述の違いな ど、すぐ手に取って検討す
るこ とができます。ちなみに、「調性格論=Key characteristics」については、1969年(2nd ed.)の
版では一項目が立てられていますが、1986年のThe new Harvard dictionary of music及び2003
年の4th ed.では、項目として立てずに、内容的に「Key」の 中に吸収されています。これは典型例で
すが、文献表に書く時や、どの事典を見たか人に伝える時など、出版年やタイトルの 微妙な違い、版
次、編集者をきっちり押さえる必要があります。

・『Fremdwörterlexicon Musik.Englisch-Franzosisch-Italienisch』 
Richard Schaal編Heinrichshofen’s Verlag 1970 
 通称「シャールの事典」と呼んでいる楽語事典。英語、フランス語、イタリア語の音楽用語から引き、
その語に対応するドイツ語を示しています。ただし、出版年代が古いのと情報豊富な類書が出てい
るので、楽語の各国語例だけを簡単に記載しているだけの「シャール」のツールとしての優先順位は
大分下がってきています。 ハンディな新書サイズで、AからIstまでとJacからZurまでの2巻に分か
 れて います。 ただし、逆引き ができないのが 難点と言えます。(記述例:cantabile(ital.)=sangbar,
  gesangvoll, harp(engl.)=1.Harfe - 2.Harfe spielen)

◆どのような音楽用語事典を紹介すれば良いかは、例えば、”diminuendo””calando””decrescendo””smorzndo”
等、音楽用語として、似たようなニュアンスをもつ語について、独立項目があるか?項目中の一文なのか?
どのように記述されているのか?等をあらかじめ比較研究しておくと利用者を案内するときなど便利です。
◆更に、本学の場合は、利用者の目的によって、より合目的性の高い順に紹介する必要があります。例えば、
 大学での レッスン目的、レポート目的、教育実習の予習目的、幼児等へのピアノレッスン目的等により、
 自ずとその優先順位は変わってきます。
 だからと言って、楽典の試験を経てきている大学生に対するレファレンスとしては、便利だからと言って安易
 な直接回答しか載っていないような参考図書の紹介だけに終わってしまうのは、問題があります。
 できれば、常にレポートレベル(最低限、語源までの解説が付き、時代や地域によって多義になるものは
 主なものの例示があるもの)までの、紹介までを視野に置く[音楽大学生のリテラシーとして知っておくべき
 レベルの参考図書]べきと思われます。
 理由としては、近年、楽典レベルの記述に終始するだけの参考図書が増えてきていることもあって、参考図
 書室で調べてきたからと言っても、楽典レベル程度でしかない参考図書の記述ばかりでは、楽曲分析はもち
 ろん、取り組む作品によってはレッスンでも、楽曲理解や演奏に支障がでる場合が現れつつあるからです。
 [以前は、楽典レベルの書き方のものは、音楽用語辞典と銘打つことは少なく、当館としてもそのレベルは楽
 典として書庫内資料としていました。ただし、近年の傾向では、記述レベルは楽典並であっても、辞典と銘打
 たれた以上、参考図書室に排架せざるをえなくなっています。同室内の利用は、自由接架方式ですので、レ
 ファレンサーに相談がこない限りは、自由利用に任せています。となると便利なだけの参考図書に目を奪わ
 れる学生もでてきてしまい、将来に向かって参考図書室で、その都度色々な参考図書を見ながら自然に蓄
 積されるべき音楽用語のリテラシーが形成されなくなるのではないか?という危惧も生じ始めています。]
 音楽関係者にとっては、一生付き合い、深めていかなければならない音楽用語についてのレファレンスを、単
 に、早くて便利、端的な情報提供だけに終わらせることなく、学生への参考図書(特に音楽用語事典)の提供
 方法や、援助方法についても充分配慮した上で、適切なサポート方法(ガイダンス、展示、表示等)も合わせて
 考えておくという視点も合わせもっておく必要が今後はありそうです。
 そのためにも、レファレンサーの日々の参考図書研究[特に、音楽用語主要項目についての各参考図書の記
 述の違いにについての熟知]は必須と言えます。
◆本データ「音楽用語を調べる 2 (2013年)」は、「音楽用語を調べる」の続編です。前データ公開(一般
 公開:2006年10月24日)以降の新着、音楽用語事典類を主に挙げています。ただし、コアの事典類は、引き
 続き掲載しましたが、特別な理由がない限り最新刊のみの掲載としました。又、通称「ハーヴァード音楽辞典」
 のように歴代の版を使用する場合がある点や、当時はまだ利用例があった通称「シャールの事典」のように利用
 度が落ちている点なども指摘しつつ、掲載したものもあります。
◆音楽[業界]用語、隠語
 メンコン、モツレク、C[ツェー]千、G[ゲー]万は、音楽業界用語としては、よく知られた言葉です。こう
 した言葉は、参考図書類では中々発見しにくい言葉です。こうした言葉をネット等でキッカケとして見ること
 は調査の手段としては、許容の範囲ですが、参考文献や典拠が挙がることがない点等で、データの厳密な意味
 での信憑性等注意する必要があります。又、こうした言葉は、学生や業界の新人は使いたがりますが、音楽界
 で活躍の続く先生方の中には、きらわれる方も意外に多くいらっしゃいます。ですので、こうした言葉が調査
 対象となった場合は致し方ありませんが、レファレンス業務中等での使用は避けたいところです。特に、作曲
 者名、作品名、音楽用語は誤解が生じないように、原タイトル、原つづり、作品番号等で正確を期す必要があ
 ります。
◆調べ方マニュアル「5000円を「ゲーセン」と言うこと等について説明のある資料」(香調-1158)には、
 興味深い資料が掲載されています。
  http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=man_view&id=2000022787
◆音楽大学附属図書館が音楽用語に関する多数の参考図書類を用意する訳 
 音楽大学附属図書館の場合、音楽用語にかかわる多くの参考図書類を用意しているのは、一つの音楽用語
 が、作曲品中の音楽の文脈や、演奏習慣の関係から、日本語訳(≒概念)は必ずしも一対一ではないので、
 その時代、作曲者、作品にふさわしい手がかりを提供できるようにする必要のあるためです。
◆レファレンサーの準備
 当然、レファレンサーは音楽用語について相談を受けたとき、利用目的をきき、所蔵資料の中からふさわしい
 候補を数点は推奨できるようように準備しておく必要があります。〔音楽大学で期待される音楽用語の理解、
 使用は、楽典知識を基礎理解の一つとしつつも、必ずしもその範囲で済むとは限らないからです。〕
◆音楽用語についての調査ポイント
 簡単便利しか特徴のない(特に、一対一の日本語訳しかない)参考図書類の利用や提供に止まることがないよう、
 音楽作品やジャンル、テーマに応じて、本調査及び提供ができるよう、参考図書類の特徴、限界等についての
 事前調査を幅広く、資料によっては深くしておく必要があります。
◆以下の記事もご参照ください。
 市川啓子「音楽用語を調べるためには~より深い音楽表現・音楽理解のため」『ぱるらんど』277号(2012年11月)p.6-7
  http://www.lib.kunitachi.ac.jp/pub/parlando/2012/Parlando277.pdf
国立音楽大学附属図書館所蔵の日本語の音楽参考図書を中心に解説を掲載しています。

◆インターネットで調べられる「Urtext(原典版)」について
 「原典版 - Wikipedia - ウィキペディア」等、様々な情報を、「原典版」という検索語で調べることができます。
  
以下は、直接的には、検索できませんが、収載誌(刊行年月)等で検索でき、Henle, Bärenreiter両社の
  の考える原典版の定義や両社原典版の特徴等を見ることができます。
  「The Henle Urtext ヘンレ社原典版」[特に、原典版調査に使われる資料の例:1.スケッチ(草稿)
   2.手書き譜 3.浄書譜…は重要です。] 『ヤマハ新刊情報』p.14-15
「Urtextとは? Bärenreiter Urtext その特徴」『ヤマハ新刊情報』p.16-17
NDC
音楽  (760 9版)
百科事典.用語索引  (03 9版)
参考資料
(Reference materials)
キーワード
(Keywords)
音楽用語
楽語・事項
音楽事典
音楽百科事典
音楽記号
楽典
音楽[業界]用語
音楽[業]界 隠語
5000円(ゲーセン)
音楽図書館員必須用語
エディション調査必須用語
原典版
The Henle Urtext(Henle's Urtext editions)
Bärenreiter Urtext
KCMLOPAC
備考
(Notes)
登録番号
(Registration number)
2000020839完成/未完成
(Complete / Incomplete)
未完成
Twitter

このデータベースについて
国立国会図書館が全国の図書館等と協同で構築している、調べ物のためのデータベースです。詳細

活用法

刊行物・グッズ
新着データ
最近のアクセスランキング
レファ協PickUP!