調べ方マニュアル詳細
- 調べ方作成日
- 2005/10/01
- 登録日時
- 2009/03/31 02:11
- 更新日時
- 2009/04/15 14:14
- 管理番号
- 埼熊-005
- 調査テーマ
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完成
昔の百科事典で調べる -たとえば「お団子」の起源- 埼玉県立熊谷図書館 調べものに役立つ資料案内
- 調べ方
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◆テーマ
平安時代の『倭名類聚鈔』をはじめとして、わが国でもさまざまな百科事典が出版されてきました。
今回は、そういった「昔の百科事典」を使って、ものごとの起源や変遷を調べる方法をご紹介します。
●「お団子」の起源を調べる
たとえば、私たちが今でも美味しくいただく「お団子」について、昔の百科事典を紐解いてみましょう。現代の百科事典や事物起源の
事典を引くのとはまた違い、その時代にリアルタイムで書かれた記録や、様々な古典籍から引用した記述を楽しむことができます。
『倭名類聚鈔(わみょうるいじゅうしょう)』(成立年:承平5〔935〕年以前)
*著者の源信は博覧強記、詩歌の名手としても名高く、『後撰和歌集』の選者でもあります。わが国初の百科事典で、
漢語に出典名・注・和名を記してあります。『和名抄』『順和名』などとも呼ばれます。
この資料には〈団子〉という言葉は見あたりませんが、〈タイシ([タイ]は食偏に追[シ]は子)〉〈歓喜団〉というのが団子と同様のものです。
中国伝来の「八種唐菓子」の一つであることがわかります。また〈(コウ)〉という米の粉を蒸したものの記述もありますが、これは、いわば団子の素材といったものです。
『和漢(わかん)三才(さんさい)図会(ずえ)』(正徳2〔1712〕年)
*和漢古今の事柄に考証を加え図説したものです。中国、明の『三才図会』(万暦35〔1607〕年序)に倣って編集したものです。
ここでは〈餌(ダンゴ)〉という項目に「俗に団子という」と書かれ、串団子の図も見られます。餡を包んだり、黄粉をまぶしたり、形もさまざまです。
『類聚名物考(るいじゅめいぶつこう)』(成立年代未詳)
*山岡浚明(明阿弥 1780年没)編。明治時代に索引付きで翻刻され、広く使われました。また、これをもとに『古今要覧稿』も編纂されています。
〈団子〉は、陸奥では〈だんす〉と言われたようです。
『嬉遊(きゆう)笑覧(しょうらん)』(文政13〔1830〕年)
*本来は随筆ですが、言葉の意味を事項別に分け典拠を明らかにしているため、百科事典の役割を果たしています。
特に江戸時代の風俗を知る上では欠かせない資料です。
〈団喜〉〈食追子〉のほかに、〈みたらし団子〉についての記述もみられます。〈団喜〉は餡入りで、〈みたらし団子〉は京都下鴨神社
ゆかりの串団子であることがわかります。
『古名録(こめいろく)』(天保14〔1843〕年)
*『万葉集』から天正・慶正年間までの国書に見られる古名を集め、考証を行った資料です。分野が広く引用文も豊富で、利用価値の高い事典です。
「紹巴富士見記」から、10個の団子を連ねた宇津山の〈十団子〉が紹介されています。
『古事類苑(こじるいえん)』(明治29〔1896〕~大正3〔1914〕年)
*わが国唯一の官撰の百科全書です。慶応3〔1867〕年以前の日本の政治・文化・社会・自然などに関する事項を網羅的に収録しています。
「甲子夜話」からは〈切団子〉の作り方が引用されていますし、「沙石集」のアリとダニの問答からは、団子の形の変遷も窺われます。
『広(こう)文庫(ぶんこ)』(大正5〔1916〕~7〔1918〕年)
*歴史・文学等の研究に有意義と思われる約5万項目を50音順に配列し、その内容に関係した和漢書の抄録を掲載しています。
同じ著者による文献案内『群書索引』と対をなす資料です。
室町時代に成立した「新撰犬筑波集」には、「花よりもだんご」というおなじみの言葉を織り込んだ連歌があります。
『日本(にほん)百科(ひゃっか)大辞典(だいじてん)』(明治41〔1908〕~大正8〔1919〕年)
*三省堂が発行した日本初の本格的百科事典で、カラー図版入りです。第1巻には大隈重信の序文があります。
編纂開始の明治31年から約20年をかけて完成しました。
東京向島名物、言問団子の名前が、在原業平の歌「いざ言問はん都鳥」に由来するものであることもわかります。
さて、昔なつかしい〈お団子〉の味はいかがでしたでしょうか。
上記資料の中で引用されている「本朝食鑑」や「沙石集」「瓦礫雑考」「守貞漫稿」などもございますので、どうぞお気軽におたずねください。
- NDC
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- 日本語 (031 9版)
- 日本語 (081 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 百科事典
- 事物起源
- 備考
- 登録番号
- 2000011169