レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/08/26
- 登録日時
- 2022/09/02 00:30
- 更新日時
- 2022/09/22 13:43
- 管理番号
- 12737211
- 質問
-
解決
離婚裁判において、財産分与に、将来受取る予定の企業年金が含まれるのかどうかについて、判例(裁判事例)及び文献を調べてほしい。
また、裁判事例及び文献を調べる際のアプローチの仕方や考え方についても説明していただきたい。
- 回答
-
ご照会の件について、以下のとおり回答します(【 】内は国立国会図書館請求記号、インターネット最終アクセス日は2022年8月24日です)。
(1)企業年金を財産分与の対象とすることに関する文献
企業年金を財産分与の対象とすることに関するものとして、次の資料があります。
資料1:本沢巳代子『離婚給付の研究』一粒社, 1998【AZ-841-G68】
※pp.295-296に「企業年金・個人年金と財産分与」の項目があります。
資料2:松本哲泓『離婚に伴う財産分与 裁判官の視点にみる分与の実務』新日本法規出版, 2019【AZ-841-M22】
※pp.119-120に「年金は財産分与の対象となるか」の項目があります。
資料3:勝木萌ほか『ケーススタディ財産分与の実務 対象財産別調査・評価等の法務と税務のチェックポイント』日本加除出版, 2021【AZ-841-M87】
※pp.212-215に「企業年金が財産分与の対象とされた事例」の項目があります。なお、貴館でも所蔵しているようです。
資料4:東京弁護士会家族法部編『実務家が陥りやすい離婚事件の落とし穴』新日本法規出版, 2020【AZ-841-M77】
※pp.116-118に「企業年金や生命保険は財産分与の対象にならない?」の項目があります。新日本法規出版のウェブサイトでも、サンプルページとして公開されています。<https://www.sn-hoki.co.jp/shop/f/img/items/pdf/sample/5100148.pdf>
(2)財産分与に関する判例で企業年金への言及があるもの
次の(a)、(b)の判例に企業年金についての記載がありました。(a)は、財産分与において、通帳の写しに示された基準時の預金残高が、推認される残高と異なることを財産隠しとした事例で、原審で示された財産目録に企業年金が含まれていました。(b)は、離婚による財産分与として、夫の年金と妻の年金の差額(企業年金含む)の4割を、妻の死亡まで夫が妻に支払うことが命じられた事例です。
なお、これら2件の判例は、データベースのD1-Law.comでもご覧いただけます(貴館でも契約されているようです)。
当該判例が掲載された資料は、次のとおりです。
(a)令和3年1月13日大阪高等裁判所・令和2年(ラ)第993号
資料5:「判示事項 元妻である相手方が元夫である抗告人に対して財産分与を求めた事案(以下略)」『家庭の法と裁判』(38), 2022.6, pp.64-72【Z72-K114】
※記事のタイトルが長いため、その冒頭部分のみを示します。
(b)平成11年7月30日横浜地裁相模原支部・平成9年(タ)第36号
資料6:「離婚による財産分与として、夫の年金と妻の年金の差額の四割を妻の死亡迄支払うことが命じられた事例」『判例時報』(1708), 2000.6.21, pp.142-146【Z2-90】
※国立国会図書館デジタルコレクション収録資料(国立国会図書館限定公開)<https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2795721?tocOpened=1>
資料7:本山敦「熟年離婚と主婦の年金」『ジュリスト』(1190), 2000.12.1, pp.128-131【Z2-55】
資料8:大津千明「離婚による財産分与として、夫の年金と妻の年金の差額の四割を、妻の死亡迄支払うことが命じられた事例」『判例タイムズ』(1065), 2001.9.25, pp.152-153【Z2-89】
資料9:浦本寛雄「高齢者の離婚」『判例タイムズ』(1100), 2002.11.10, pp.20-22【Z2-89】
資料10:中益陽子「社会保障法判例--離婚による財産分与における年金の取扱い」『社会保障研究』37(3), 2001.Win, pp.307-311【Z6-10】
※国立国会図書館デジタルコレクション収録資料(国立国会図書館限定公開(印刷不可))<https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9210204>
※国立社会保障・人口問題研究所のウェブサイトでも閲覧できます。<https://www.ipss.go.jp/syoushika/bunken/data/pdf/15690411.pdf>
(3)裁判事例及び文献を調べる際のアプローチの仕方や考え方について
裁判事例及び文献を調べる際のアプローチの仕方や考え方については、国立国会図書館リサーチ・ナビ「日本-判例の調べ方」<https://rnavi.ndl.go.jp/jp/guides/hanrei.html>をご参照ください。
(その他の調査済みデータベース、インターネット情報等)
・国立国会図書館オンライン(NDL ONLINE)<https://ndlonline.ndl.go.jp>
・国立国会図書館サーチ <https://iss.ndl.go.jp>
・国立国会図書館リサーチ・ナビ <https://rnavi.ndl.go.jp>
・D1-Law.com(当館契約データベース)
・TKCローライブラリー(当館契約データベース)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 議官(レファレンス)
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000320557