レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/04/22
- 登録日時
- 2022/05/03 00:30
- 更新日時
- 2022/05/19 11:25
- 管理番号
- 11858840
- 質問
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解決
戦国時代から江戸時代初期の公卿で儒学者でもある清原国賢の「国賢卿記」という日記を探しています。
そもそも存在するのか、出版・公開されているかがわかればお知らせください。
利用者は雑誌サライのHP(https://serai.jp/hobby/1003304)にあった以下の文言をご覧になったということです。
「この旧二条城の完成から2年後の元亀2年(1571)の記録(公卿藤原国賢の日記『国賢卿記』)には、この城に「櫓」や「天主(守)」があったことが記録されている。安土城に先駆けて、信長が「天主」の造営に携わった初めての例だとの指摘もある。」
- 回答
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ご照会の清原国賢(1544-1614)の日記『国賢卿記』について、東京大学史料編纂所で自筆本の影印を所蔵されているようです(資料1)。
抄録の翻刻は、資料2に掲載されていますのでお知らせします。
【 】内は当館請求記号です。書誌事項末尾に◎を付した資料は国立国会図書館デジタルコレクションの国立国会図書館/図書館送信参加館内公開資料です。
資料1
東京大学史料編纂所 編『東京大学史料編纂所写真帳目録 2』東京大学出版会, 1996.9【GB1-G8】
* 「国賢卿記」の項(p.129)に、清原国賢(自筆)、原蔵者、形態等に関する情報と、請求記号として「6173-312」の記載があります。
東京大学史料編纂所 所蔵史料目録データベースでも同様の情報を確認できます。
「データベース選択」(https://wwwap.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/)の画面の「横断検索」または「所蔵史料目録データベース」で「国賢卿記」を検索してください。
* 写真帳については、「例言」(pp.iii-v)の「【内容】1.」の項(p.iii)に「本所が編纂と研究のために、全国各地に散在する史料を(中略)撮影したものを複写用印画紙に焼き付け(中略)図書として製本したもの」との説明があります。
資料2
『史料纂集 [第19] 第2』続群書類従完成会, 1996.6【GB22-2】
* 内容は「慶長日件録. 第2」(山本武夫 校訂)です。
* 「解説(付、國賢卿記<抄>)」(pp.141-164)に、「国賢の元亀二年(一五七一)の日記の一部を以下に抄出する」(p.153)として、pp.155-164に「国賢卿記(抄)」が掲載されています。
〔主な調査済み資料・ウェブサイト〕
京都大学貴重資料デジタルアーカイブ「清家文庫」(https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/collection/seike)
* 「清家文庫」は舟橋清賢氏寄贈の2,300余冊と、同氏から購入した秘籍289冊の集成で、清原家(後に舟橋と改姓)に伝世された日録、備忘録等の記録書翰を含むとの説明がありますが、『国賢卿記』については確認できませんでした。
『京都大学附属図書館六十年史』京都大学附属図書館, 1961【017.7-Ky995k】◎
* pp.193-224「第3章 図書の運用」>「第3節 蔵書」>「4 貴重図書」:「清家文庫」の項(pp.218-219)があります。
* 京都大学学術情報リポジトリで全文の閲覧が可能です。
http://hdl.handle.net/2433/148402
学習院大学史料館 編『旧華族家史料所在調査報告書』学習院大学史料館, 1993.3【GB5-E106】
* 本編4の「774 舟橋遂賢」の項(pp.130-135)を確認しています。
宮井 宏「古記録を用いた京都の冬季気温の推定」(『地学雑誌』108(3) (通号 964) 1999.6 pp.231-247【Z15-169】)
* 「表2 用いた日記一覧」(p.237)に「55 国賢卿記(抄)」の記載があります。
* J-STAGEで全文の閲覧が可能です。
DOI:https://doi.org/10.5026/jgeography.108.231
高梨 真行「永禄政変後の室町幕府政所と摂津晴門・伊勢貞興の動向--東京国立博物館所蔵「古文書」所収三淵藤英書状を題材にして」(『Museum』(592) 2004.10 pp.33-54【Z11-186】)
* 注75(p.52)に「『国賢卿記抄録』<史料纂集『慶長日件録』二所収>」との記載があります。
馬場萬夫 編『日記解題辞典 : 古代・中世・近世』東京堂出版, 2005.9【GB1-H35】
『日本「日記」総覧 : 「日記」から日本人の生活と歴史を探る!』新人物往来社, 1994.4【GB1-E53】
橋本義彦 ほか著『日本歴史「古記録」総覧 : 学校図書館用 古代・中世篇』新人物往来社, 1990.12【GB8-E40】
高木昭作 ほか著『日本歴史「古記録」総覧 : 学校図書館用 近世篇』新人物往来社, 1990.12【GB8-E40】
日本古典籍総合目録データベース(http://base1.nijl.ac.jp/~tkoten/)
書陵部所蔵資料目録・画像公開システム(https://shoryobu.kunaicho.go.jp/)
史料情報共有化データベース(http://base3.nijl.ac.jp/infolib/meta_pub/SKYDefault.exe?DEF_XSL=default&GRP_ID=G0000004&DB_ID=G0000004SKY&IS_TYPE=meta&IS_STYLE=default)
ウェブサイトの最終アクセスは2022年4月20日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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・『人物文献目録 1995-2001-1-〔2〕 日本人編』(日外アソシエーツ株式会社/編集)
・オンラインデータベース「WhoPlus」
・清原国賢の子である舟橋秀賢の「慶長日件録2第19巻」(1996)の書名索引欄に「家君御記(国賢卿記)」との記載があるようです。しかし、これはGoogleブックの検索でヒットしたので、現物は確認できていません。
- NDC
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- 日本史 (210 10版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 人文(レファレンス)
- 調査種別
- 文献紹介 所蔵機関調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000315716