レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年06月20日
- 登録日時
- 2020/07/25 10:42
- 更新日時
- 2020/10/10 15:00
- 管理番号
- 台東区-10365
- 質問
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解決
仲見世通りを設計した人物は田中希一(たなかきいち)であることを確認したい。
- 回答
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複数の人名録等を確認したところ「田中希一」で見つかったものは以下の一冊のみ。
『明治大正昭和東京人名録 中巻』
P.335:上段に「田中希一」の項有。
「市技師 小石川宮下五一 ●四一」という記述からおそらく東京市の技師であったことが言えるが仲見世通りとの関連記事なし。
ほか、新聞データベース(聞蔵Ⅱ・ヨミダス歴史館)にて「仲見世設計」等の記事を探すと、震災後の雷門再建の記事とともに仲見世再建の記事が少し見つかるが、「田中希一」の名がはっきり出ている記事はなく、決定的に結び付けられるものはなし。
そこで、震災後の仲見世再建の時期(大正14年)あたりに発行された土木・建築関係の雑誌を土木図書館デジタルアーカイブス「戦前図書・雑誌コレクション」で調べたところ、『土木建築工事画報』1巻8号(大正14年9月)に掲載された「浅草雷門仲見世改築」の記事中に「仲見世の改築工事は東京市営繕課戸田、田中両技師の設計監督の下に改築工事に従事さるゝ事となり」との一文が見いだされた。ここにしるされる営繕課「田中」が田中希一氏であることは、以下の藤岡論文で確認できる。
藤岡洋保「東京市営繕組織の沿革」(『日本建築学会論文報告集』291号(昭和55年3月)には、営繕課に在籍した専任技師の氏名・在任期間を調査し一覧に供した表があるが、それによれば田中希一氏は大正13年6月から大正14年12月まで営繕課に所属していたようである。該当論文はJ-Stageにて無料でダウンロード可能(2020年6月24日現在)。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/aijsaxx/291/0/291_KJ00003901242/_pdf/-char/ja
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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田中希一は東京帝国大学工科卒業。
明治25年生まれ。
- NDC
- 参考資料
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村上雄次郎. 明治大正昭和東京人名録 中巻. 日本図書センター, 1989.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005082760-00 , ISBN 4820520520 (台東区121846109/T281.3メ)
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村上雄次郎. 明治大正昭和東京人名録 中巻. 日本図書センター, 1989.
- キーワード
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- 仲見世通り
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000284957