レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019/07/14
- 登録日時
- 2019/07/27 00:30
- 更新日時
- 2019/08/17 16:15
- 管理番号
- 6000048643
- 質問
-
解決
「稲の波 かぶりて遊ぶ 雀かな」という俳句が正岡子規の句であると、インターネットで調べたらでてきました。
本当に、子規の句か、句集などに収められているものであれば句集名、もしくはいつどこで読まれた俳句なのか、出所、いきさつなどを知りたいです。
- 回答
-
正岡子規の句集「寒山落木 ニ」(明治26年)に納められています。
『子規全集1』には「寒山落木」全3巻の俳句がすべて納められています。
この「稲の波~」の句は「寒山落木 ニ」の「秋」の「稲」の句として分類されていました。
この句がどこで詠まれたかや詠まれた経緯などははっきりと分かりませんでしたが、
『俳句で読む 正岡子規の生涯』と『子規全集 1』によると、
明治26年7月19日から秋にかけて松尾芭蕉の「おくの細道」を慕って東北旅行に出たことや、
この年が最も多く俳句を作った年であったことなどが書かれています。
『俳句で読む 正岡子規の生涯』p.126
「(『寒山落木』の)明治二十六年の部の句は、四季の類題別になっていて、夏と秋の句は東北旅行中の句が混在している」とあります。
- 回答プロセス
-
● 俳諧・俳句の参考図書の棚へ行き、「初句索引」の付いた図書で調べるが出てこず。
● 念のため、検索エンジンGoogleで句の全文を検索したところ、正岡子規の作であることは間違いなさそうであった。
そこで、正岡子規に関する図書を調査。
● 書架にあった本を見ていったところ、『子規選集4 子規の俳句』に載っていた。
これにより句集「寒山落木 ニ」に載っており、明治26年に詠まれたことが分かったので、この句が詠まれた経緯などを調べていった。
● 市内のほかの館に所蔵している『子規全集 1』に「寒山落木」の解説があるのではないかと期待して取寄せ依頼をかける。
これが届くのを待つ間に、『俳句で読む 正岡子規の生涯』で明治26年の部分を確認した。
pp.91~133
明治26年7月19日から秋にかけて松尾芭蕉の「おくの細道」を慕って東北旅行に出たことや、この年が最も多く俳句を作った年であったことなどが書かれている。
p.126
「(『寒山落木』の)明治二十六年の部の句は、四季の類題別になっていて、夏と秋の句は東北旅行中の句が混在している」とあった。
● 『子規全集 1』にはp.348にこの句が載っていた。
この句そのものについての解説はなく、昭和35年の「獺祭書屋俳句帖抄」上巻に書かれた文章が引用されている。
ここに「明治二十六年 夏瘧(おこり)を病む。癒えて奥羽に遊ぶ。・・・」とあった。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
-
- 『子規選集 4』 正岡 子規/著 増進会出版社 (100)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 庁内
- 登録番号
- 1000259162