日光関係の地域資料を調査する過程で、「日光山縁起絵巻」の中に描かれていることが確認できました。また、近年発行の伝説、民話類を紹介する資料からも挿絵が確認できました。
1 戦場ケ原の伝説について
・『角川日本地名大辞典 9栃木県』(「角川日本地名大辞典」編纂委員会/編 角川書店 1984)
p.523「戦場ケ原」の項によると、伝説の概要は次のとおりです。
「大昔、男体山の大蛇と群馬県の赤城山のムカデがここで領地争いをし、大蛇が放った矢がムカデに命中して男体山が勝ったという伝説があり、その戦いの場であったところから戦場ケ原の名がついたといわれ、…」
2 日光山縁起絵巻
以下の資料に図版の掲載を確認しました。
・『絵解きと縁起のフォークロア』(久野俊彦/著 森話社 2009)
p.174-194「Ⅲ 縁起のフォークロア 第一章 縁起絵巻の成立―『日光山縁起』」
「日光山縁起絵巻」の諸本に関する論考とともに、図版の掲載があります。
図37「日光山並当社縁起」大洲本(14)、下巻(大洲市宇都宮神社蔵)」(p.187)
図38「日光山縁起」実川本(15)、下巻(五泉市個人蔵)」(p.187)
・「月刊 歴史手帖」(第8巻12号)(名著出版 1980)※「特集/日光山の歴史と文化」掲載号
p.43-47飯田真/著「日光・赤城の神戦譚伝承について-日光山縁起を手がかりに-」
図版あり。「大蛇と百足の相戦う図(日光山縁起より)」(p.45)
3 挿絵類
・『栃木の伝説』(下野民俗研究会/編 日本標準 1980)
p.89-92「戦場ヶ原の由来」に挿絵あり。(p.91) 巻頭にもカラー口絵あり。
・『しもつけの伝説 第1集』(栃木県連合教育会/編 栃木県連合教育会 1979)
p.36-46「戦場ヶ原由来」に挿絵あり。(p.45)
・『猿丸の弓のはなし 日光戦場ヶ原の伝説』(小島喜美雄/文,苅田規恵/画 下野国一之宮日光二荒山神社中宮祠 2008)
p.6-7「蛇と大ムカデ」の挿絵あり。
4 その他
以下の資料からは、図版を確認できませんでした。
・『日光市史 史料編 上巻』(日光市史編さん委員会/編 日光市 1986)
・『日光の故実と伝説』(星野理一郎/著 栃木県連合教育会 1960)
・『日光綺談』(藤井萬喜太/著 三元社 1937)
・『日光山輪王寺宝鑑』(日光山輪王寺宝鑑編集委員会/編 日光山輪王寺 1966)