レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2018/10/16 15:53
- 更新日時
- 2018/10/16 15:53
- 管理番号
- 00014
- 質問
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市内に伝わる「しっぺい太郎」の伝説について書かれた本を読みたい。
また、しっぺい太郎と長野県駒ケ根市に伝わる「早太郎」は、同じ犬なのか。
- 回答
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しっぺい太郎伝説は『今昔物語』巻第26第7に書かれた「猿神退治」が原典と言われています。青森から鹿児島までの各地に広く伝わる民話の一つで、通常、「丹波の国のしっぺい太郎に知らせるな!」が知られ、「近江の・・」、「出雲の・・」、そして当市の「信濃の・・」などがあるようです。県内では浜松市や伊豆の国市にも同様に伝わっています。
「悉平太郎」、「竹箆太郎」、「執柄太郎」などと記され、山犬(狼)信仰(農作物の守護神)と関わりがあるとされています。ちなみに、座禅の時に戒めのために打つ板状の道具を「竹箆」と言いますが、「しっぺ(い)返し(やり返すこと)」という言葉も、ここに由来があるようです。
しっぺい太郎と早太郎は、同じ犬で、磐田市ではしっぺい太郎、駒ケ根市では早太郎と呼ばれています。駒ヶ根市を含む山間部では、「早太郎」は山犬(オオカミ)と言っているように「山犬(オオカミ)信仰」にかかわる話とされています。
「しっぺい太郎」は「竹(しっ)箆(ぺい)」、すなわち禅宗の道具で、「戒め」、「悪行を断ち切る」という意味で、中世後期、遠州地方(現在、遠州全体の8割は曹洞宗)に広まっていた天台宗(=老猿すなわち「猿」は神の使い)の勢力を抑えたという禅宗普及説話とも言われます。また、「疾風」(風のように早い)が訛って単に「しっぺい」になったという説もあります。
『天竜川流域の暮らしと文化(下)』(S234)や、郷土研究の雑誌である「磐南文化」(S050)などの研究書や民話など多くの資料があります。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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磐田市誌シリーズ『天竜川流域の暮らしと文化』編纂委員会/編集 , 磐田市. 天竜川流域の暮らしと文化 下巻. 静岡県磐田市磐田市史編さん委員会, 1989. (磐田市誌シリーズ ; 第10冊)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I000467255-00 -
堀切リエ 文 , 石井勉 絵 , 堀切, リエ , 石井, 勉, 1962-. はやたろう : 日本の伝説. 子どもの未来社, 2016.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I027231735-00 , ISBN 9784864121064 -
清水達也 再話 , 清水, 達也, 1933-. しっぺい太郎 : 静岡県の昔ばなし. 静岡新聞社, 1977.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001338675-00
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磐田市誌シリーズ『天竜川流域の暮らしと文化』編纂委員会/編集 , 磐田市. 天竜川流域の暮らしと文化 下巻. 静岡県磐田市磐田市史編さん委員会, 1989. (磐田市誌シリーズ ; 第10冊)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000243981