レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2018/08/24 16:21
- 更新日時
- 2019/02/26 13:38
- 管理番号
- 市民2017-事03
- 質問
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解決
仙台の八木山(やぎやま)・向山(むかいやま)付近の亜炭坑道について調べてほしい。
- 回答
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亜炭とは石炭よりも炭化度が低く、燃やすと煙とにおいが出る生活燃料の一種である。
宮城県はその産地として名高く、県内では三本木町が有名である。市内においては青葉山・八木山・向山一帯にも亜炭鉱が存在していた。
当時は亜炭の鉱脈を見つけるとその鉱脈に向かって坑道を掘り、鉱脈に沿って堀り進むため坑道は枝分かれし、八木山・向山の地下には縦横無尽に亜炭坑道が走っていたという。
亜炭は生活燃料として多くの人々の生活を支えてきたが、エネルギー源が石油に代わると次第に使用されなくなり、昭和44年ごろには亜炭鉱山はほとんど閉山した。
閉山するころに問題となってきたのが鉱害である。坑道における地滑りや陥没の事故が起きるようになり、宮城県と仙台市では坑道の埋め立て事業を進め、昭和61年にはほぼ全ての坑道の閉塞を完了した。
- 回答プロセス
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仙台市内八木山・向山付近の亜炭坑道ということで、「亜炭」をキーワードに蔵書検索、『仙台市史』索引から調べはじめる。
及び以下の資料へ調査を進めた。
『市史せんだい12』p3~64、「仙台の燃料事情」として亜炭の特集において、採掘・生産高・亜炭坑分布図や鉱山の所在地など詳しい記載あり。
『仙臺郷土研究 限定復刻版1』p818~822、昭和7年当時の産地・分布図・採掘の状況の記載あり。
『宮城県史 15 博物』p396~428、県内の亜炭の特性、地質、主要亜炭田の分布図、亜炭層の記載あり。
『瑞鳳殿 伊達政宗の墓とその遺品』p19~28、八木山層の亜炭鉱害に関する記載あり。
『仙台人気質』p5~18、『八木山まち物語』p48~49、『よりぬき亜炭香報』、亜炭抗道についての当時の思い出や記事のほか東日本大震災後の記載あり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 石炭 (567)
- 歴史 (2)
- 参考資料
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- 『市史せんだい 12 仙台の燃料事情』仙台市博物館/編 仙台市博物館 2002 (S21シ12)
- 『仙臺郷土研究 限定復刻版 1(第2巻10号)』仙台郷土研究会/編 1980 (S05セ)
- 『宮城県史 15 博物』 宮城県/著 ぎょうせい 1987 (S20.8ミ15)
- 『瑞鳳殿 伊達政宗の墓とその遺品』 伊東信雄/編 瑞鳳殿再建期成会 1979 (S28.9タ)
- 『「仙台人」気質』 石澤友隆/著 河北新報出版センター 2013 (S21イ)
- 『八木山まち物語』 八木山連合町内会・八木山南連合町内会/編集 八木山まち物語作成委員会 2017 (S29.1ヤ)
- 『よりぬき亜炭香報』 伊達伸明/編 仙台市市民文化事業団 2016 (S56ヨ)
- キーワード
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- 亜炭
- 八木山(仙台市太白区)
- 向山(仙台市太白区)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌的事項調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000241166