レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年03月17日
- 登録日時
- 2018/03/17 12:03
- 更新日時
- 2018/03/29 09:15
- 管理番号
- 県立長野-17-154
- 質問
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解決
朝早くから夜遅くまで仕事をすることを、「夕べに星を戴いて出で 朝に月を戴いて帰る」などの言葉で表現するはずだが、正確な表現はどのようなものか。
- 回答
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元々の表現は、『呂氏春秋』「開春論」にある「星を以て出で星を以て入る」。
これが『日本永代蔵』で「朝(あした)には星をかづき」として取り入れられ、後に語句がつくなどして伝えられたらしい。
- 回答プロセス
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1 『日本国語大辞典 第2版』小学館国語大辞典第二版編集委員会編 小学館 2000年 【813.1/シヨ/1】の「あした(朝・明日)」の項に「あしたに星(ほし)をかずく」(呂氏春秋-開春論」の「以春出、以星入」による。(中略)まだ星が残っている夜明けに起きて、勤勉にはたらく。あさぼし」として「浮世草紙・日本永代蔵」の用例を挙げている。
2 『日本語シソーラス 第2版』山口翼編 大修館書店 2016年 【813.5/ヤタ】の「勤勉」の項に「朝に星をかずく 星を戴いて出で星を戴いて帰る 星を以て出で星を以て入る。[呂氏春秋] 星行」などとある。
3 当館契約データベース「JapanKnowledge」で検索。
「あした に 星(ほし)をかずく」が見つかるが、記載内容は『日本国語大辞典』のもの。
4 『呂氏春秋 下』楠山春樹著 明治書院 1998年 【124.7/リフ/3】を確認。
巻末には索引があるが、ここに「星を以て出で星を以て入る」はない。
「開春論」本文から該当の部分を見つける。
5 インターネットで検索すると、この表現を使って後に語句がつけられたものがあるが、元々のこの表現を転用したものと思われる。
- 事前調査事項
- NDC
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- 先秦思想.諸子百家 (124)
- 辞典 (813)
- 参考資料
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楠山春樹 著 , 楠山, 春樹, 1922-2011. 呂氏春秋 下. 明治書院, 1998. (新編漢文選 ; 3. 思想・歴史シリーズ)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002745090-00 , ISBN 4625572037
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楠山春樹 著 , 楠山, 春樹, 1922-2011. 呂氏春秋 下. 明治書院, 1998. (新編漢文選 ; 3. 思想・歴史シリーズ)
- キーワード
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- 勤勉
- ことわざ
- 慣用句
- 類義語
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000232668