レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年11月14日
- 登録日時
- 2017/12/01 18:03
- 更新日時
- 2019/07/16 15:11
- 管理番号
- 県立長野-17-109
- 質問
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解決
小林一茶の作とされる「勧農詞」を見たい。複写は可能か。現代語訳もあればありがたい。
- 回答
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当館所蔵の『一茶俤集』からの複写は可能だが、国立国会図書館デジタルコレクションにも『一茶俤集』19コマ【2017.12.1最終確認】は収録されており、図書館送信限定のため和歌山県立図書館ほか県内の図書館3ヶ所で利用できる旨伝える。
なお、「信州デジくら」収録の『一茶一代全集』103コマ【2017.12.1最終確認】および、国立国会図書館デジタルコレクション収録の『一茶一代全集』98コマ【2017.12.1最終確認】でも利用でき、こちらはインターネット公開資料のためどなたでも利用可能であることを伝える。
なお、事前調査のレファ協登録番号1000033729(埼久-1996-125)に、
『一茶大事典』(大修館書店)p.552 に「当時一茶作と信じられていた<観(勧)農詞>や・・・」
等の記述があったため、内容を確認したところ、柳沢国雄「一茶「勧農詞」をめぐって 」『長野』77号(1978) p.9-15では、作者は飯島(上伊那郡飯島町)の宮下正岑の作としている。また、この説の出典として高津才次郎「四山漫筆」『南信毎日新聞』(昭和5年)を挙げていたが、当館では所蔵がない。高津才次郎のその他の著作を探すと、国立国会図書館デジタルコレクションに高津才次郎「一茶の作ならぬ勧農詞其他」『書物展望』8(12)【最終確認2017.12.2】を発見。内容を確認し、図書館送信限定資料であることを伝える。
なお、この詞の現代語訳は確認できなかった。
- 回答プロセス
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1. 事前調査資料であるレファ協登録番号1000033729(埼久-1996-125)を確認する。当館で資料提供した『一茶俤集』【N913/192】p.5-6の資料状態をみる。複写は可能。デジタルアーカイブでの提供状況を検索する。
2.『一茶大事典』(大修館書店)p.552 の記述を確認するが、誰の作という限定はしていなかった。
3. 当館の郷土雑誌の目次を検索すると、柳沢国雄「一茶「勧農詞」をめぐって 」『長野』77号 がヒットする。内容を確認したところ、宮下正岑の作としていた。この論の中で挙げられた資料を探す。
4. 論拠としている 高津才次郎「四山漫筆」『南信毎日新聞』(昭和5年)は当館で所蔵していないため、高津才次郎のほかの著作を探す。勧農詞を扱ったものとして、「一茶の作ならぬ勧農詞其他」『書物展望』8(12)を見つける。
5. また、柳沢国雄「一茶「勧農詞」をめぐって 」の中で「勧農詞」の初出を『一茶一代全集』(明治41年)としている。当館でも所蔵していた。当館のデジタルアーカイブである「信州デジくら」【最終確認2019.7.16】でも公開している。
- 事前調査事項
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レファ協登録番号1000033729(埼久-1996-125)
- NDC
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- 詩歌 (911 8版)
- 参考資料
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俳諧寺一茶翁百年法要会 , 俳諧寺一茶翁百年法要会 編. 一茶俤集. 俳諧寺一茶翁百年法要会, 1926.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001846497-00 (【N913/192】) -
長野郷土史研究会. 長野. 長野郷土史研究会, 1964., ISSN 02877309
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000017597-00 (77号)
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俳諧寺一茶翁百年法要会 , 俳諧寺一茶翁百年法要会 編. 一茶俤集. 俳諧寺一茶翁百年法要会, 1926.
- キーワード
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- 小林一茶
- 勧農詞
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 郷土 人物
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000225777