レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/05/27
- 登録日時
- 2017/08/02 00:30
- 更新日時
- 2017/08/02 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-170032
- 質問
-
解決
「櫛」に関する日本の迷信,俗信に関する,専門的な資料を見たい。
- 回答
-
以下の資料に記載がありました。※【 】は当館請求記号です。
資料1 岩井宏實 監修, 工藤員功 編『絵引民具の事典』河出書房新社, 2008【383.93/089/R】
pp.122-123「櫛」の項
「(前略)櫛は、女性の象徴あるいは女性の魂が宿るものという考えが古くからあり、船霊のひとつとして船に祀られたり、櫛が折れるのは何か悪いことが起こる前兆とされてきた。」
資料2 熊代彦太郎 編『俚諺辞典』大空社, 1990【388.81/906/R】
pp.159-160「櫛を落すと苦が消ゆる。俗説 夜櫛を投げぬもの(ヨの部)参照。」
「櫛を拾ふと苦を拾ふ。櫛を拾ふと苦が絶えぬともいふ。櫛を苦思と音相通ずるゆえに忌むか。夜櫛を投げぬもの(ヨの部)参照。」
その他,俗説が3件掲載されています。
p.527 「夜櫛を擲げぬもの。 縁の切れん事を恐るゝなり。(後略)」
資料3 尚学図書 編『故事・俗信 ことわざ大辞典』小学館, 1982【388.8/824/R】
pp.356-357「くし〔櫛〕」の項
「櫛、簪(かんざし)を拾(ひろ)うと捨(す)てた人(ひと)の頭(あたま)の病気(びょうき)が移(うつ)る 頭に使用するところからいう。〔安芸三津漁民手記〕」
「櫛の歯(は)欠(か)くれば兄弟(きょうだい)姉妹(しまい)に別(わか)るる 〔周防山口付近の俗諺=「風俗画報」二二九号〕(後略)」
その他,俗説が19件掲載されています。
資料4 清岡純子『櫛玉手箱』文化出版局, 1981【383.5/ク2】
pp.140-141「贈り物の櫛」の項
「櫛の音読が奇しにも通じるところから、櫛は神秘的なものとされ、昔からいろいろな迷信のたぐいが言い伝えられています。櫛を人に贈ることは苦を渡すことになるとか、櫛を捨てれば苦を捨てたと胸をさすったりしました。また大正から昭和の初めにかけての俗謡で「櫛は縁切り、ハンカチゃ当座の縁つなぎ」というのが流行しましたが、(中略)天皇が皇女を斎宮に出されるとき、その額に櫛をさすのですが、これを別れの櫛というので、櫛を贈ると縁切りになるなどとあやまって伝えられたものと思われます。(中略)別れのときには扇と櫛を贈るのがならわしになっているのは、(中略)櫛は髪の千筋に乱れるような旅路も、櫛で梳いたように何事もなく通れますように、との意味であると(後略)」
資料5 日本随筆大成編輯部 編『日本随筆大成 第1期 6』吉川弘文館, 1993【914.5/ニホ936/1-6】
pp.187-218 「歴世女装考」/「巻一 前編之部 ○櫛の部」の項から「巻二 前編之部 以上櫛条終」の項まで
「[十三]櫛の始原、擲櫛を忌縁、湯津津間櫛の考(中略)[十一]櫛を投げて親子の縁を断る、櫛は人に贈ぬ物といふ事(後略)」
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 衣食住の習俗 (383 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 服飾
- 装身具
- 髪飾り
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000219709