レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/1/12
- 登録日時
- 2017/02/16 00:30
- 更新日時
- 2017/05/09 13:50
- 管理番号
- B161227103204
- 質問
-
未解決
明治初期及び昭和13年に大ショウガが日本に導入された経緯が記載された資料があれば紹介してください。
- 回答
-
当館所蔵資料を調査しましたが、明治初期及び昭和13年に大ショウガが日本に導入された経緯が記載された資料は見当たりませんでした。参考までに、大ショウガの日本への導入について記述がある資料(1)-(3)が見つかりましたので、御紹介します。ただし、資料(1)及び(3)は長崎県での栽培に係る記述です。(【 】内は当館請求記号です。末尾に「*」がついた資料は国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/)国立国会図書館/図書館送信参加館限定公開資料です。)
(1)タキイ種苗株式会社出版部編;芦澤正和 監修. 都道府県別地方野菜大全. 農山漁村文化協会, 2002.11【RB181-H11】
pp.286-288に「大ショウガ」の項があり、「大ショウガが長崎で作られるようになったのは、日清戦争直後の明治30年、台湾から長崎市郊外の矢上村戸石に入ったのが始まりとされている」(p.286)とあります。
(2)遠藤榮,遠藤栄一編. ガリ屋がまとめた生姜のはなし. 創元社, 2011.3【RB186-J4】
p.47に、「大生姜が日本に入ってきたのは明治時代になってからで、中国からもたらされたとのことです。」とあります。
(3)小川勉 他. 大ショウガの発育と肥培に関する研究. 長崎県総合農林試験場研究報告. 農業部門.(通号7) 1979.03, pp.181-225【Z18-984】
p.182に「長崎県下における大ショウガの栽培は, 明治30年代台湾より導入されたのが始まりとされている」とあります。
[その他の調査済み資料及びデータベース]
・月川雅夫著. 野菜つくりの昭和史:熊沢三郎のまいた種子. 月川雅夫, 1994.4【RB181-E138】
※熊沢三郎についての資料です。ただし、大ショウガについての具体的な記載があるかどうかまでは調査しておりません。当館のレファレンスでは、本文を精読しての調査、網羅的な調査はできませんのでご了承ください。
・横田直隆著. やさしいショウガ栽培. 家の光協会, 1990.2【RB186-E6】
※p.18に「大ショウガについては、明治30年ごろ台湾から導入されたということを故人から聞いています」という記載があります。
・喜田茂一郎著. 蔬菜園藝全書.上卷.増稿第18版. 西ケ原刊行會 ; 目黒書店 (発売), 1929.2【RB181-H31】*
・喜田茂一郎著. 蔬菜園藝全書.下卷.増稿第20版. 西ヶ原刊行會, 1934.3【RB181-H33】*
・喜田茂一郎著. 蔬菜の研究:趣味と科学. 地球出版, 1947【626-Ki126s】*
・喜田茂一郎著. 蔬菜の研究.8版. 地球出版, 1947【a622-11】*
・喜田茂一郎著. 蔬菜園芸要覧. 第16版. 地球出版, 1948【a622-17】*
・熊沢三郎等著. 総合蔬菜園芸各論. 改著版. 養賢堂, 1965【626-Ku811s2-(s)】*
・青葉高[ほか]編. 園芸植物大事典. 2 (キク~スイ). 小学館, 1988.10【RB2-E11】
・柴田桂太編. 資源植物事典. 北隆館, 1949【470.33-Si295-S】
・農山漁村文化協会編. 地域食材大百科. 第2巻 (野菜) 農山漁村文化協会, 2010.5【PC2-J13】
・熊沢三郎,赤城勘一. 台湾・南支を中心とせる蔬菜の研究〔9〕(里芋, 蓮芋, ヤウテヤ, 薑, 南薑). 農業及園芸. 12(2), 1937.2, pp.617-627【Z18-396】
・NDL-OPAC (https://ndlopac.ndl.go.jp/)
・国立国会図書館サーチ (http://iss.ndl.go.jp/)
・リサーチ・ナビ (http://rnavi.ndl.go.jp/rnavi/)
・CiNii Articles( http://ci.nii.ac.jp/ )
・CiNii Books( http://ci.nii.ac.jp/books/ )
・J-GLOBAL( http://jglobal.jst.go.jp)
・J-STAGE( https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja )
インターネット及びデータベースの最終アクセス日は2017年1月6日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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・熊沢三郎(1972)改著総合蔬菜園芸各論 改著第7版 養賢堂
※日本への大ショウガの渡来は3回(江戸時代初期、明治時代、昭和13年に台湾より)あるとされています(p.251)。なお、昭和13年は、熊沢が台湾総督府(農務課と思われる)に勤めていた時期です。
・喜田(1934)『蔬菜園芸全書』
※前掲書(熊沢三郎(1972))に喜田(1924)として引用されている文献があります。この文献の特定はできず、これに該当すると思われる本書を確認しましたが、大ショウガが明治時代に導入されたという記述は認められませんでした。
・川勝義夫(1968)ショウガ.園芸植物大事典2 小学館
※p.565に「明治時代初期(1875年頃)に再び広東より、さらに1938年(昭和13)に熊沢三郎により広東から台湾を経て三たび導入され」との記載があります。
- NDC
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- 蔬菜園芸 (626 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 大ショウガ
- 熊沢三郎(くまざわさぶろう)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000209927