レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2003年12月20日
- 登録日時
- 2016/09/15 16:18
- 更新日時
- 2016/10/04 16:47
- 管理番号
- 千県西-2016-8
- 質問
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解決
二十世紀梨のクロボシ病の症状を知りたい。
- 回答
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【資料1】『果樹園芸大百科 4 ナシ』p519「ナシえそ斑点病(2)類似病害とその相違点」に「黒星病の葉身部に出た病斑は、表から見ると似ているが、裏から見れば、ことに脈上に形成された病斑などスス状の分生胞子が粉っぽく付着している」とあり、クロボシが黒星とは断定できないが提供しました。
【資料2】『園芸植物大事典 3』「ナシ」の項に「病気は、二十世紀では黒斑病、新水、幸水などの赤ナシでは黒星病がそれぞれ問題となる。」(p433)とありましたが、病状はありませんでした。
Google で「黒星病」を検索した結果【資料3】「ナシ黒星病・輪紋病の防除に関する知識」(http://riss.narc.affrc.go.jp/nashi/disease.htm)のページに病状があり、該当ページの担当者、千葉県農業総合研究センターを併せて紹介しました。
(以降は2016年8月追加調査)
前掲【資料1】は、「ナシえそ斑点病」の項(p519-522)で黒星病についても触れている記述のため、分量は少ないです(p519)。白黒写真はあり。
【資料4】『原色果樹病害虫百科 5 ナシ・ビワ・イチジク・マンゴー 第2版』
目次より 黒星病p13-23 農薬表p553-554
このうち、症状については、「診断の部」p15-18に記述があります。
p15 見出しに、「黒星病」「病原菌名 Venturia nashicola Tanaka & Yamamoto」「別名 べっこう病,黒斑病,そうか病」「英名 Scab」の記述があります。
また、別に「黒斑病」(病原菌名 Alternaria kikuchiana Tanaka)の項があり、この診断の部に、「誤診しやすい病害との区別点」(p7)として「黒斑病」「黒星病」「えそ斑点病」の葉、果実、枝それぞれの病徴を比較する表が掲載されています。
【資料5】『ナシの作業便利帳 高糖度・良玉づくりのポイント120』
「病虫害対策のカンドコロ」の項p133-134 に「黒斑病と黒星病は発生条件が違う」とあり、「主要病害の防除ポイント」の項ではp135-136「黒星病」とp136「黒斑病」が別に記載されています。防除が主眼で症状については【資料4】ほど詳しくありませんが、病状についての記述が【資料4】と異なります。
【資料6】『日本大百科全書 7』
p759「黒星病」「糸状菌の寄生によっておこる。いずれも葉や果実に不規則な形の黒い小さな斑点ができる」とあります。梨ではベンチュリア属という菌の寄生によりもたらされると書かれています。
【資料7】『ナシ黒星病』
p22-26「被害とその特徴」
【資料8】雑誌『現代農業』
「ルーラル電子図書館」(http://lib.ruralnet.or.jp/)トップページから検索し、「現代農業」で記事を絞り込むことができます。
見出しまで閲覧可能ですが、記事をWEB上で読むには「ルーラル電子図書館」への契約が必要です。西部図書館では閲覧できませんが、『現代農業』1977年4月号から2013年4月号までを所蔵しています。2013年5月号以降は東部図書館の所蔵ですので、取り寄せが可能です。
「ナシ技術員 水戸部満先生が見る 埼玉県JA南彩」(『現代農業』93巻6号 通巻812号 2014.6 特集「2014年 減農薬大特集 農家が見る 病害虫写真館(2)敵を知ってたたく」)p122-131
p126,128-129「黒星病」解説と写真、「見るポイント」を掲載。
WEB上の情報源
【資料9】「ナシ 黒星病/千葉県」
(https://www.pref.chiba.lg.jp/lab-nourin/nourin/byougaichuu/kuroboshi.html)
カラー写真と解説あり。
なお、「病害虫アルバム」
(https://www.pref.chiba.lg.jp/lab-nourin/nourin/byougaichuu/index.html)は、千葉県の「歴代の防除所職員が調査中に少しずつ撮りためた写真集」です。
【資料10】「ナシ黒星病の防除 - ナシ病害管理支援システム」
(http://riss.nobody.jp/nashi/kurohosi.htm)
千葉県農業試験場が作成したページです。専門的な記述ですが防除について参考になります。また、ページ下部の「参考資料」の欄のWEBサイトや、「ナシの試験研究情報サイト」へのリンクなどが参考になります。
【資料11】「総目次 ナシ」(http://lib.ruralnet.or.jp/boujo/s/nasi.htm ルーラル電子図書館)症状から病名を調べられます。病名から症状の詳細を閲覧するには契約が必要です。
東部図書館で契約しているので、必要に応じて調査を依頼し複写を取り寄せます。
※【資料4】『原色果樹病害虫百科 5 ナシ・ビワ・イチジク・マンゴー 第2版』の「病害・虫害の発生部位、症状の特色から見た目次」に類似するが、WEBページのほうが扱っている図版や病気の種類が多い。
(インターネットの最終アクセス:2016年8月14日)
- 回答プロセス
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(以下は2016年8月追加調査)
・当館開架62分類の棚および百科事典をブラウジングし、辞典類を調査した。
・自館蔵書検索で書名「くろぼしびょう」を検索、該当した【資料6】の件名「なし(梨) 果樹-病虫害」を再度検索し、資料を探した。
・googleで「ナシ 黒星病」を検索すると、【資料9】などが見つかった。
・ルーラル電子図書館のトップページの検索窓から、「黒星病」を検索した(表記が「クロホシ病」の資料もヒットする)。検索結果ページからデータベース「現代農業」にチェックして絞り込み可能。防除に関する記述が大半で、以下の号には記述がなかった。
大平豊務「ナシ 二十世紀コクハン病、赤ナシのクロホシ病」(『現代農業』64巻6号 通巻460号 1985.6 「毎年てこずるこの虫、この病気 確実に減らす法」)p271-273
林武彦(指導)/千葉県農業試験場/小倉隆人(撮影)「病害虫防除の秘密兵器ルーペ(虫めがね)」(『現代農業』66巻6号 通巻485号 1987.6)p17-19
「黒星病」(『現代農業』81巻7号 通巻668号 2002.6 「2002年 防除特集号 最近困ったやっかいな病害虫 相談室」)p218-226
「春防除で先手必勝」(『現代農業』90巻4号 通巻774号 2011.4号)p222-229
「二十世紀梨のクロボシ病」と指定があったが、黒星病は赤梨に多いことや、二十世紀梨では黒斑病が多いことなどを記述した資料が見つかった(二十世紀梨に黒星病が発生しないわけではない)。
- 事前調査事項
- NDC
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- 果樹園芸 (625 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】『果樹園芸大百科 4 ナシ』(農文協編 農山漁村文化協会 2000)(1101682008)
- 【資料2】『園芸植物大事典 3』(塚本 洋太郎総監修 小学館 1989)(1100690909)
- 【資料3】「ナシ黒星病・輪紋病の防除に関する知識」(http://riss.narc.affrc.go.jp/nashi/disease.htm)
- 【資料4】『原色果樹病害虫百科 5 ナシ・ビワ・イチジク・マンゴー 第2版』(農文協編 農山漁村文化協会 2005)(1101972966)
- 【資料5】『ナシの作業便利帳 高糖度・良玉づくりのポイント120』(広田 隆一郎著 農山漁村文化協会 1990)(1102172045)
- 【資料6】『日本大百科全書 7』(小学館 1995)(1101516188)
- 【資料7】『ナシ黒星病』(梅本清作著 農山漁村文化協会 2013)(2102580283)
- 【資料8】「ナシ技術員 水戸部満先生が見る 埼玉県JA南彩」(『現代農業』93巻6号 通巻812号 2014.6 特集「2014年 減農薬大特集 農家が見る 病害虫写真館(2)敵を知ってたたく」)p122-131 p126,128-129「黒星病」解説と写真、「見るポイント」を掲載。
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【資料9】「ナシ 黒星病/千葉県」
(https://www.pref.chiba.lg.jp/lab-nourin/nourin/byougaichuu/kuroboshi.html) -
【資料10】「ナシ黒星病の防除 - ナシ病害管理支援システム」
(http://riss.nobody.jp/nashi/kurohosi.htm) - 【資料11】「総目次 ナシ」(http://lib.ruralnet.or.jp/boujo/s/nasi.htm ルーラル電子図書館)
- キーワード
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- 果樹園芸
- 病虫害
- なし(梨)
- 黒星病
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000197000