レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2016/08/14 14:00
- 更新日時
- 2017/03/30 16:45
- 管理番号
- 若林2016-事6
- 質問
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解決
石川啄木の「ふるさとの山に向かひて言うことなし ふるさとの山は
ありがたきかな」という詩は、どの歌集に収められているのか。
また「ふるさとの山」とは岩手山の事を指しているのかを知りたい。
- 回答
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この歌は歌集『一握の砂(いちあくのすな)』に収められている。
「ふるさとの山」を岩手山だと断定している資料は見つけられなかったが、岩手山であろうと推測している資料として、『石川啄木辞典』p243-244、『岩手山 いわての名峰徹底ガイド』p72-73、『日本の名山 2 岩手山』p14などがあり、岩手山と姫神山だと記述がある資料として『啄木歌集全歌評釈』p139がある。また、岩手山と姫神山のどちらかなのかという「ふるさとの山論争」についての記述が『石川啄木事典』p174にある。
- 回答プロセス
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まずこの歌を調べると、歌集『一握の砂』の第二章「煙」にあることを確認し、図書館の蔵書から『一握の砂・悲しき玩具 石川啄木歌集』を提供した。
次に「ふるさとの山」が岩手山を指している資料について、「石川啄木」をキーワードとし検索。『石川啄木事典』p174の「山」の項目に「啄木の「山」と言えば、何と言っても故郷渋民に関連する岩手山と姫神山とに関わる「ふるさとの山」が名高い。「ふるさとの山」とはどちらの山なのか、の「ふるさとの山論争」もある。」という記述があった。p243「岩手山」の項目に歌集『一握の砂』には、岩手山を詠み込んだと思われる短歌が七首あり、母なる山の姫神山に対して、父なる山と捉えていると考えられる」という記述と共にこの歌があった。
また、「岩手山」をキーワードとして検索すると、『岩手山いわての名峰徹底ガイド』p72に「啄木の作品にはふるさとの象徴として「岩手山」(あるいは岩手山と推定される山)が数多く登場する」とあった。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 『一握の砂・悲しき玩具 石川啄木歌集』 石川啄木/著 新潮社 2012年
- 『石川啄木事典』 国際啄木学会/編 おうふう 2001年
- 『岩手山 いわての名峰徹底ガイド』 岩手日報社 2005年
- 『日本の名山 2 岩手山』 串田孫一[ほか]/編 博品社 1997年
- 『郷土資料事典 3 岩手県』 人文社 1998年
- 『啄木歌集全歌評釈』 岩城之徳/著 筑摩書房 1987年
- キーワード
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- 石川啄木
- 岩手山
- 姫神山
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査 所蔵調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000195842