レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年02月15日
- 登録日時
- 2015/10/27 17:09
- 更新日時
- 2015/10/27 17:10
- 管理番号
- 0130215001
- 質問
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解決
蹲踞(つくばい)で中央部分に四角の穴があり、その穴を囲むように時計周りで「五隹止矢」と書かかれているものがあるらしい。これはなんと読み、どういう意味か。
- 回答
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蹲踞とは、茶庭に設置された手水鉢です。
この蹲踞の文字は「吾唯知足」(吾れ唯た足るを知るのみ:われただたるをしるのみ)と読みます。
中央の四角い穴を漢字の口という部首に見立てたものです。
京都の龍安寺(りょうあんじ)は石庭で有名ですが、この寺院の茶庭には水戸光圀が寄進したという質問内容と同じ形の蹲踞(ただし複製、本物は非公開)があり、こちらも有名です。京都のガイドブックには龍安寺の蹲踞の写真が掲載されているものがいくつかあります。
龍安寺の石庭には15の石が配置されており、この15の石すべてを見られずとも不満に思ってはならない、との意味があるとの記述も見られます。
また関連事項として、茶道の不昧流をおこした松平不昧公は「夫れ茶道は、知足の道なり。知足は足ることを知ると読むなり。…」という言葉を残しています。茶道と関係が深い禅宗では、「知足」という禅の境地をあらわす言葉があり、老子の「知足:足るを知る者は富む」(現状を満ち足りたものと理解し、不満を持たないこと)という言葉からきているようです。
以下、当館所蔵の参考資料になります。
京都歴史探訪ウォーキング p.91
写真あり
河合敦先生と行く歴史がよくわかる京都の本 p.50
「15個の石を…」の解説があるが蹲踞の写真はなし
茶席の禅語大辞典 p.263
「吾…」の意味あり
茶禅不昧公 p.176
「夫れ茶道は・・・」の記述あり
(未央庵宗納は不昧公=松平治郷の号)
四季を旅する京都 2006-07秋冬号 p.111
写真あり
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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新町駅の近くの寺にこの蹲踞があるとのこと。
- NDC
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- 造園 (629 9版)
- 参考資料
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小林祐一 著 , 小林, 祐一, 1957-. 京都歴史探訪ウォーキング. メイツ出版, 2005.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008005050-00 , ISBN 4895779106 (当館資料番号 113717904) -
河合敦 監修・著 , 河合, 敦, 1965-. 河合敦先生と行く歴史がよくわかる京都の本. JTBパブリッシング, 2011.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000011141144-00 , ISBN 9784533082207 (当館資料番号 120990619) -
有馬頼底 監修 , 有馬, 頼底, 1933-. 茶席の禅語大辞典. 淡交社, 2002.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003052452-00 , ISBN 4473018555 (当館資料番号 116378639) -
高橋竜雄 著 , 高橋, 竜雄, 1868-1946. 茶禅不昧公. 宝雲舎, 1944.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000667885-00 (当館資料番号 111480158) -
四季を旅する京都 2006-2. 舵社, 2006-11. (KAZIムック)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I052108085-00 , ISBN 4807293567 (当館資料番号 116321472)
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小林祐一 著 , 小林, 祐一, 1957-. 京都歴史探訪ウォーキング. メイツ出版, 2005.
- キーワード
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- 手水鉢
- 蹲踞
- 吾唯知足
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000182979