レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年03月09日
- 登録日時
- 2015/05/08 15:54
- 更新日時
- 2015/05/28 17:40
- 管理番号
- 岩手-222
- 質問
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解決
雛人形の片づけが遅いと、婚期が遅れると言われる理由を知りたい。
- 回答
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婚期が遅れる理由として黒塚 信一郎∥著『茶柱が立つと縁起がいい』に、次のように記されている。
《(略)―雛祭りは本来、身のケガレや災厄を「人形」に託して祓おうとする行事であった。だから現在でもこの日に「流し雛」とか「雛おくり」といって、紙で作った人形を川に流したりする。娘の身に付いたケガレや災厄を祓うためだ。―(略)―江戸時代中期以降、雛人形は制作技術もすすんで、だんだん豪華になって普及し始めた。そうなると、毎年それを流して捨てるわけにはいかなくなった。そこで早く片付けることで、水に流したことにした―(略)―節供が終っても雛人形を飾っておいては、「人形」を川や海に流さないのと同じで、「祓」にならない。それでは女の子にとってよくない。女の子にとってよくない状況とは、お嫁にいけないことだと考えられた―(略)》
また、新谷 尚紀∥監修『和のしきたり』にも、同様の記述がある。
《人形は古くは人形(ひとがた)の意味があり、幼児の遊び道具であるとともに厄払いや呪詛の目的として使われるものでした。人形は人の身代わりとなる対象物で、人の穢れを移すためのもの―(略)―草木や紙などで人形を作り、それで体を撫でて災厄を託し、川や海にながしたといいます―(略)―雛人形が豪華で立派なものになるにつれ流すに忍びなくなり―(略)―雛人形に代わって「すぐ片づける」ことで穢れを祓ったとみなすようになった》
他にも、同内容を記した資料があり紹介した。
紹介した資料は次の通り。
『茶柱が立つと縁起がいい』
⇒p74~78「お雛様は早めにしまわなければいけない」
『和のしきたり』
⇒p52~53「雛祭りが終わると、すぐに人形を片づけるのはなぜか」
『知れば恐ろしい日本人の風習』
⇒p79~81「雛祭り」
『なるほどッ日本のしきたり』
⇒p101「ひな人形の翌日飾りはナゼお嫁に行けない?」
- 回答プロセス
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・「雛祭り」関係の資料を調査。ほとんどが、雛人形や祭りについて紹介するもので、質問内容についての記述は確認できず。
・「言い伝え」「語り伝え」「風習」についての民俗関係資料を調査。380~ をブラウジング。記述を確認した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 風俗習慣.民俗学.民族学 (380 9版)
- 参考資料
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- 『茶柱が立つと縁起がいい』黒塚 信一郎∥著 原書房∥出版 2005年 , ISBN 4562039558 (http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007967842-00)
- 『和のしきたり和のしきたり』新谷 尚紀∥監修 日本文芸社∥出版 2007年 , ISBN 9784537254907 (http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008512940-00)
- 『知れば恐ろしい日本人の風習』千葉 公慈∥著 河出書房新社∥出版 2012年 , ISBN 9784309225852 (http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I024076955-00)
- 『なるほどッ日本のしきたり』大峡 儷三∥著 学陽書房∥出版 1994年 , ISBN 4313701044 (http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I011283138-00)
- キーワード
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- 雛祭り
- 婚期
- 言い伝え (語り伝え)
- 風習
- しきたり
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000174339