レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年02月17日
- 登録日時
- 2015/04/15 16:19
- 更新日時
- 2015/06/30 16:42
- 管理番号
- 埼久-2015-020
- 質問
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未解決
落語と落語の間に繋ぎ的に話されていた話の内容とそれ自体の名称を知りたい。
「ほこりたたき」(このタイトルで伝え聞いているが不確実)
「ごめんあそばせ みなさまのなかで不器用なわたくしに こちゃ なにかせよとのご難題。 あちゃえ こちゃえ なにをいたそか くよくよと思案にくるる暇(いとま)には 屋形船さえだいこつの 紬織物塗り物の りきゅうへおじゃるなら わらじはいて鉄砲かついで大陸へ 鎮台様はロシャまでも 「ススメススメ」と下知すなる 思えば建久十四の夏 父を討たれしはらからが かたき工藤祐経を 雉もなかずば討たる(れ?)まい。」と続く。
明治の末か大正頃に東京の寄席で聞いて憶えたものである。幇間(たいこもち)が語家と落語家の演目の間にやっていた芸で、節回しが面白く、よく家族で口ずさんでいた。
- 回答
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探しているフレーズを含む記述は見つからなかった。
- 回答プロセス
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自館目録を〈ほこりたたき〉で検索したところレコード3件ヒットするが、収録作品「ほこりたたき」は、「音曲吹き寄せ」という形式で演奏される音曲であり、質問の語句は歌詞の中に確認できない。
《Google Books》(https://books.google.co.jp/ Google 2015/02/15最終確認)を〈寄席 & ほこりたたき〉で検索する。
『芸道名言辞典』(河竹繁俊編 東京堂出版 1969)
p156 立花家橘之助(たちばなや きつのすけ)の得意としたものに「ほこりたたき」あり。
参考文献として『芸談百話』(黒崎貞治郎)が挙げられている。国会デジタル化資料で内容を確認するも、「ほこりたたき」に関する内容はなし。
《Google》を〈ほこりたたき & たいこ〉で検索する。
「日本伝統音楽研究センター所報 第11号」(京都市立芸術大学 2010)PDF閲覧可(http://w3.kcua.ac.jp/jtm/publications/pdf/syohoo11.pdf 京都市立芸出大学 2015/02/15最終確認)
36コマに「ほこりたたき」(東京では「吹き寄せ」)についての言及あり。
《Google》を〈ほこりたたき & 橘之助〉で検索する。
「日本伝統音楽研究センター所報 第10号」(京都市立芸術大学 2009)PDF閲覧可(http://w3.kcua.ac.jp/jtm/publications/pdf/syohoo10.pdf 京都市立芸術大学 2015/02/15最終確認)
66コマに「ほこりたたき」について言及あり。
『寄席楽屋事典』(花月亭九里丸編 東方出版 2003)
p131「ほこりたたき 埃叩き」の項目あり。引用されている2件に類似フレーズなし。
《Google》を〈ほこりたたき & 落語〉で検索する。
《歴史的音源》(http://rekion.dl.ndl.go.jp/ 国会図 2015/02/12最終確認)を〈ほこりたたき〉で検索する。
立花家橘之助の「小唄:ほこりたたき」(上)(下)あり。館内で視聴するも、ノイズが多くて聞き取り辛く、質問に関連するか不明である。
『SPレコード60000曲総目録』(アテネ書房 2003)
p21に立花家橘之助「ほこりたたき」(上)(下)あり。《歴史的音源》と同じものと思われる。
《国会図サーチ》(http://iss.ndl.go.jp/ 国会図 2015/02/12最終確認)を〈立花家橘之助〉で検索して10件ヒットする内、自館所蔵資料を調査する。
矢野誠一著「立花家橘之助<出色の女藝人> 」(『演劇界 58巻3号』p86-87 小学館 2000)
立花家橘之助について書かれているが、質問に関係しない。
榎本滋民著「戯曲 たぬき 浮世節立花家橘之助」(『テアトロ 382号』p118-171 カモミール社 1974)
立花家橘之助が登場人物として出てくる戯曲「たぬき」が掲載されている。劇内で立花家橘之助が「俗曲吹き寄せ『ほこりたたき』をひき唄う」とのト書きと歌詞あるが、歌詞は『寄席楽屋事典』にあるものとほぼ同じで、質問の歌詞ではない。
《国会図サーチ》を〈ほこりたたき〉で検索する。
『大正期SP盤レコード芸能・歌詞・ことば全記録 1』(大空社 1996)
p549-550「ふきよせ」あり。
p571-573「ほこりたたき」あり。
p500「琉球節 日蓄1045 東京 吉原〆治」に「琉球へおじゃるなら草鞋はいておじゃれ琉球は石原小石原・・・」という類似フレーズあり。
p524「どんどん節 日蓄1970 東京 吉原〆治」に「頃は建久四年の五月雨に親の敵の祐経を裾野の狩屋へ忍び込んで本懐遂げし兄弟が着ていた小袖は蝶千鳥ドンドン」という類似フレーズあり。
「粋の咲わけ : 四季の花園」(一文内史編 鳥井正英堂 1894 国会図蔵)
《国会図デジタルコレクション》(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/855999 国会図 2015/02/17最終確認)
p113-120(68-72コマ)「ほこりたゝき」あり。「海晏寺(かいあんじ)」「京の四季」「梅が主」「浄瑠璃文句」の4つが出ているが、探しているフレーズなし。
「滑稽落語集」(夢廼舎散人 尚文堂 1897 国会図蔵)
《国会図デジタルコレクション》(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/891289 国会図 2015/02/17最終確認)国会図デジタル化資料図書館限定送信
p135-143「ほこり叩き講釈」あり。質問のものではない。また参考になる情報なし。
「あごはづし : 抱腹絶倒」(青文堂 1918)
《国会図デジタルコレクション》(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/906323 国会図 2015/02/17最終確認)
p41-43(35-36コマ)「ほこりたゝき」あり。質問のものではない。また参考になる情報なし。
《Google Books》を〈ほこりたたき & 立花家橘之助〉で検索する。
『日本国語大辞典 2』(日本国語大辞典第二版編集委員会編 小学館 2001)
p155「浮世節」の項目に、「ほこりたたき」に言及した説明あり。
『日本の伝統芸能講座音楽』(日本芸術文化振興会国立劇場調査養成部企画・編集 淡交社 2008)
p367「《浮世節》のほこりたたきのような吹き寄せ」とあり。
『上方演芸辞典』(前田勇編 東京堂 1966)
p568-570「埃叩き(ほこりたたき)」項目あり。文枝の十八番としたものの構成が紹介されているが、同一あるいは類似のフレーズなし。
その他調査済み資料
『落語の歴史』(柏木新著 本の泉社 2012)
『日本の古典芸能 9 寄席』(芸能史研究会編 平凡社 1971)
『大衆芸能の神々』(尾崎秀樹著 九芸出版 1978)
『いろどる 色物の世界』(南博編 白水社 1981)
『寄席楽屋事典』(花月亭九里丸編 東方出版 2003)
《落語辞典》(http://www.geikyo.com/index.php 落語芸術協会 2015/02/04最終確認)
『上方落語寄席囃子の世界 1(解説編)』(林家染丸著 創元社 2011)
『上方落語寄席囃子の世界 2(譜面編)』(林家染丸著 創元社 2011)
『古典落語鑑賞事典』(永田義直編著 金園社 1972)
『古典落語 6 幇間(たいこもち)・若旦那ばなし』(落語協会編 角川書店 1978)
『古典落語100席』(立川志の輔選・監修 PHP研究所 1992)
『名人名演落語全集 6 昭和篇』(立風書房 1982)
『完本正岡容寄席随筆』(正岡容著 岩波書店 2006)
『寄席育ち』(三遊亭圓生著 青蛙房 1999)
『「はやり歌」の考古学』(倉田喜弘著 文藝春秋 2001)
『日本流行歌史 上』(古茂田信男編 社会思想社 1994)
『落語ハンドブック』(三省堂 2007)
レコード
『浮世節:東宝現代劇特別公演「たぬき」より/山田五十鈴』(テイチク 発売年不明)
『日本橋きみ栄大全集:第二集』(ポリドール 発売年不明)
『端唄俗曲傑作集:二/日本橋きみ栄』(キャニオンレコード 1975)
CD
『寄席囃子/ひので会』(日本伝統文化振興財団 2007)
『寄席ばやし』(キングレコード 1997)
『端唄』(Sony Records 1993)
『お笑い百貨事典:大正時代・大正モダンの波を受けて』(キングレコード 1977)
『幻の落語・壁金』(日本伝統文化振興財団 2012)
『江戸の文化:1:語り』(コロムビアミュージックエンタテインメント 2003)
『伝統音楽のすすめ ;名人演奏と共に; 義太夫・胡弓 長唄・常磐津』(コロムビアミュージックエンタテインメント 2010)
『仮名手本忠臣蔵:落語:「能狂言」「二八義太夫(二八浄瑠璃)」』(日本クラウン 1997)
『たいこ持ち 幇間五十年の一代記 私の世界シリーズ 6』(桜川忠七著 かのう書房 1990)
『たいこもち玉介一代』(悠玄亭玉介著 草思社 2000)
『幇間(たいこもち)の遺言』(悠玄亭玉介著 集英社 1995)
『いつもお祭り気分 幇間(たいこもち)の世界』(筏丸けいこ著 亜紀書房 1987)
『小沢昭一が選んだ恋し懐かしはやり唄:一』(日本コロムビア 1999)
『明治大正夢の名人寄席』(日本コロムビア 1987)
- 事前調査事項
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調査済資料
『落語ハンドブック 改訂版』(三省堂 2001)
『登場人物から味わう落語ハンドブック』(亜紀書房 2013)
『図説落語の歴史』(河出書房新社 2006)
『江戸落語便利帳』(青蛙房 2008)
『大衆芸能資料集成 4』(三一書房 1981)
『定本 落語三百題』(岩波書店 2007)
『名人名演落語全集 5』(立風書房 1982)
『明治大正落語集成 1-6』(講談社 1980)
《レファ協DB》に類似質問なし。
- NDC
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- 大衆演芸 (779 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 大衆演芸
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000170914