レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/05/01
- 登録日時
- 2015/04/15 00:30
- 更新日時
- 2015/04/15 10:09
- 管理番号
- 所沢本-2015-002
- 質問
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解決
瀧廉太郎作曲の「荒城の月」の2番に出てくる「ううるつるぎ」の「ううる」とは何か知りたい。
- 回答
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『日本童謡事典 』によれば、「荒城の月」の詩は「土井晩翠」作で、「ううる」とは「植うる」と書くようです。
『角川古語大辞典 第1巻』には、「う ・う【植・殖】」は「剣など棒状のものを土などに立てることを、比喩的にいう。」とあります。
また、『近代詩鑑賞辞典 』などによれば、「植うるつるぎ」は「林立する刀槍の形容」、「陣のまわりに防備として剣をさかさに植えた」等、の記載があります。
以下の資料に記載があります。
〇『日本童謡事典』 上笙一郎/編 東京堂出版 2005年
〇『角川古語大辞典 第1巻』 中村幸彦/編 角川書店 1982年
〇『日本文芸鑑賞事典 2 』 石本隆一/[ほか]編纂 ぎょうせい 1987年
〇『教科書にでている童謡・唱歌のふるさと 3 』大賀寛/監修・著 岩崎書店 2006年
〇『近代詩鑑賞辞典』 吉田精一/編 東京堂出版 1978年
〇『土井晩翠』 土井晩翠顕彰会/編 宝文堂 1984年
- 回答プロセス
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1所蔵資料の内容確認
〇『日本童謡事典 』 上笙一郎/編 東京堂出版 2005年
P135~137[解説]に「「荒城の月」は、1901年(明34)に東京音楽学校(現=東京芸術大学)編纂『中学唱歌』(同校刊)の一曲として公表され、…土井晩翠(1871~1952)の詩と、瀧廉太郎(1879~1903)作曲の…」とあり、P136の歌詞には「植(う)うるつるぎ」との記載があり。
〇『角川古語大辞典 第1巻』 中村幸彦/編 角川書店 1982年
P364に「う ・う【植・殖】…③剣など棒状のものを土などに立てることを、比喩的にいう。」とある。
〇『日本文芸鑑賞事典 2』 石本隆一/[ほか]編纂 ぎょうせい 1987年
P358~361[この作品の読みどころ]に「…また、「植うるつるぎに照りそひし」の一行は、月光を浴びて並び立つ刀や槍の姿を勇ましさとともに冷たく美しいイメージとしてとらえたみごとなフレーズで、…」と記載あり。
〇『近代詩鑑賞辞典 』 吉田精一/編 東京堂出版 1978年
P284~287に「「植うるつるぎ」は林立する刀槍の形容とも、また文字どおり陣のまわりに防備として剣をさかさに植えた中国的イメージとも言われるが、いずれにしても冴えかえった秋の月光に照り輝いて、冷気と殺気をはらみ…」との記載あり。
〇『教科書にでている童謡・唱歌のふるさと 3 』 大賀寛/監修・著 岩崎書店 2006年
P15に「植うるつるぎ」の言葉の解説として「林のように立ちならんだ刀」との記載あり。
△『日本現代文学全集 22 』 伊藤整/[ほか]編集 講談社 1968年
P7に「荒城の月」の歌詞の記載はあるが、その解説はない。土井晩翠の写真や年譜等はあり。
2 未所蔵資料
〇『土井晩翠 』(- 栄光とその生涯-) 土井晩翠顕彰会編集 宝文堂 1984年 (埼玉県立久喜図書館所蔵/平成26年5月1日現在)
P229 「…夜襲に際しての備えで、それは危険の迫った気配に早速対処して用意され、その堀に植えた刀剣の不気味に月光にきらめきつつ静まっている…」との記載あり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 声楽 (767 9版)
- 詩歌 (911 9版)
- 参考資料
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- 日本童謡事典 上笙一郎/編 東京堂出版 2005.9 767.7 4-490-10673-4
- 角川古語大辞典 第1巻 中村幸彦/編 角川書店 1982.6 813.6 4-04-011910-X
- 日本文芸鑑賞事典 2 石本隆一/[ほか]編纂 ぎょうせい 1987.10 910.26 4-324-00678-4
- 教科書にでている童謡・唱歌のふるさと 3 大賀寛/監修・著 岩崎書店 2006.4 767.7 4-265-03640-6
- 近代詩鑑賞辞典 吉田精一/編 東京堂出版 1978 911.5 4-490-10051-5
- 土井晩翠 土井晩翠顕彰会/編 宝文堂 1984.10 910.268 4-8323-0152-7
- キーワード
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- 荒城の月
- 土井晩翠
- 瀧廉太郎
- 植うるつるぎ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000170870