レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年11月29日
- 登録日時
- 2014/11/30 16:05
- 更新日時
- 2014/12/03 09:42
- 管理番号
- 0000107635
- 質問
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解決
山口では、日本で初めてクリスマスが祝われたとされるが、その記録がみたい。
- 回答
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天文21年12月10日(1552年12月25日)に山口で行われた降誕祭については、次のとおりルイス・フロイスの『日本史』等に記述がある。
・資料1 p101
「(山口)において(日本で)初めて降誕祭の祝いが催されたが、その報せに接したキリシタンたちは、これを大いに喜んだ」とある。
※( )は原文まま
・資料2 p130
訳は異なるが、資料1とほぼ同内容。
・資料3 p46
「1554年〔天文23年〕イルマン・ペロ・ダルカセバがゴアよりポルトガルの耶蘇会のイルマン等に贈りし書翰」の中で、
「降誕祭の日〔天文21年12月10日〕我等はミサを歌ひ、よき声にはあらざりしがキリシタン等はこれを聞きて大に喜びたり」とある。
・資料4 p1016 (『耶蘇会士日本通信』)
「1554年○天文23年 イルマン・ペロ・ダルカセバがゴアよりポルトガルの耶蘇会のイルマン等に贈りし書翰」の中で、
「降誕祭の日○天文21年12月10日 我等は弥撒を歌ひ、良き声にはあらざりしが、キリシタン等は之を聞きて大に喜びたり」とある。
なお、資料5は、資料3等の書翰に基づいて、当時の祝い方について解説している。
同書には「このときの歌ミサは、日本で披露されたヨーロッパの声楽としては最古のものといわれ」とある。
また翌1553年の降誕祭に「聖書史話(聖書のなかの物語)」が朗読されたことをあげ、「日本におけるキリシタンの演劇活動は、この聖書史話を交誦したときにはじまるといわれる」とある。
1553年の降誕祭については、資料3の「1555年9月20日〔弘治元年9月5日〕付、イルマン・ドワルテ・ダ・シルバが豊後よりインドの耶蘇会のイルマン等に贈りし書翰」(p79-80)に記載がある。
これらのことにちなんで、山口商工会議所では、平成9年度(1997)から「日本のクリスマスは山口から」事業を行っている(資料6)。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 9版)
- 年中行事.祭礼 (386 9版)
- 参考資料
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- 1 『日本史 6』 ルイス・フロイス著 松田毅一訳 中央公論社 1978 当館請求記号:R214.9/K 7 p101
- 2 『日本史 1』 ルイス・フロイス著 柳谷武夫訳 平凡社 1963.10 214.6/J 3 p130
- 3 『イエズス会士日本通信 上』 村上直次郎訳 柳谷武夫編輯 雄松堂 1968.12 R198.21/J 8 p46
- 4 『山口県史 史料編 中世1』 山口県編 山口県 1996.05 Y211/M 6 p1016
- 5 『クリスマス』 クラウス・クラハト著 克美・タテノ=クラハト著 角川書店 1999.11 386.1/M 9 p16-19
- 6 『山口商工会議所創立100周年記念誌』 山口商工会議所創立100周年記念事業実行委員会編集 山口商工会議所 2008.3 Y671/N 8 p191
- キーワード
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- 山口市
- ヤマグチシ
- クリスマス
- 降誕祭
- 日本初
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000163811