レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/10/11
- 登録日時
- 2014/11/20 00:30
- 更新日時
- 2014/11/21 13:52
- 管理番号
- B141002160633
- 質問
-
解決
1945年の7月21日及び8月9日に琵琶湖ホテルで原子力研究者の会合があったらしいのですが、2つの会合について記載されている資料があれば紹介してください。
- 回答
-
お問い合わせの事項について、当館所蔵資料を調査したところ、「7月21日に琵琶湖ホテルで開かれた原子力研究者の会合」について記載のある資料(1)~(5)が見つかりましたのでご紹介します。「8月9日に琵琶湖ホテルで開かれた原子力研究者の会合」については、開催場所が「琵琶湖ホテル」であるかは不明ですが、8月9日に研究者の会合があった旨の記載のある資料(6)が見つかりましたのでご紹介します。
(1)
論題:旧日本海軍『F研究』資料
著者:山崎正勝
雑誌名:技術文化論叢
出版者:東京工業大学大学院社会理工学研究科経営工学専攻技術構造分析講座
巻号・年:(5) 2002.4
ページ:27-73
ISSN:1347-6262
当館請求記号:Z71-H315
p.28に「ここに掲載するのは、旧日本海軍が京都帝国大学理学部の荒勝文策に委託した「F研究」に関連した資料で、1945年7月21日に琵琶湖ホテルで行われた海軍との会議で提示された。」との記載があります。
(2)
論題:第2次大戦下の京都帝大における原子核研究とその占領軍による捜索(3)原爆研究の記録―その1
著者:政池明
雑誌名:原子核研究
出版者:原子核研究編集委員会
巻号・年:57(1) 2012.9
ページ:85-97
ISSN:0367-4169
当館請求記号:Z14-709
p.85に「プロジェクトが京大と海軍の合同で議論されたのは1944年10月に大阪水交社で行われた「ウラニウム問題」の会合と終戦直前の1945年7月の琵琶湖ホテルにおける会合の2回であった。」との記載があります。
(3)
論題:第2次大戦下の京都帝大における原子核研究とその占領軍による捜索(4)原爆研究の記録―その2
著者:政池明
雑誌名:原子核研究
出版者:原子核研究編集委員会
巻号・年:57(2) 2013.3
ページ:76-89
ISSN:0367-4169
当館請求記号:Z14-709
p.78に「終戦直前の1945年7月21日に大津市の琵琶湖ホテルで京都帝大と海軍との合同会議が開かれ、F研究の研究計画についての話し合いがなされたことが知られている。」との記載があります。
(4)
タイトル:昭和史の天皇. 原爆投下
責任表示:読売新聞社 編
出版者:角川書店
出版年月:1988.11
当館請求記号:GB531-E36
「陸軍も中止論へ」(pp.230-235)の項に、「新田重治氏の話」として「京大と海軍の第1回の合同会議は、終戦の年の七月二十一日に琵琶湖ホテルで行われた。」(p.231)との記載があります。
(5)
タイトル:原爆の落ちた日
責任表示:戦史研究会 編
出版者:文芸春秋
出版年月:1972
当館請求記号:GB541-37
p.215に「七月二一日(中略)滋賀県琵琶湖畔のホテルの一室で、海軍による原爆研究―F研究の最初にして最終の合同会議がひらかれた。」との記載があります。
(6)
近代日本史料研究会(KINS)ホームページ(http://kins.jp/seika.html)
成果物>「科学研究費成果報告書」>平成15・16年度 松崎昭一氏
(http://kins.jp/pdf/56matsuzaki.pdf)
資料(4)『昭和史の天皇』の取材等にたずさわった元読売新聞記者の松崎昭一氏への聞き取り調査をした資料です。
「終戦前の8月9日かな、琵琶湖のそばにそういう方が集まって、ウランの分離についての会議をやっているんですよ。」との記載があります(ページ付なし)。
[その他の調査済み資料及びデータベース](【 】内は当館請求記号です。末尾に「*」がついた資料は国立国会図書館デジタル化資料 (http://dl.ndl.go.jp/)国立国会図書館/図書館送信参加館内公開資料です。末尾に「**」がついた資料は国立国会図書館デジタル化 資料(http://dl.ndl.go.jp/)館内限定公開資料です。)
・『「通史」日本の科学技術. 第1巻』(中山茂, 後藤邦夫, 吉岡斉 責任編集 学陽書房 1995.6 【M33-G14】)
・『戦後日本研究会・近代日本史料研究会報告集. 1』(近代日本史料研究会 2006.3 【GB411-H125】)
・『戦後日本研究会・近代日本史料研究会報告集. 2』(近代日本史料研究会 2007.2 【GB411-H164】)
・『戦後日本研究会・近代日本史料研究会報告集. 3』(近代日本史料研究会 2007.12 【GB411-J7】)
・『昭和史の天皇. 終戦への道』(読売新聞社 編 角川書店 1989.7 【GB531-E36】)
・『日本の核開発 : 1939~1955 : 原爆から原子力へ』(山崎正勝 著 績文堂出版 2011.12 【DL213-J262】)
・『原爆の秘密. 国内篇 (昭和天皇は知っていた)』(鬼塚英昭 著 成甲書房 2008.8 【GB531-J56】)
・『昭和20年/1945年 : 最新資料をもとに徹底検証する』(藤原彰 [ほか]編 小学館 1995.6 【GB531-E282】)
・『日本の正体 : 謀略の日本史-この国を支配する権力システムと影の権力者たち : リアル・ノンフィクション』(高橋五郎, 小池壮彦 [述] ミリオン出版 2011.7 【Y94-J20549】)
・『真説日本の正体 : 封印された謀略の裏面史を紐解く』(高橋五郎, 小池壮彦 著 学研パブリッシング 2013.12 【GB411-L58】)
・『日本科学技術史大系. 第13巻 (物理科学)』(日本科学史学会 編 第一法規出版 1970 【402.1-N685-N】)*
・政池明「第2次大戦下の京都帝大における原子核研究とその占領軍による捜査(1)原子核の実験的研究の軌跡」(『原子核研究』 55(1) 2010.9 pp.76-89 【Z14-709】)
・政池明「第2次大戦下の京都帝大における原子核研究とその占領軍による捜索(2)サイクロトロンの破壊」(『原子核研究』 55(2) 2011.3 pp.89-102 【Z14-709】)
・河村 豊, 山崎 正勝「物理懇談会と旧日本海軍における核および強力マグネトロン開発」(『科学史研究. [第2期]』 37 (通号 207) 1998.09 pp.163-171 【Z14-82】)
・深井佑造「旧海軍委託「F研究」における臨界計算法の開発」(『技術文化論叢』 (2) 1999.2 pp.27-44 【Z71-H315】)
・松崎 昭一「連載「昭和史の天皇」取材記」(『新聞研究』 (通号 294) 1976.01 pp.37-41 【Z21-88】)*
・鈴木辰三郎「完成寸前にあった日本製原爆の全貌」(『丸』 14(11)(通号174) 1961.11 pp.30-35 【Z2-171】)**
・NDL-OPAC (https://ndlopac.ndl.go.jp/)
・国立国会図書館サーチ (http://iss.ndl.go.jp/)
・聞蔵IIビジュアル [当館契約データベース]
・ヨミダス歴史館 [当館契約データベース]
・毎索 [当館契約データベース]
インターネット及びデータベースの最終アクセス日は2014年10月8日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 科学史.事情 (402 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- F研究
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000163141