レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年06月27日
- 登録日時
- 2014/06/26 16:30
- 更新日時
- 2014/09/24 14:26
- 管理番号
- 埼熊-2014-030
- 質問
-
解決
日本近代詩が他の芸術(美術・映画・建築等)との間でどのような影響を受けたのか分かる資料が知りたい。
- 回答
-
以下の資料に日本近代詩と他の芸術との関連性についての記述がある。
『詩とは何か 現代詩講座 1』(日夏耿之介等著 創元社 1950)
この資料の「現代詩」とは出版年1950(昭和25)年時点での「現代詩」であり現在においては「近代詩」となる。
p207「現代詩と音楽」、p217「現代詩と絵画」、p225「現代詩と映画」の各項がそれぞれある。
以下では部分的であるが関連した箇所のある資料を紹介する。
『別冊太陽 24 近代詩人百人』(平凡社 1978)
コラム「近代史の流れ」で文学との関係の記述あり。また、各詩人の紹介文では、p34に木下杢太郎と印象主義絵画について記述あり。
p38にハイネやバイロンの独訳に基づく森鴎外の「戯曲『曼弗列度(マンフレット)』一節」が、北村透谷や島崎藤村などに影響を及ぼした旨の記述あり。
p39に『方寸』の美術家と合流してパンの会を結成した旨の記述あり。
p101に「パンの会」について、「歌人、演劇、美術、音楽、各分野の芸術青年たちの一大交流の場は明治45年まで続く」とあり。
p104に高村光太郎は「彫刻、絵画、書、詩歌、芸術のさまざま分野で近代日本の扉を大きくおし開いた」とあり。
p105に武者小路実篤は「レムブラント、ゴッホ、そのほか幾人もの大芸術家をうたった美しい詩をもつことも特色である」とあり。
『武者小路実篤と新しき村 理想の旗のもとに』(さいたま文学館 2006)
p11「実篤の作品と芸術観・人生観」
『パンの会 近代文芸青春史研究 近代作家研究叢書 33』(野田宇太郎著 日本図書センタ- 1984)
p11- 岩村透が欧羅巴主義の移入を促進させた経緯の記述あり。
『講座日本現代詩史 1 明治期』(村野四郎〔ほか〕編 右文書院 1973)
p332- 木下杢太郎と白秋が印象派絵画理論を取り入れ、また文語象徴詩が象徴主義と印象主義をを受容する運動として「パンの会」が発展した旨の記述あり。
『國文學 : 解釈と教材の研究 35-2』(野山嘉正著 學燈社 1990)
「音楽と文学」と題する特集を組んでおり、近代詩にかかわる論文が5点掲載されている。
p47-53 野山嘉正「西洋音楽と日本近代詩の始発」
p54-61 中島国彦「こまの歌、鳥の歌」
p62-68 野口武彦「明治文学とワグナー」
p69-77 笠羽映子「大正文学におけるオペラ・音楽の位相」
p89-93 須永朝彦「ひっかけの世界 : 邦楽と日本近代の作家」
『世紀末のオルフェたち 日本近代詩の水脈』(田中清光著 筑摩書房 1985)
p3-44 「青木繁と蒲原有明:絵画と詩の遭遇」
p147-204 「彫刻家と詩人:高村光太郎」
『日本近代詩 研究と鑑賞 研究叢書 82』(角田敏郎著 和泉書院 1989)
p155-192「高村光太郎」の章に、「戯曲「青年画家」」として解説あり。
『日本近代詩のリズム』(御木白日著 芸術生活社 1986)韻律論について記述あり。
『日本近代詩事典』(野田宇太郎著 青蛙房 1961)
p26に「パンの会と印象主義」の記述あり。
『日本近代詩歌史』(野山嘉正著 東京大学出版会 1985)
p158- 蒲原有明の『春鳥集』の「海のさち」が青木繁に触発されたとの記述あり。
p159-162 青木繁についての記述あり。
p259 「[北原白秋と]新進気鋭の作曲家山田耕筰との共同編集になる「詩と音楽」の創刊」について記述あり。
p260-263 「詩と音楽」や「山田耕筰」との関わりについて記述あり。
『明治詩史論 透谷・羽衣・敏を視座として 近代文学研究叢刊 32』(九里順子著 和泉書院 2006)
p209- 上田敏と近世歌謡との関わりについて
p210-213 詩と音楽とのかかわりについて記述あり。
『日本耽美派文学の誕生』(野田宇太郎著 河出書房新社 1975)
p9- 第一部・第二部「パンの会」について記述あり。
p431- 第三部「文学と美術」の項あり。
『鴎外・茂吉・杢太郎 「テエベス百門」の夕映え』(岡井隆著 書肆山田 2008)
p234 「ハアゲマンの一夜」の項で、大正期の詩人に西洋演劇が与えた影響について記述あり。
p483 「杢太郎と投節」の項で当時の流行歌の一種が木下杢太郎の詩作に与えた影響についての記述あり。
- 回答プロセス
-
自館目録より以下のキーワードを設定して検索をした。
雑誌『別冊太陽 24 近代詩人百人』(平凡社 1978)の詩人紹介をもとに、他分野の芸術にかかわると考えられる人物。
〈木下杢太郎〉〈北村透谷〉〈島崎藤村〉〈北原白秋〉〈高村光太郎〉〈武者小路実篤〉
上記の詩人について研究し、かつ日本近代詩全体について評論していると推測される人物。
〈岡井隆〉〈野田宇太郎〉〈九里順子〉〈平林一〉〈高阪薫〉〈藪禎子〉〈宮本一宏〉〈尾西康充〉〈河村政敏〉〈安藤靖彦〉〈堀江信男〉
特に、1冊で2人以上の詩人を扱っているものを資料として選んだ。
雑誌『別冊太陽 24 近代詩人百人』(平凡社 1978)p39の記述より、〈パンの会〉。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 詩歌 (911 9版)
- 参考資料
-
- 『詩とは何か 現代詩講座 1』(日夏耿之介等著 創元社 1950)
- キーワード
-
- 日本近代詩
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000155178