レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/5/20
- 登録日時
- 2014/06/13 14:37
- 更新日時
- 2015/11/21 14:21
- 管理番号
- 北九-2014-0019
- 質問
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解決
『夜明け前』島崎藤村/著の中の下記の部分について出典があれば、誰が書いたどのような資料か教えてほしい。
「延胤は関東への行幸のことに就いていろいろと京都方の深い消息を伝えた。かくも諸国の人民が新帝を愛し奉り、競ってその御一行を迎えるという理由のないことでもない。従来、主上と申し奉るは深い玉簾の内に籠らせられ、人間に替らせ給うように僅かに限りある公卿たちの外には拝し奉ることも出来ないありさまであった。それでは民の御父たる天賦の御職掌にも戻るであろう。これまでのように、主上の在すところは雲上と言い、公卿たちは雲上人と称えて、龍顔は拝しがたいもの、玉体は寸地も踏み給わないものと、あまりに高く言いなされて来たところから、終に上下隔絶して数百年来の弊習を形作るようになった。今や更始一新、王政復古の日に当り、眼前の急務は何より先ずこの弊習を打ち破るにある。よろしく本朝の聖時に則らせ、外国の美政をも圧するの大英断をもって、帝自ら玉簾の内より進み出でられ、国々を巡らせ給い、簡易軽便を本として万民を撫育せられるようにと申し上げたものがある。」(岩波文庫『夜明け前 第二部(上)』P314より)
- 回答
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大久保利通が明治元年1月23日に提出した「大坂遷都の建白書」が出典です。下記資料に全文が掲載されています。
『大久保利通文書 二(日本史籍協会叢書 29)』P191-P197 → 原文ママ
『江戸が東京になった日』P82-P83 → 読み仮名がふってあり、カナ文字が平仮名に直されている。
- 回答プロセス
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前後の文章から、東京遷都、明治天皇をキーワードに資料を探した。
『江戸が東京になった日』の該当部分に出典が書いあり、『大久保利通文書 二』を確認することができた。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210)
- 参考資料
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日本史籍協会 編 , 大久保, 利通, 1830-1878 , 日本史籍協会. 大久保利通文書 第2 (巻6-10 慶応3年10月-明治元年12月). 東京大学出版会, 1967. (日本史籍協会叢書)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000869080-00 -
佐々木克 著 , 佐々木, 克, 1940-. 江戸が東京になった日 : 明治二年の東京遷都. 講談社, 2001. (講談社選書メチエ ; 202)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002952615-00 , ISBN 4062582023 -
笠原英彦 著 , 笠原, 英彦, 1956-. 明治天皇 : 苦悩する「理想的君主」. 中央公論新社, 2006. (中公新書)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008232194-00 , ISBN 4121018494 -
大濱徹也 著 , 大浜, 徹也, 1937-. 天皇と日本の近代. 同成社, 2010.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010918267-00 , ISBN 9784886215000
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日本史籍協会 編 , 大久保, 利通, 1830-1878 , 日本史籍協会. 大久保利通文書 第2 (巻6-10 慶応3年10月-明治元年12月). 東京大学出版会, 1967. (日本史籍協会叢書)
- キーワード
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- 遷都
- 行幸
- 明治天皇
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000154227