レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/03/11
- 登録日時
- 2014/04/27 12:19
- 更新日時
- 2014/04/27 12:20
- 管理番号
- 相橋-H26-010
- 質問
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解決
中国明代の公案で、日本語訳されているものを探している。
- 回答
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①~⑥の資料を提供した。
- 回答プロセス
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市内OPACでキーワード“明代 公案”で検索したが、該当する資料はヒットしなかった。
検索エンジンGoogle(http://www.google.co.jp/ 2014/03/16 最終確認)でキーワード“明代 公案”で検索した結果、次のウェブサイトがヒットした。
kotobank.jp(http://kotobank.jp/word/%E7%AB%9C%E5%9B%B3%E5%85%AC%E6%A1%88 2014/03/16 最終確認)
このウェブサイトに「竜図公案 【りょうとこうあん】 」の項目があり、解説に「中国,明代の通俗小説。一〇巻。作者未詳。北宋の名裁判官,竜図閣学士包拯(ほうじよう)を主人公とする裁判物語。「棠陰比事(とういんひじ)」とともに日本に伝わって大岡政談の成立に影響した。包公案。 」とある。
オンラインデータベース ジャパンナレッジプラス(http://www.jkn21.com/top/corpdisplay 2014/03/16 最終確認)でキーワード“公案”で検索した結果、次の情報がヒットした。
“公案”
中国宋(そう)代,瓦子(がし)(盛り場)で語られた〈小説〉の項目の一つ。これはなんらかの形で公的権力と関わった事件を語ったものと思われる。明(みん)の万暦期(1573−1620)に至ると,公判記録の体をなす『律条公案』『廉明公案』などの裁判小説集が相ついで刊行され,内容も事件の解決方法などに主力が置かれるようになり,その中で,代表的公案小説『龍図(りゆうと)公案』が広く知られるようになった。清(しん)代に入ると,裁判小説的要素は弱まり,俠義(きようぎ)小説ともいえる『施公案』『彭(ほう)公案』などが公案の名を冠するようになる。
”公案 【こうあん】”, 世界文学大事典, ジャパンナレッジ (オンラインデータベース), 入手先<http://www.jkn21.com>, (参照 2014-03-16)
“龍図公案”
中国,明(みん)末の通俗小説。10巻,100則。編著者不明。『包公案』とも称す。100則を収める繁本の成立後,60余則などを収めるダイジェスト版が現れる。
(中略)これ以降は『龍図公案』が広く行き渡り,公案小説の代表的存在となる。
”『龍図公案』 【りゅうとこうあん】”, 世界文学大事典, ジャパンナレッジ (オンラインデータベース), 入手先<http://www.jkn21.com>, (参照 2014-03-16)
以上の調査から、中国明代の代表的な公案小説の一つとして、「龍図公案」が挙がることがわかった。
検索エンジンGoogle(http://www.google.co.jp/ 2014/03/16 最終確認)でキーワード“龍図公案 翻訳”で検索した結果、次の情報がヒットした。
アジアミステリリーグ(http://www36.atwiki.jp/asianmystery/pages/108.html 2014/03/16 最終確認)
このウェブサイトの「中国ミステリ史 第一章」のリンクを進んだ先にある「(2)中国古来の裁判小説」の項目で紹介されている次の資料の所蔵を確認した。
①『包青天奇案』 有坂正三/著 文芸社 2006 (自館請求記号:923.5/アリサ)
明代の代表的な作品『龍図公案』に収録されている作品数点が、翻訳された形で掲載されている。
②『棠陰比事』 桂万栄/編 岩波書店 1985 (自館請求記号:B923)
南宋の時代の桂万栄という人物が編んだ裁判の実話集が収録されている。
質問者の指定した明代には該当しないが、参考にはなるかもしれない。
『狄仁傑の不思議な事件簿』 文芸社 2007 (赤坂図書館請求記号:W/テキ)
市内OPACでキーワード“公案”で中間一致検索した結果、次の資料が見つかった。
③『鹿洲公案』 藍鼎元/著 平凡社 1994 (自館請求記号:080/ロ)
清代の裁判記録ではあるが読みやすく、参考にはなるかもしれない。
Webcat Plus(http://webcatplus.nii.ac.jp/ 2014/03/16 最終確認)でキーワード“包公案”、“明代 公案”、“明代 公案 小”で検索した結果、次の資料が見つかったので、所在を確認して取り寄せた。
“包公案”
④『中国講談選』 平凡社 1969 (自館請求記号:080/チ)
p213に『包公案(龍図公案)』の一篇が収録されている。
『中国の名裁判 : 公案小説』 荘司格一/著 高文堂出版社 1988(平塚市立図書館請求記号:923.5/O)
“明代 公案”
⑤『中国悪僧物語』 平河出版社 1990 (相模原市立図書館請求記号:923)
見返しに公案の解説及び、「明代中国の仏教界の様相を訳出する。」とある。
p246の「あとがき」によると、この資料に掲載されている公案は、『新刻皇明諸可公案伝』、『新刻海若湯先生彙古今律条公案』、『新刻名公彙集神断明鏡公案』から訳出している。
また、次の資料の案内があった。
⑥『中国犯科帳』 平河出版社 1989 (自館請求記号:923)
p272の「あとがき」によると、この資料に掲載されている公案は、『皇明諸司廉明奇判公案伝』から訳出している。
- 事前調査事項
- NDC
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- 小説.物語 (923 9版)
- 参考資料
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- 『包青天奇案』 有坂正三/著 文芸社 2006 (自館請求記号:923.5/アリサ)
- 『棠陰比事』 桂万栄/編 岩波文庫 1985 (自館請求記号:B923)
- 『鹿洲公案』 藍鼎元/著 平凡社 1994 (自館請求記号:080/ロ)
- 『中国講談選』 平凡社 1969 (自館請求記号:080/チ)
- 『中国悪僧物語』 平河出版社 1990 (相模原市立図書館請求記号:923)
- 『中国犯科帳』 平河出版社 1989 (自館請求記号:923)
- キーワード
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- 公案
- 包公案
- 龍図公案
- 新刻皇明諸可公案伝
- 新刻海若湯先生彙古今律条公案
- 新刻名公彙集神断明鏡公案
- 皇明諸司廉明奇判公案伝
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 所蔵調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000152735