レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/01/09
- 登録日時
- 2014/03/17 00:30
- 更新日時
- 2014/03/19 10:42
- 管理番号
- 千県中参考-2014-6
- 質問
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解決
読話・読唇術に関する本、資料を出来るだけ多く教えて下さい。読話・読唇術のことが触れられていれば、どんな内容のものでも構いません。
- 回答
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(1)図書について
【資料1】『聾・聴覚障害百科事典』(キャロル・ターキントン著 中野善達監訳 明石書店 2002)
「読話 speechreading」の項(p246-247)に、「話者の口唇、顎、舌の動きを見ることによって、話されている言葉を理解する方法で、読唇より好んで使用されている。読話は聾者にとって許された一貫性のもっとも乏しい視覚的なコミュニケーション手段である。」等、半ページ程度の分量の記載があります。
また、関連する項目として、「口話法 oral approach」の項(p200-201)に、「健聴者の世界へ溶け込むための方法として、読話や聴能の訓練とともにスピーチの使用を強調した聾者や難聴者間のコミュニケーション方法の1つ。」等、口話法と手話法の教育論争など、2ページ弱程度の記載があります。
一般の方向けにわかりやすく書かれた資料としては下記のものがありました。
【資料2】『知っていますか?聴覚障害者とともに一問一答』(稲葉通太監修 解放出版社 2007)
「問12 耳が聞こえない人とのコミュニケーションにはどんなものがあるの?」(p60-64)に、「一つは口話です。読話ともいいますが、これは、相手の口の動きを読み取って話を理解する方法です。ろう学校ではこの方法をとり入れているところが多いのですが、はっきりいって、聴覚障害者の間ではもっとも支持されない方法です。相手の口元を見るといっても、それで話を理解するのは困難です。」等の記載があります。
【資料3】『難聴者・中途失聴者のためのサポートガイドブック』(マーシャ・B.デューガン著 明石書店 2007)
「読話」の項があります(p102-103)。
【資料4】『障害を知ろう! 5 みんなちがって、みんないい 耳の不自由な友だち』(金の星社 2005)
児童向けです。p17に「手話と口話」の項があり、口話、読話についての記載があります。
「レファレンス協同データベース」(国立国会図書館がとりまとめている、全国の図書館が登録したレファレンス事例のデータベース)に、関連する内容の事例「聴覚障害者が唇の動きを読み取ってコミュニケーションする方法についてわかる本はあるか。特に読み取られる側が気をつけるべき点について知りたい。」(https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000137638)があり、下記の【資料A】、【資料B】が紹介されていました。
【資料A】『発達と障害を考える本 9 ふしぎだね!?聴覚障害のおともだち』(ミネルヴァ書房 2008)
児童向けです。この本にも読話に触れた記載があるようですが、貸出中のため内容が確認できませんでした。
【資料B】『聴覚障害学生サポートガイドブック』(白沢麻弓著 日本医療企画 2002)
当館には所蔵がありませんが、この本にも口話についての記載があるようです。千葉県内公共図書館で所蔵館があります。
聴覚障害児の教育という観点の資料では下記のものがありました。
【資料5】『聴覚障害児の言語指導 実践のための基礎知識』(我妻敏博著 田研出版 2003)
「言語指導の基礎知識」という節に「口話法」や「読唇(読話)」の項があるほか(p42)、「聴覚口話法」の項(p51)に、「読話中心の口話法を純口話法と呼び、補聴器を使っての聴覚活用と読話を併用する方法を特に聴覚口話法と呼んで区別することがある。」等の記載があります。
【資料6】『聴覚障害児の読み書き能力を育てる 家庭でできる実践ガイド』(デイヴィド・A.スチュワート著 明石書店 2009)
「聞こえの補助手段」という節に「読話」の項があります(p96-101)。
トータルコミュニケーションについては下記のものがありました。
【資料7】『聴覚障害者のための トータルコミュニケーション』(田上隆司編著 日本放送出版協会 1985)
【資料8】『聴覚障害児の早期トータル・コミュニケーション』(リング編 東峰書房 1994)
【資料9】『トータル・コミュニケーション その構造と方略』(エバンズ,L.著 学苑社 1983)
【資料9】p18によると、トータルコミュニケーションとは、聴能、口話法、手指法などの方法について「耳の聞こえない人どうしの、あるいは、耳の聞こえない人とのコミュニケーションにおいて、相手の人の条件や、その場の状況、話題などに応じて、最もよい方法を選択し、組み合わせて、コミュニケーションの効果を高めようとする考え方であり、その方法である。」とのことです。
また、研究書ですが、下記のものがありました。
【資料10】『聴覚障害児の読話に関する実験的研究』(斎藤友介著 風間書房 1999)
(2)雑誌について
千葉県立西部図書館で所蔵している「聴覚障害」1995年5月号の特集が「読話」です。【資料11】
「読話の特集について」、「読話についての教師の見解(イギリスの場合)」、「読話についての教師の見解(日本の場合)」、「聴覚障害児の読話に関する実験的研究」、「読話の地位」という記事が掲載されています。
このほか、千葉県立図書館で所蔵していない雑誌も含めて雑誌記事(論文)を探す方法をご案内します。
・国立国会図書館 雑誌記事索引
NDL-OPAC(国立国会図書館蔵書検索・申込システム)(http://opac.ndl.go.jp/)
国立国会図書館の利用者IDをお持ちでない場合は右側の「検索機能のみを利用する。(ゲストログイン)」をクリックして進みます。
画面上方の「雑誌記事」というタブをクリックして検索画面へ進みます。
論題名に、探している内容のキーワードを入れて検索します。
「論題名」の欄は雑誌記事名(論文名)に入っている単語でないと探せませんのでご注意ください。
・CiNii Articles - 日本の論文をさがす(国立情報学研究所)(http://ci.nii.ac.jp/)
学術論文情報を検索の対象とする論文データベースです。
論文によっては、Web上で本文を見られるものもあります。
抄訳やキーワードが付与されている論文については、その内容も検索対象になっています。
(インターネットの最終アクセス:2014年1月9日)
- 回答プロセス
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「読唇術」、「読話」をキーワードに検索したところ、自館システム内に入力してある過去のレファレンス記録(2011年4月、千葉県立東部図書館担当)及びレファレンス協同データベースの他館登録事例に類似レファレンス事例があったので、それを参考に資料を確認した。
また、できるだけ多くの資料を知りたいとの要望だったので、雑誌記事の検索方法も併せて紹介した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 社会福祉 (369 9版)
- 障害児教育[特別支援教育] (378 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】『聾・聴覚障害百科事典』(キャロル・ターキントン著 中野善達監訳 明石書店 2002)(0105726412)
- 【資料2】『知っていますか?聴覚障害者とともに一問一答』(稲葉通太監修 解放出版社 2007)(2102107316)
- 資料3】『難聴者・中途失聴者のためのサポートガイドブック』(マーシャ・B.デューガン著 明石書店 2007)(2102041170)
- 【資料4】『障害を知ろう! 5 みんなちがって、みんないい 耳の不自由な友だち』(金の星社 2005)(0600317691)
- 【資料5】『聴覚障害児の言語指導 実践のための基礎知識』(我妻敏博著 田研出版 2003)(2101624946)
- 【資料6】『聴覚障害児の読み書き能力を育てる 家庭でできる実践ガイド』(デイヴィド・A.スチュワート著 明石書店 2009)(2102228886)
- 【資料7】『聴覚障害者のためのトータルコミュニケーション』(田上隆司編著 日本放送出版協会 1985)(9100059286)
- 【資料8】『聴覚障害児の早期トータル・コミュニケーション』(リング編 東峰書房 1994)(9101820477)
- 【資料9】『トータル・コミュニケーション その構造と方略』(エバンズ,L.著 学苑社 1983)(9101820083)
- 【資料10】『聴覚障害児の読話に関する実験的研究』(斎藤友介著 風間書房 1999)(2101066658)
- 【資料A】『発達と障害を考える本 9 ふしぎだね!?聴覚障害のおともだち』(ミネルヴァ書房 2008)(0600357623)
- 【資料2】『知っていますか?聴覚障害者とともに一問一答』(稲葉通太監修 解放出版社 2007)(2102107316)
- キーワード
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- 読唇術(ドクシンジュツ)
- 読話(ドクワ)
- 口話(コウワ)
- 聴覚障害(チョウカクショウガイ)
- コミュニケーション(コミュニケーション)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000150672