レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年02月01日
- 登録日時
- 2014/02/07 16:17
- 更新日時
- 2014/02/07 16:17
- 管理番号
- いわき総合-地域203
- 質問
-
解決
会津東黒川城(鶴ヶ城)に伝わる「狐伝説」について、載録されている資料を知りたい。
葦名直盛が会津鶴ヶ城の前身である東黒川城を築くときに、何度も縄張りを試みたが満足するものができない。そんな折、夢のお告げがあり、降り積もった雪の上に狐が引いた縄張りに沿って築城したところ、立派な城が出来上がったという伝説の裏付けとなる資料の所蔵確認調査依頼。
- 回答
-
当館所蔵の当該資料について調査した結果、以下の資料により伝説にまつわる記述を確認し、回答した。
『会津ふるさと散歩』「第4編 鶴ヶ城稲荷」“城を築いた狐”には、「薄く積もった雪の上に狐の足跡が無数にあった、足跡をたよりに縄張りをしたら、立派な城ができた」とみえ、『会津旧事雑考』にその原文が載録されていると記している。
『会津旧事雑考』巻之四「至徳元年甲子」の、東黒川城築城関連の記述を調査するが、“城を築いた狐”伝説に関する内容を確認することはできなかった。
『会津鑑』巻之三「封候之部 葦名」には、稲荷神を城内に祀るようになった狐伝説に関する記述を確認する。ただし、城の縄張り伝説にかかる記述ではない。
- 回答プロセス
-
当館所蔵資料の調査
【資料①】『会津ふるさと散歩』P232~233:「第4編 鶴ヶ城稲荷」に、“城を築いた狐”伝説についての、縁起・出典等の詳細な記述を認める。
【資料②】『会津若松市史 25』P68~70:「祈る・・・信仰 町方の稲荷信仰」に、葦名直盛の東黒川城築城にまつわる“鶴ヶ城稲荷と狐”伝説にかかる記述を認める。
【資料③】『会津若松城下絵図』P249:「稲荷社(鶴ヶ城稲荷)」に葦名氏7代直盛が、至徳元年(1384)にこの地に城を築く際、夢に現れた神の御使いである狐の導きによって、城の縄張りを定めた伝承にかかる記述を認める。
【資料④】『福島県史料集成 第4輯』PP34~45:「会津旧事雑考巻之四」に、東黒川城築城時の至徳元年(1384)の記述を認めるが、狐伝説の記述は認められない。『会津旧事雑考』は藩主保科正之の命により、向井吉重が寛文12年(1672)に完成させた、会津の旧聞雑事を編年体で記述した書物である。漢文体で、全9巻からなる。
【資料⑤】『会津鑑』P37:「巻之三 封候之部 葦名」に、狐の足跡の伝説にかかる記述を認める。『会津鑑』は高嶺覚大夫慶忠によって、寛政元年(1789)に完成した会津地方の地誌である。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 日本史 (210 9版)
- 地理.地誌.紀行 (290 9版)
- 参考資料
-
-
会津郷土研究会/編. 会津ふるさと散歩 : ふるさとの風土と文化をさぐる. 歴史春秋社, 1978.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I016501531-00 (K-291-ア・1110091624) -
会津若松市史研究会 編. 人の一生と暮らし : 人生儀礼・民間信仰. 会津若松市, 2009. (会津若松市史 ; 25(民俗編 5 生活))
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010072203-00 (K/210.1/2/ア/25・1111977078) -
野口信一 監修. 詳解会津若松城下絵図 : 甦る、いにしえの会津若松城下. 歴史春秋出版, 2011.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023229719-00 , ISBN 9784897577760 (AL/210.5/2/ア・1114608415) -
福島県史料集成編纂委員会 編. 福島県史料集成 第4輯. 福島県史料集成刊行会, 1953.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I000970340-00 (AL/210.0/0/フ・1112063902) -
高嶺慶忠 編. 会津鑑 第1. 吉川弘文館, 1981. (会津史料大系)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I000972957-00 (K/210.5/2/ア・1110046479)
-
会津郷土研究会/編. 会津ふるさと散歩 : ふるさとの風土と文化をさぐる. 歴史春秋社, 1978.
- キーワード
-
- 会津鶴ヶ城
- 黒川城
- 葦名直盛
- 狐伝説
- 縄張
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 所蔵調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000149014