レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年01月14日
- 登録日時
- 2014/01/14 12:02
- 更新日時
- 2016/08/20 12:13
- 管理番号
- 町田-092
- 質問
-
解決
「1590年(天正18年)豊臣秀吉による小田原攻めの際に、
キリシタン大名の高山右近が、仲間の戦国大名の
蒲生氏郷と細川忠興に牛肉を振る舞った」
という記述をインターネットで読んだ。
事実なのか、原典は何か、どう調理したのか(焼いたのか、鍋にしたのか)を知りたい。
- 回答
-
下記の資料に牛肉を食べたという記述がございました。
①『日本食物史 下』 ②『日本の食文化史年表』
③『戦国の食術』 ④『武士のメシ』
⑤『たべもの起源事典』 ⑥『全集日本の食文化 4、8』
①③④の出典は『細川家御家譜』となっており、書名は⑩『綿考輯録』で
高山右近についての記述がございました。
”其比蒲生氏郷忠興君御同道にて高山右近大夫長房陳所江
御見廻被成候ニ、高山ハ元来吉利支丹なれは牛を求置て
振廻れしか、一段珍敷風味とて度々御尋被成候、・・・”
③④は同じ方の著作ですが、それぞれ当時を再現した鍋料理の写真が
掲載されております。
- 回答プロセス
-
●高山右近について調査
当館所蔵の資料に牛肉についての記述は見当たらず
●食文化について調査
①『日本食物史 下』・・・p.108 文章、出典『細川御家譜』
②『日本の食文化史年表』・・・p.75 文章、参考文献『日本食肉文化史』
③『戦国の食術』・・・p.84 文章、鍋料理の写真と出典『細川御家譜』
④『武士のメシ』・・・ p.108 文章、鍋料理の写真、レシピ、出典『細川御家譜』
⑤『たべもの起源事典』・・p.130 文章(詳しい記述なし)、出典なし
⑥『全集日本の食文化 4、8』・・・文章(詳しい記述なし)、出典なし
⑦『日本食肉文化史』・・・p.150 文章(詳しい記述なし)、出典なし
⑧『近世日本食物史』・・・①とほぼ同じ内容
●『細川御家譜』について
⑨『国史大辞典 12』 P.730
細川家記(ほそかわかき)に単に「御家譜」と称す。書名『綿考輯録(めんこうしゅうろく)』
→⑩『綿考輯録 第2巻 忠興公(上)』(出水叢書 2)・・・p.90
”其比蒲生氏郷忠興君御同道にて高山右近大夫長房陳所
江御見廻被成候ニ、高山ハ元来吉利支丹なれは牛を求置て
振廻れしか、一段珍敷風味とて度々御尋被成候、・・・”
- 事前調査事項
- NDC
-
- 衣食住の習俗 (383 9版)
- 日本史 (210 9版)
- 参考資料
-
- ①『日本食物史 下』 雄山閣出版, 1995. , ISBN 4639012632
- ②『日本の食文化史年表』 江原絢子, 東四柳祥子 編 吉川弘文館, 2011. , ISBN 9784642014595
- ③『戦国の食術 : 勝つための食の極意』 永山久夫 著 学研パブリッシング, 2011. (学研新書 = [Gakken Shinsho] ; 101) , ISBN 9784054051317
- ④『武士のメシ : 戦国時代、『食』はひとつの武器であった : 戦国十九武将の"勝負メシ"を忠実に再現 : レシピ付き』 永山久夫 著 宝島社, 2012. , ISBN 9784796696470
- ⑤『たべもの起源事典』 岡田哲 編 東京堂出版, 2003. , ISBN 4490106165
- ⑥『全集日本の食文化 第4.8巻』 雄山閣出版, 1997.
- ⑦『日本食肉文化史』 伊藤記念財団, 1991.
- ⑧『近世日本食物史』 足立 勇/著 高橋書店, 1955.
- ⑨『国史大辞典 第12巻 (ふーほ)』 国史大辞典編集委員会 編 吉川弘文館, 1991. , ISBN 4642005129
- ⑩『綿考輯録 2』 出水神社/編 汲古書院, 1988. (出水叢書 ; 2)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000143287