レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年02月23日
- 登録日時
- 2013/02/23 09:40
- 更新日時
- 2013/10/05 11:25
- 管理番号
- 20130223-1
- 質問
-
解決
権利能力なき社団とは何か? また税法上の取扱いについて詳しく書かれた文献が欲しい。
- 回答
-
・・・・・引用ここから
一般社団法人と同様の実体をもつが法人格を認められていない団体。設立中などで未登記の団体がこれにあたる(一般法人二二)。法人格をもたないが、できるだけ一般社団法人の規程を類推適用することが妥当と解されている。社団の財産は社員に含有的または総有的に帰属する。ただし、登記は代表者名義でするほかない。民事訴訟の当事者となり得ることは、明文で認められている(民訴二九)。また、権利能力のない社団のうち、代表者又は管理人の定めのあるもので一定の収益事業を営むものは、法人税法等の税法上、法人とみなされている(法税二⑧等)。
・・・・・引用おわり
《出典 資料1:有斐閣法律用語辞典.第4版.p.321より》
また資料6では、法人格なき団体に関する71件の裁判例について、団体性の有無、財産の帰属、課税関係といった論点ごとに分類・整理して、詳細に解説されている。
また雑誌記事では、「特集 人格のない社団・組合の課税関係.月刊税務事例.Vol.35(10),2003,p.9-27.」などが見つかる。
- 回答プロセス
-
◆ JapanKnowledge+を使って、kw:"権利能力なき社団"で【デジタル大辞泉】から検索できる。
○権利能力なき社団(けんりのりょくなきしゃだん)
「社団としての実体を備えているが、法律上の権利や義務の主体とならない団体。法人格を取得する要件を満たしながら、あえて権利能力なき社団として活動する団体もある。財団の場合は権利能力なき財団という。人格なき社団。
[補説]最高裁の判例では、団体としての組織を備え、多数決の原則が行われ、構成員が変更しても団体が存続し、代表者・総会の運営・財産の管理方法が確定している、といった要件を満たしている場合に、権利能力なき社団と認めるとしている。法人格を持たず、権利能力なき社団にも該当しない団体(親睦会など)を任意団体と呼んで区別する場合がある。」とある。
◆ 自館OPACを使うと、資料1および資料2などの法律用語辞典に項目が見つけられる。
◆ Googleほかの検索エンジンを使って、kw:"権利能力なき社団"&"税"でネット検索する。
・資料3の国税庁のサイトから:法令解釈通達>所得税基本通達>人格のない社団等
(http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shotoku/01/02.htm last_access:2013-02-22)
またキーワード検索窓に、kw:"人格のない"を入力すると8件ほどの事例が表示される。
・資料4の国税不服審判所のサイトから、公表裁決事例集>公表裁決事例要旨に次のような事例が見られる。
○所得税法関係 (http://www.kfs.go.jp/service/MP/02/0103020800.html last_access:2013-02-22)
○法人税法関係 (http://www.kfs.go.jp/service/MP/03/0101020000.html last_access:2013-02-22)
◆ CiNii Booksを使って、kw:"権利能力なき" OR "人格なき" OR "人格のない"で検索する。
(【CiNii】http://bit.ly/Zm7Tyj last_access:2013-02-20)
・資料5および資料6などの基礎文献が見つかる。
◆ NDL-Searchを使って、kw:"権利能力なき社団"で検索する。
(【NDL】http://bit.ly/XE9XRS last_access:2013-02-20)
◆ CiNii Articlesを使って、kw:("権利能力なき" OR "人格のない" OR "人格なき") AND "税"で検索すると、以下のような学術論文や雑誌記事が見つけられる。
・兼平 裕子著.権利能力なき社団と人格のない社団等 : 民事法における実体論・手続論と租税法における借用概念.愛媛大学法文学部論集:総合政策学科編.Vol.33,2012-09-29,p.57-123.
・浦野 広明著.非営利法人(人格のない社団等)に関する原則課税の問題点.月刊民商.Vol.49(10),2007,p.32-35.
・特集 人格のない社団・組合の課税関係.月刊税務事例.Vol.35(10),2003,p.9-27.
◆ また昭和39年10月15日の最高裁第一小法廷判決
事件名:建物収去土地明渡請求 事件番号:昭和35(オ)1029 では、1.法人に非ざる社団の成立要件、2.法人に非ざる社団の資産の帰属についての判示がなされている。
(http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=53694&hanreiKbn=02 last_access:2013-02-22)
- 事前調査事項
- NDC
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- 企業.経営 (335 9版)
- 民法.民事法 (324 9版)
- 参考資料
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【資料1】.法令用語研究会 編. 有斐閣法律用語辞典 第4版. 有斐閣, 2012.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023737644-00 , ISBN 9784641000285 -
【資料2】.小野幸二, 高岡信男 編. 法律用語辞典 第4版. 法学書院, 2010.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000011049511-00 , ISBN 9784587038137 -
【資料3】.国税庁タックスアンサー : 税について調べる
(http://www.nta.go.jp/taxanswer/index2.htm last_access:2013-02-22) -
【資料4】.国税不服審判所 公式Website :
(http://www.kfs.go.jp/index.html last_access:2013-02-22) -
【資料5】.河内宏 著. 権利能力なき社団・財団の判例総合解説. 信山社, 2004. (判例総合解説シリーズ)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007464910-00 , ISBN 4797256559 -
【資料6】.大場民男 編著. 事例にみる法人格なき団体. 新日本法規出版, 2012.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023326091-00 , ISBN 9784788275058 -
【資料7】.裁判所判例検索システム
(http://www.courts.go.jp/search/jhsp0010?action_id=first&hanreiSrchKbn=01 last_access:2013-02-22)
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【資料1】.法令用語研究会 編. 有斐閣法律用語辞典 第4版. 有斐閣, 2012.
- キーワード
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- 法人格を有しない社団
- 法人格なき社団
- 法人でない社団
- 任意団体
- 法人税
- 所得税
- 法人登記
- 法人法
- 民法
- 照会先
- 寄与者
-
- 都立中央図書館
- 備考
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○「権利能力なき社団(権利なき社団)」について、わかりやすく解説したものが見たい。(都立中央図書館)
(https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000013522 )
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 法律
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000128389