レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年07月01日
- 登録日時
- 2012/03/22 11:01
- 更新日時
- 2012/04/13 01:08
- 管理番号
- 市川20110701-03
- 質問
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解決
小堀杏奴(森鴎外の次女)が、永井荷風に宛てた昭和21年1月10日頃の書簡の本文が見たい。
- 回答
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書簡自体は、個人蔵(永井家の所蔵)で、全集にも全文の翻刻はされていないため、現在見ることはできない。ただ前後の書簡の内容により、同居を打診する手紙ではないかと思われる。
- 回答プロセス
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「永井荷風のシングル・シンプルライフ」という展覧会が、2008年に世田谷文学館で開催されており、図録に相当する書籍『永井荷風のシングル・シンプルライフ』によると、出品資料として、質問に近い日付の昭和21年1月21日付けの小堀杏奴から永井荷風宛の書簡が出品されていたことが確認できた。ただしこれは、個人蔵(永井家の所蔵)で、全集にも全文の翻刻はされていないため、現在見ることはできない。ただし、同年2月23日付けの小堀杏奴から荷風宛の書簡及び同日の荷風から小堀杏奴宛の返事はp100~101に掲載あり。
『永井荷風ひとり暮らしの贅沢』(永井永光ほか/著 新潮社 2006)のp37「小堀杏奴からの手紙」によると、終戦後、小堀杏奴が荷風に同居を打診する手紙を送り、荷風は受け取ったその日に「家を拝借するのはむずかしい」旨返事を書いていること、さらに約1カ月後2月23日付けの手紙で荷風は再度やんわりと断りを入れている、とあり、小堀杏奴からの同居を打診する手紙というのが1月の書簡ではないかと思われる。この書簡の一部は以下のとおり。「(略)もしよかったら部屋数も余っているので、…(中略)…家賃は申し訳ないがひと月百円でお願いします。」
なお、荷風から小堀杏奴宛の手紙については『鴎外の遺産 3巻』(幻戯書房 2006)p131~151に時系列で掲載あり。また『荷風全集 25巻』(岩波書店 1994)「断腸亭日乗巻之三十 昭和21年」1月28日(p417)のところに「晴、風、小堀杏奴来書」の記載がある。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 『永井荷風のシングル・シンプルライフ』(世田谷文学館 2008)
- 『永井荷風ひとり暮らしの贅沢』(永井永光ほか/著 新潮社 2006)
- 『鴎外の遺産 3巻』(幻戯書房 2006)
- 『荷風全集 25巻』(岩波書店 1994)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000103879