レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012/02/17
- 登録日時
- 2012/03/17 02:01
- 更新日時
- 2020/02/03 11:28
- 管理番号
- 京資-198
- 質問
-
未解決
五山送り火は以前、現在の山とは別の山でも行われていた。どの山で送り火が行われていたのか、その場所を知りたい。
- 回答
-
『京都大事典』のp583に、「享保2年(1717)の「諸国年中行事」には市原の「い」、鳴滝の「一」が載る。さらに西山には「竹の先に鈴」、北嵯峨には「蛇」、観空寺には「長刀」があった」と記述されている。
また、『京都・火の祭事記』のp4~5に、現存する五山の他に前述の五山を加え十山で行われていたが、「資金難等の理由で昭和初期(第二次世界大戦前)までに次々となくなり、現在の五山になった」と記述されている。
『京都大文字五山送り火』にも同様の記述がみられる。
『京都の不思議』のp244~246の出典となった『京の大文字ものがたり』のp164~167「失われた送り火」によると、「い」の字は現在の京都市左京区静市の市原町とある。また、「竿に鈴」「竹先きに鈴」については様々な記述があり、一乗寺、静原、西山松尾山等の地名がみられる。
上記の地名より更に詳細な場所を示した資料はみつからなかった。
なお、『京都細見図』には五山の他に、市原の辺りの山に「い」の字が記載されている。
- 回答プロセス
-
1.大文字五山送り火に関する資料を調べた。
2.江戸時代の古地図や絵図で、送り火の文字がある山の場所を調べた。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 年中行事.祭礼 (386 9版)
- 参考資料
-
- 『京都大事典』 佐和隆研[ほか]編 淡交社 1984.11 1083,91p (当館請求記号K0/291.62/Ky6)
- 『京都・火の祭事記』 薪く炭くKYOTO編刊 2004.6 65p (当館請求記号K1/386.16/Sh64)
- 『京都大文字五山送り火』 大文字五山保存会連合会編 京都市文化観光資源保護財団編刊 2000.12 65p (当館請求記号K1/386.16/Ky6)
- 『京の大文字ものがたり』 岩田英彬著 松籟社 1990.7 187p (当館請求記号K1S/386.16/I97)
- 『京都の不思議』 黒田正子著 光村推古書院 2002.12 275,4p (当館請求記号K1/291.62/Ku72)
- 『京都細見図』 [中井書房(発売)] [199-] 1枚 文久3年改正再刻平野屋茂兵衛刊を写真複製したもの (当館請求記号K1/291.62/Ky6)
- キーワード
-
- 五山送り火
- 照会先
- 寄与者
- 備考
-
(2020年2月3日追記)
レファレンス協同データベース事業サポーター寺尾様から、コメントで以下の情報をいただきました。
佛教大学論文目録リポジトリで下記の論文が公開されていました。
託される民俗 : 京都五山送り火行事にみる都市-近郊の関係
(洛中周辺地域の歴史的変容に関する総合的研究)
村上 忠喜
佛教大学総合研究所紀要 2013(2), 85-100, 2013-03-25
https://archives.bukkyo-u.ac.jp/repository/baker/rid_SK201302007497
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000103776