レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年11月02日
- 登録日時
- 2012/03/13 10:00
- 更新日時
- 2012/06/05 09:58
- 管理番号
- K11-006
- 質問
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解決
雑誌『日本少年』の(1)対象年齢、(2)創刊~1916年頃までの価格
- 回答
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(1)小学生、中学生、労働する少年を読者対象としていた。また、対象年齢の調べ方として、創刊号を確認する方法をご案内。
(2)創刊号は10銭、1916年の4月号(1916年3月発行)から12銭になった。
- 回答プロセス
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(1)
①関連文献を探すため、本学契約データベース「CiNii Articles」でキーワード「日本少年」で検索。以下の論文を参照した。
・上田信道著「大衆少年雑誌の成立と展開」
→雑誌の特色について記述があるが、対象年齢は明記されていない。
・梶田 雄一朗著「大正から昭和初期の間においての理想の少年イメージの形成--高畠華宵の手による『日本少年』の表紙絵から」
→序章に「主に幼年以上成人以下の年代(小学校高学年~中学生)をターゲットとして、その教育を念頭においた誌面作りを行っていた。」とあり。
注釈に『出版広告の歴史1985年-1941年』が紹介されていた。
②関連する図書を参照。
・『出版広告の歴史 : 一八九五年 - 一九四一年』
→該当箇所を確認したところ、「日本少年-親、保護者をも対象に-」という項目があり、
「『日本少年』は、小学生、中学生、店員など一般少年を対象とし、その少年たちのよき“師友”となることをめざして創刊された。」とあり。
・『実業之日本社百年史』
→第一章に「『日本少年』の誕生」という項目があり、対象年齢について「本誌は小学生、中学生、店員その他一般少年の良師友なり。」という記述あり。
③国立国会図書館へ参考調査依頼。
利用者によると、国際こども図書館「日本の子どもの文学展」で、『日本少年』のキャプションに対象年齢に関する記述があり、その典拠を知りたい、とのこと。
国立国会図書館に典拠を質問。
→キャプションの記載内容と典拠を教えて頂いた。
キャプション内容:
「小学生や中学生、労働する少年を読者対象とし、 明治から昭和にかけての代表的な少年向け雑誌となった。」
典拠: 『日本児童文学大事典』の「日本少年」の項目に、「小中学生や働く少年の良き師友となることをねらいに創刊された。」という記述あり。
また、対象年齢を調べる方法として、創刊号の内容を確認してはどうか、との助言を頂いた。
『日本少年』の創刊号は、マイクロフィッシュ版で確認できる。(国立国会図書館、NACSIS-Webcat<NCID=AA12058943>)
(2)
①『実業之日本社百年図書総目録』の「実業之日本社の定期刊行雑誌一覧」に「日本少年」の項目あり。
創刊号(1906年1月1日第1号発行)の情報と、「定価10銭」との記述があった。
②広告から価格を確認しようと考え、本学契約データベース「聞蔵IIビジュアル」で検索。
・「朝日新聞縮刷版」でキーワード「日本少年」と入力、「広告」だけにチェックを入れ、「発行日」を「1906年1月1日から1916年12月31日」に限定して検索。
→ほぼ毎号分の広告が収録されていた。内容を確認すると、1916年の4月号の広告(1916年3月17日付 東京朝日新聞・朝刊)に、「本号より定価改正一冊捨弐銭」とあった。
『日本少年』の価格は、創刊号は10銭で、1916年の4月号(1916年3月発行)から12銭になったことが確認できた。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 『日本近代文学大事典』5巻 (講談社 、1977年)
- 『実業之日本社百年図書総目録』 (実業之日本社、1997年)
- 『出版広告の歴史 : 一八九五年 - 一九四一年』 石川弘義、尾崎秀樹著 (出版ニュース社、1989年)
- 『日本児童文学大事典』大阪国際児童文学館編 (大日本図書、1993年)
- 上田信道著「大衆少年雑誌の成立と展開」(『国文学 解釈と教材の研究』、 46巻6号、2001年)
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梶田 雄一朗著「大正から昭和初期の間においての理想の少年イメージの形成--高畠華宵の手による『日本少年』の表紙絵から」 (『京都精華大学紀要』、 37号、2010年)
http://www.kyoto-seika.ac.jp/event/kiyo/page/kiyo-37.html (最終アクセス: 2012年3月12日)
- 聞蔵IIビジュアル (本学契約データベース)
- キーワード
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- 日本少年
- 対象年齢
- 価格
- 広告
- 聞蔵
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 学部生
- 登録番号
- 1000103456