レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年08月04日
- 登録日時
- 2011/11/18 14:42
- 更新日時
- 2012/02/10 11:07
- 管理番号
- 埼熊-2011-095
- 質問
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解決
琉球王朝の王政について、王の父母の呼称・王が退位した後の呼称・王妃・王女・王子の呼称を知りたい。
- 回答
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王の父母の呼称および王が退位した後の呼称については、見つからなかった。
その他、王・王妃・王女・王子の呼称について、関連記述のある以下の資料を紹介した。
『沖縄大百科事典 上・中・下』(沖縄大百科事典刊行事務局編集 沖縄タイムス社 1983)
上p367〈王号〉の項目に、「琉球国の統治者の称号。(中略)対外的には最後まで琉球国中山王と称し、中山の二字がついた。」とあり。退位後の呼称については記述なし。
中p97〈国王〉の項、「中山(ちゅうざん)王のみが王とされたわけではない。(中略)琉球内ではウシュガナシーメーなど様々な敬称で呼ばれた。王は独特の神号も有していた。」
中p4787〈神号〉の項、「国王が即位するとき神の託宣によってつけられる称号。」国王の神号一覧あり。
上p369〈王妃〉の項、「王のきさき(正妻)。通称御妃(ウフィ)、または領地名を冠して佐敷御殿(サシチウドゥン)と呼ばれる。」
上p368〈翁主(おうしゅ)〉の項 、「王女(ウミナイビ)が降嫁したあとの称。皇帝の姫は公主といい、諸王・諸侯の姫は嫁して翁主という。」
上p316〈ウミナイビ(思姉妹部)〉の項、 「王女のこと。」
上p367〈王子〉の項、「王の実子は正(しょう)王子。正王子のうち、王妃の子を直(じき)王子、王夫人以外の子を脇(わき)王子とよぶ。」
上p318〈ウミングヮビ(思子部)〉の項、「国王の子の総称。〈ウミングヮ〉は〈クヮッ(子)〉の敬称語で御子の意。〈ビ〉は複数。10歳ごろになると一間切を領し、王子の位を与えられ、領地名を冠して〈・・王子〉〈・・御殿〉と呼ばれる。」とあり。
中p491-493〈親族語彙〉の項に、親族関係を示す呼称について記述があり。
p492に「親族語彙」(首里氏族)の一覧表があり。王族が該当するのかは不明であるが、貴族の使用まではわかる。
『琉球王国』(高良倉吉著 岩波書店 1993)
p141「尚真王の場合、母は世添御殿(よそえうどうん)の大按司、娘は佐司笠(さすかさ)の按司、五人の息子は中城按司、今帰仁按司、越来按司、金武按司、豊見城按司とよばれていた(玉御殿の碑文、一五〇一)。 (中略)王子・王女を総称することばとして、「おもいぐわべ」(思いぐわ部)がある。「おもい」は接頭美称、「ぐわ」は子供を意味する。」
『新琉球史 古琉球編』(琉球新報社編集 琉球新報社 1991)
p109「按司は、王・王子に次ぐ高位の位階名で、王妃・王女・母后・王世子妃などの王族女子も按司と呼ばれた」
『琉球王朝 物語と史蹟をたずねて』(嶋岡晨著 東京 成美堂出版 1992)
p62「王子=王の次男以下。正一品」との記述が見られる。
p63〈王妃〉〈側妾〉等の語や住む場所については記述が見られるが、別の呼称については記述なし。
『琉球歴史夜話 琉球歴史の裏面を解明する』(源武雄著 沖縄文教出版社 1971)
p15「妃は王族出身の娘がなるのが普通で、按司の位階をあたえられて按司加那司(あじかし)と尊称されていた。」「夫人に対しても、按司、または按司志良礼の位階名があたえられている」「妾の下位である妻には阿護志良礼(あごむしられ)という位階名があった。」
『琉球國志略 冊封使琉球録集成 7』(周煌著 原田禹雄訳注 榕樹書林 2003)
p509〈国王〉の項があるが、退位後の呼称については記述なし。
〈王子〉の項に、「その長子は、代々一間切を領して、某間切按司と称する。」とあり。
- 回答プロセス
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その他、調査済み資料は以下のとおり。
『新琉球史 近世編 上・下』(琉球新報社編集 琉球新報社 1991)
『琉球王国 東アジアのコーナーストーン』(赤嶺守著 講談社 2004)
『新稿沖縄の歴史』(比嘉春潮著 三一書房 1970)
『琉球の歴史』(東恩納寛惇著 至文堂 1968)
『琉球の歴史』(宮城栄昌著 吉川弘文館 1977)
『琉球の歴史』(宮城栄昌著 吉川弘文館 1996)
『琉球の歴史』(仲原善忠著 沖縄文化協会 1978)
『琉球の時代 大いなる歴史像を求めて』(高良倉吉著 ひるぎ社 1989)
『琉球・尚氏のすべて』(喜舎場一隆編 新人物往来社 2000)
『琉球王国の外交と王権』(豊見山和行著 吉川弘文館 2004)
『琉球・沖縄 その歴史と日本史像』(地方史研究協議会編 雄山閣出版 1987)
『琉球の歴史と文化 山本弘文博士還暦記念論集』(山本弘文〔著〕 山本弘文先生還暦記念論集刊行委員会編 本邦書籍 1985)
『琉球王国の構造』(高良倉吉著 吉川弘文館 1987)
- 事前調査事項
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「図説琉球王国」(高良倉吉編 田名真之編 河出書房新社 1993)
「琉球王朝史」(新里金福著 朝文社 1993)
「琉球の英傑たち」(大城立裕著 プレジデント社 1992)
- NDC
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- 九州地方 (219 9版)
- 参考資料
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- 『沖縄大百科事典 上・中・下』(沖縄大百科事典刊行事務局編集 沖縄タイムス社 1983)
- 『琉球王国』(高良倉吉著 岩波書店 1993)
- 『新琉球史 古琉球編』(琉球新報社編集 琉球新報社 1991)
- 『琉球王朝 物語と史蹟をたずねて』(嶋岡晨著 東京 成美堂出版 1992)
- 『琉球歴史夜話 琉球歴史の裏面を解明する』(源武雄著 沖縄文教出版社 1971)
- 『琉球國志略 冊封使琉球録集成 7』(周煌著 原田禹雄訳注 榕樹書林 2003)
- キーワード
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- 琉球-歴史
- 沖縄県
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000096929