レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/3/15
- 登録日時
- 2011/08/24 02:00
- 更新日時
- 2011/08/25 16:53
- 管理番号
- 福参-0653
- 質問
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解決
福岡県出身の「武井忍助」について知りたい。
他の図書館で調べてもらって、以下のことはわかっている。
・明治のころ「南天荘詠草」を編集者、発行者として出している。
・筑前朝倉郡馬場村で出生している。
- 回答
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当館のデーターベース「福岡県関係人物文献検索」で1件ヒットする。
『玄洋社発掘 増補版』 石滝 豊美 (西日本新聞社 1997 p.143、265、350、404)に掲載があり、以下のことがわかる。
・武井忍助は玄洋社の社員。玄洋社関係者が一堂に会した写真(明治40年3月23日、東京で撮影された集合写真)の後列左に写っている。(表紙カバーにも写真あり)
・明治24年1月25日博多教学社劇場で開催された「商業大演説会」で、「商業会議所の設置」という題で演説を行なっている。
・同書に掲載されている「玄洋社社員名簿」では、「武井忍介」の表記、備考・略歴として「安場知事時代、県庁に勤む。昭和2年1月7日没。」とある。
・喜多島家文書の玄洋社員名簿には、「朝倉郡」とある。
この本の新版『玄洋社・封印された実像』 石滝 豊美 (海鳥社 2010)でも同内容。
その他の玄洋社に関係する資料には索引がない。見出しを見た限りでは、武井忍助の名は見当たらなかった。
国立国会図書館のNDL-OPACで、著者検索すると2件ヒットする。
1. 郡制施行準備私議 / 武井忍助(玄々斎主人). -- 武井忍助, 明23.3
2. 明治己丑福岡県水害史 / 武井忍助[他]. -- 福岡県内務部第二課, 明24.3
1の書誌の出版事項から、明治23年3月当時の住所は、住吉村であることがわかる。
1・2ともに、近代デジタルライブラリーで本文が確認できる。
近代デジタルライブラリー>本文-郡制施行準備私議(http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/789670 最終確認23.3.24)の31コマ目に奥付に住所の記載あり。
近代デジタルライブラリー>本文-郡制施行準備私議(http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/766756 最終確認23.3.24)の5コマ目のp.1に「福岡県属 武井忍助 編」とある。
出生地から調べてみる。
朝倉郡には「馬場村」はないので、「馬田村」の誤りと思われる。
朝倉郡、甘木市関係の資料にあたったところ、『郷土史馬田』 (郷土史馬田刊行委員会 1992 p.167)に掲載があり、次のことがわかる。
・大正10年(1921)4月に実施された馬田村会議員選挙について、「なかでも非政友の頭目と言われた武井忍助が注目されたが、結果は次のとおりであった」とあり、二級定員(6名)の2番目に「武井忍助(憲)」の名前がある。
p.168にその後の村議選の流れがあり、大正14年4月の選挙結果で当選者名のみが掲載されているが、武井忍助の名はなかった。
- 回答プロセス
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当館所蔵資料→国立国会図書館所蔵資料
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (281 8版)
- 参考資料
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- 1 玄洋社発掘 石滝 豊美∥著 西日本新聞社 1997.8 K315//ゲ 143,265,350,404
- 2 郷土史馬田 郷土史馬田刊行委員会 1992.5 K229/1/キ 167
- 3 玄洋社・封印された実像 石瀧/豊美?著 海鳥社 2010.10 K315//ゲ 181,42
- キーワード
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- 武井忍助 朝倉郡馬田村 玄洋社
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000090335