レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年10月03日
- 登録日時
- 2011/03/17 11:26
- 更新日時
- 2011/04/05 17:13
- 管理番号
- 中央-1-00111
- 質問
-
未解決
小学校に入学した児童が、授業中に座って話を聞けないなどの問題を「小1プロブレム」と呼んでいるが、この用語を最初に用いたのはいつ頃で、初めて活字になった文献や報道等あれば教えてほしい。
- 回答
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「小1プロブレム」という用語が初めて活字になった文献や報道がどれかは特定できなかったが、この用語が最初に用いられたのはおそらく1998年ごろであることがわかった。
・新保真紀子「「小1プロブレム」「学級崩壊」をともに越えるために」 『解放教育2000年1月号』 p65-77
p66に次のような記述がある。
「大阪府同和教育研究協議会(以下、大同教)の乳幼児教育専門委員会(府内の保育所・幼稚園・小学校・中学校教職員約40人で構成)でも、このような実態を「小1プロブレム」と呼び、二年前から研究を続けてきた。」
・東京学芸大学「小1プロブレム」研究推進プロジェクト
http://www.u-gakugei.ac.jp/~shouichi/index.html
「報告書・研究成果発表」のところで、このプロジェクトの報告書をPDFファイルで閲覧することができる。この報告書の「第1章「小1プロブレム」に関する研究と政策の経緯と現状」で、「小1プロブレム」の研究動向を見ることができ、p2に以下のような記述があった。
「「小1プロブレム」の名付け親とも目される新保真紀子によると、最も初期にこの問題を提起した大阪府人権・同和教育研究協議会(大同教)で研究が開始されたのは平成10年のことである。」
・『「小1プロブレム」に挑戦する 人権教育をいかした学級づくり1』 新保真紀子著 明治図書 2001
この資料はさいたま市図書館では所蔵していないが、出版社のHPで前書きと第1~3章の部分を立ち読みすることができる。
URL:http://www.meijitosho.co.jp/shoseki/shosai.html?bango=4-18-100318-3
「前書き」の部分に、下記のような記述があった。
「わたしが所属している大阪府人権・同和教育研究協議会(以下,大同教)ではこのような小学1年生の実態を「小1プロブレム(問題)」と呼び,全国でも先駆的に1998年から研究を続けてきた。」
上記の資料から、「小1プロブレム」という言葉が用いられるようになったのはだいたい1998年頃からであり、大阪府人権・同和教育研究協議会(現在の名称は大阪府人権教育研究協議会)が先駆的に研究を進めてきたことがわかった。この協議会では『大阪の子どもたち 子どもの生活白書 1999年度版』(大阪府同和教育研究協議会 1999)で「小1プロブレム」についての調査・研究の報告を行なっているようである。しかし、これが初めて活字になった文献であるかどうかは特定できなかった。
また、過去の雑誌記事や新聞記事を検索すると、
雑誌記事では『はらっぱ1999年4月号』の新保真紀子氏の記事(p6~7)、
新聞記事では『毎日新聞2000年2月8日朝刊3面』の記事
が、それぞれ一番古い記事として検索される。しかし、検索に引っかからないだけで、これより古い記事がある可能性もあるので、残念ながらこれらも初めて活字になった文献であるかどうかは特定できなかった。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 幼児.初等.中等教育 (376)
- 参考資料
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- 新保真紀子「「小1プロブレム」「学級崩壊」をともに越えるために」 『解放教育2000年1月号』 (p65-77)
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東京学芸大学「小1プロブレム」研究推進プロジェクト
http://www.u-gakugei.ac.jp/~shouichi/index.html - 『「小1プロブレム」に挑戦する 人権教育をいかした学級づくり1』 新保真紀子著 明治図書 2001
- キーワード
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- 小1プロブレム
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000082088