レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010/08/11
- 登録日時
- 2010/12/15 02:00
- 更新日時
- 2010/12/28 11:44
- 管理番号
- 埼熊-2010-057
- 質問
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解決
拡大絵本の作成に関連して次の事を知りたい。
1 弱視の子どもは絵をどのように認識しているのか。(どういう絵なら認識して楽しめるのか。)
2 弱視の子ども向け拡大絵本作成の参考となる資料はあるか。
- 回答
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1 「絵」に限らず「ものの見え方」という観点だが、以下の資料に関連する記述がある。
『弱視児の教育と医学 父母と教師と眼科医のために』(弱視医学教育研究会編 慶応通信 1966)
弱視者の概況から見え方や教育上の設備・配慮などについて全般に解説している。特にp121弱視児の特性の章が参考になると思われる。
『視力の弱い子の映像認知』(藤原等著 二瓶社 1991)
『弱視児の視知覚 その発達のガイドライン』の著者による弱視者の映像認知の研究論文集。内容は専門的な部分が多いが、どのような教材を使用すると視覚的認知能力が改善するかについて研究しているので参考になる可能性あり。
『視覚障害児・者の理解と支援』(芝田裕一著 北大路書房 2007)
主として、視覚障害児・者のリハビリ・生活訓練などを解説した本。p85-96に弱視者の章があり、弱視者の視覚・見え方について簡単な解説がある。
『斜視・弱視 眼科mook 10』(丸尾敏夫編集企画 金原出版 1979)
p28-40に「小児の視力発達と弱視の成因」という項あり。
ゼロ歳児から6歳児までの視機能の発達、弱視の種類について書いてある。内容は専門的だが、表やグラフもあり、幼稚園や小学校の健診による実際をベースに解説されている。
2 拡大絵本作成の参考になる資料はほとんど見つからなかった。
拡大絵本作成についての実績がある団体、問合せ先として以下の情報を紹介する。
全国拡大教材製作協議会(http://www.kakudai.org/ 2010/08/27最終確認)
弱視者問題研究会(http://jakumonken.sakura.ne.jp/index.shtml 2010/08/27最終確認)
上記2団体は、『図書館利用の障害ってなんだろう ふみだそう、次の一歩を!!』 (図書館問題研究会 1998)に掲載されている。
「バリアフリー絵本」研究会(http://www.h4.dion.ne.jp/~ehon/リンク集 2010/08/27最終確認)
「ふきのとう文庫」(http://fukinotou.org/comment.php?ID=22 2010/08/27最終確認〉
ふきのとう文庫ライブラリーの一覧に、貸出用拡大写本リストpdfと大きな字の本についてpdf 等あり。
お問い合わせフォームから問い合わせも受け付けている。
「わんぱく文庫」(大阪府立中央図書館こども資料室内)
視覚障害児のための文庫(http://www.wanpakubunko.com/ 2010/08/27最終確認)
「NPO法人弱視の子どもたちに絵本を」(http://www.wanpakubunko.com/npo/index.html 2010/08/27最終確認〉
通信1号~10号あり、pdfファイルで見られる。
また、「拡大絵本」作成時の著作権について記述のある次の資料を紹介する。
2009年6月の著作権法改正により視覚障害者等のための資料複製について、適用対象施設の範囲が拡大した(著作権法第37条第3項)。ボランティアによって作成される場合は、公共図書館の活動に協力するような形態の場合は著作権者の許諾なしで作成が可能とされている。
安発義彦著「「拡大絵本」「布絵本」づくりなどで知っておきたいこと 著作権について」(『子どもと読書 341』p15-17 親子読書・地域文庫全国連絡会 2003)
南亮一著「2009年著作権法改正によって図書館にできるようになったこと:障害者サービスに関して」(『図書館雑誌 104(7) (通号 1040)』p430-433 2010)
その他の情報
『視覚障害教育の実際』(小林一弘著 あずさ書店 1995)
実践論文集。p143-186に弱視教育の項あり。
『児童心理学の進歩 29(1990年版)』(日本児童研究所編集 金子書房 1990)
p198-206に弱視児の読み書きの項あり。
『弱視児の読みに関する実証的研究』(岡田明著 1979)
主として文字をどう認識するかの研究
『光れ隻眼0.06』(鈴木月美〔ほか〕著 読売新聞社 1989)
視覚障害児をもつ親のドキュメンタリー。
『視覚障害児の心理学』(佐藤泰正著 学芸図書 1974)
主として全盲を対象とした研究。
『視覚障害 その教育と福祉 障害児問題叢書』(ミネルヴァ書房 1974)
主として視覚障害児の教育についての概論。
『視力0.06 見えにくさのある眼で見るということ』(小林一弘著 ジアース教育新社 2003)
主として個人の体験とそこから得た工夫について書かれたもの。教材・教具についても書かれているが、文字についてのみで絵に関する記述はなし。
『斜視・弱視診療アトラス』(丸尾敏夫著 金原出版 1998)
斜視、弱視の診断・種類・治療について書いている。
日本図書館協会障害者サービス委員会に問合せした結果
「資料・関連団体の情報についてはすでに提供したもので過不足ないと考えられる。基本的な知識については資料で対応できるが、実際に制作する際には本を使用する児童の見え方や、拡大する絵によって個別に対処してゆくことになる。疑問点があれば問い合わせしてくれればアドバイスできる」とのこと。
問合せ先:墨田区立あずま図書館(2010.8現在)
- 回答プロセス
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自館目録を〈視覚障害児〉〈弱視〉>をキーワードに全文検索した結果の図書を調査する。
《MAGAZINEPLUS》を〈拡大絵本〉〈弱視児〉〈視覚障害児〉で検索した結果の雑誌記事を調査する。
《Google》を〈バリアフリー絵本〉をキーワードに検索した結果、ヒットしたウェブサイトを確認する。
- 事前調査事項
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質問者事前調査済資料
「視力の弱い子どもの理解と支援」(大川原潔[ほか]編 教育出版 1991)
「弱視児の視知覚 その発達のガイドライン」(藤原等著 二瓶社 1990)
「視覚障害心理学」(佐藤泰正編著 学芸図書 1988)
「視覚障害児のための絵本作成の実践 2 弱視児のための「拡大絵本」」
「日本保育学会大会研究論文集 47」1994.5.1
「あなたにもできる拡大写本入門 広げよう大きな字」(山内薫著 大活字 1998)
澤田克己著「弱視児のための「拡大絵本」の研究」(『読書科学 35(1)』(1991.4))
「拡大教科書がわかる本 すべての見えにくい子どもたちのために」(宇野和博著 読書工房 2007)
「「拡大教科書」作成マニュアル 拡大教科書作成へのアプローチ」(国立特殊教育総合研究所編著 ジアース教育新社 2005)
- NDC
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- 障害児教育[特別支援教育] (378 9版)
- 参考資料
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- 『弱視児の教育と医学 父母と教師と眼科医のために』(弱視医学教育研究会編 慶応通信 1966)
- 『視力の弱い子の映像認知』(藤原等著 二瓶社 1991)
- 『視覚障害児・者の理解と支援』(芝田裕一著 北大路書房 2007)
- 『斜視・弱視 眼科mook 10』(丸尾敏夫編集企画 金原出版 1979)
- 『子どもと読書 341』親子読書・地域文庫全国連絡会 2003)
- 『図書館雑誌 104(7) (通号 1040)』(日本図書館協会 2010)
- 『視覚障害教育の実際』(小林一弘著 あずさ書店 1995)
- 『児童心理学の進歩 29(1990年版)』(日本児童研究所編集 金子書房 1990)
- 『弱視児の読みに関する実証的研究』(岡田明著 学芸図書 1979)
- 『光れ隻眼0.06』(鈴木月美〔ほか〕著 読売新聞社 1989)
- 『視覚障害児の心理学』(佐藤泰正著 学芸図書 1974)
- 『視覚障害 その教育と福祉 障害児問題叢書』(ミネルヴァ書房 1974)
- 『視力0.06 見えにくさのある眼で見るということ』(小林一弘著 ジアース教育新社 2003)
- 『斜視・弱視診療アトラス』(丸尾敏夫著 金原出版 1998)
- キーワード
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- 拡大写本
- 弱視
- 拡大絵本
- 視覚障害者
- 照会先
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- 墨田区立あずま図書館(2010.8現在の問い合わせ先)〒131-0044墨田区文花一丁目19番1号電話:03-3612-6048ファックス:03-3612-6072(障害者用)
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000075240