レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年04月10日
- 登録日時
- 2010/07/21 12:15
- 更新日時
- 2010/10/05 16:05
- 管理番号
- 名古屋市鶴-2010-016
- 質問
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解決
昭和3・4年ごろ、愛知県で使用されていた5年生の国語の教科書が見たい。
- 回答
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昭和3・4年頃は第3期国定国語教科書の時代にあたり、当時は「尋常小学読本」と「尋常小学国語読本」の2種類がありました。『愛知県教育史 第4巻』によれば、愛知県では大正7年4月からは「尋常小学読本」が、大正11年4月から昭和7年度までは「尋常小学国語読本」が使われたとのことです。この「尋常小学国語読本」については、『日本教科書大系 近代編 第7巻』に収録されています。
- 回答プロセス
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(1)まず『日本教科書大系』にあるのではないかと考えて調べてみると、『日本教科書大系 近代編 第7巻』に第2期~第4期の国定国語教科書が収録されており、収録されている第3期国定国語教科書は大正7年~大正12年の発行、第4期国定国語教科書が昭和8年~昭和13年の発行でした。したがって、昭和3・4年頃であれば、第3期国定国語教科書が使用されていたことになりますが、同書の解説には“二種の国定教科書が使用された”とあることから、使用年や使用地域についてははっきりとしませんでした。
(2)そこで、近くの書架にあった『近代日本の教科書のあゆみ』を調べてみると、第3期国定教科書の時代には「尋常小学読本」(黒表紙本)と「尋常小学国語読本」(白表紙本)の2種類の教科書が使用されていましたが、同書の「国定国語教科書とその使用世代」の表から、「尋常小学読本」の使用年は“大正7~12年”、「尋常小学国語読本」の使用年は“大正7~昭和7年”とあることから、昭和3・4年頃であれば、「尋常小学国語読本」を使用していたということがわかりました。
(3)改めて『日本教科書大系 近代編 第7巻』を確認してみると、「尋常小学国語読本」(12冊)が収録されていたため、こちらをご紹介しました。
(4)事後調査で、『愛知県教育史』を調べてみると、“本県においては、大正7年(1918)4月からは「尋常小学読本」を採定していたが、大正11年(1922)4月からは「尋常小学国語読本」を使用することとした”とあり、昭和3・4年頃に愛知県では「尋常小学国語読本」が使用されていたことが確認できました。
- 事前調査事項
- NDC
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- 教育課程.学習指導.教科別教育 (375 9版)
- 参考資料
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- 『日本教科書体系 近代編 第7巻』 海後宗臣/等編 講談社 1963年 p.261-555,558,718-723
- 『近代日本の教科書のあゆみ』 滋賀大学附属図書館/編著 サンライズ出版 2006年 p.25-27
- 『愛知県教育史 第4巻』 愛知県教育委員会/編 第一法規出版 1982年 p.78-79,82
- キーワード
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- 教科書
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000069285