レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年03月29日
- 登録日時
- 2010/04/05 16:06
- 更新日時
- 2010/12/13 19:36
- 管理番号
- 10-3B-201003-10
- 質問
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解決
山崎宗鑑について知りたい。宗鑑というのは、法名なのか号なのか。
一休禅師の葬儀に参加したと聞いたが、大徳寺と関係があるのか。
また、肖像画があれば見たい。
- 回答
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山崎宗鑑について下記の資料をご紹介した。
1.宗鑑は法名か号か
『潁原退蔵著作集 第2巻 連歌』 所収「山崎宗鑑伝」(潁原 退蔵/著 中央公論社,1979.12)のp.501に「宗鑑は勿論法名であるから、これに姓氏を附して呼び習はす筈もない。…」とあり。
2.宗鑑と一休・大徳寺の関係
以下の2点は国会国立図書館の近代デジタルライブラリーでごらんいただけることを紹介。
『日本俳諧史』32ページに「宗鑑の落髪」という項があり、その中で「延徳元年(1489年)(中略)、一休和尚に参禅す」とあり。また33ページに「宗鑑と一休」という項あり。
『俳諧百哲伝』8ページにも、「(宗鑑は)一休の風を慕ひこれに仕ふること頗るつとめたり」とあり。
雑誌の論文「近江の連歌・俳諧 3 一休と宗長・宗鑑の関係」(雑誌「義仲寺」98巻:1975年3月発行に収録)も紹介。こちらは当館に所蔵のない雑誌だが、近隣では滋賀県立図書館、天理大学附属図書館、神戸大学 附属図書館 社会科学系図書館に所蔵があることも併せてお伝え。
国立国会図書館には所蔵なし。
3.肖像画
・『山崎宗鑑伝』(吉川 一郎/著 養徳社,1955.1)
巻頭図版10-13「宗鑑四態」として、図版4点紹介。
・『国史大辞典 14 や-わ』(国史大辞典編集委員会/編 吉川弘文館,1993.4)
山崎宗鑑の項目(p.142-143) (伝)山崎宗鑑自画像掲載、これは『山崎宗鑑伝』掲載のものとは
別の画像で、図版目録によると兵庫県の柿衛文庫が所蔵。
・国文学研究資料館「歴史人物画像(古典キャラクター)データベースに「秀雅百人一首」収録の宗鑑の
肖像あり。
- 回答プロセス
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1.商用データベース「Japan Knowledge(ジャパンナレッジ)(事典・辞書等)」を調査
“山崎宗鑑”で検索、5件の項目があり。うち、4)の『日本大百科全書』の解説を紹介。
『日本国語大辞典』などその他の辞典類をみても、経歴・生没年などはっきりしないよう。
1) やまざき-そうかん【山崎宗鑑】(日本人名大辞典|見出し自体)
2) やまざき‐そうかん【山崎宗鑑】(デジタル大辞泉|見出し自体)
3) やまざき‐そうかん【山崎宗鑑】(日本国語大辞典|見出し自体)
4) 山崎宗鑑(日本大百科全書(ニッポニカ)|見出し自体) → 宗鑑 …(続きを読む)
室町後期の俳人、書家。
確実な伝記資料が伝わらないのではっきりしないとのことだが、
「一休ゆかりの山城(やましろ)(京都府)薪(たきぎ)の酬恩庵(しゅうおんあん)に滞留していたらしく」とあり。
(『宗長手記』)。
参考文献としては下記があげられている。
『山崎宗鑑伝』(吉川一郎著 養徳社 1955)
「山崎宗鑑」木村三四吾著(『俳句講座2 俳人評伝 上』所収・明治書院 1958)
2冊とも大阪市立中央図書館に所蔵あり、ご紹介。
5) Yamazaki S?kan【山崎宗鑑】(Encyclopedia of Japan|見出し)
2. 商用データベース「e-レファレンス/ツール(日外 人物・出版情報)」確認
“山崎宗鑑”で検索、多数の辞典での掲載を確認。
当館所蔵のものをご紹介。
3.『国史大辞典』を確認
『国史大辞典 14 や-わ』 国史大辞典編集委員会/編 吉川弘文館,1993.4(p.142)に項目あり。ご紹介。
「出自・伝記も不明で、「山崎宗鑑」というのも、山崎に住んでいた宗鑑というのにすぎない」とあり。
(伝)山崎宗鑑自画像掲載。
参考文献として、3冊掲載(上記2冊含む)
『潁原退蔵著作集 第2巻 連歌』 所収「山崎宗鑑伝」(潁原 退蔵/著 中央公論社,1979.12)のp.501に「宗鑑は勿論法名であるから、これに姓氏を附して呼び習はす筈もない。…」とあり。
4.国立国会図書館近代デジタルライブラリー http://kindai.ndl.go.jp/index.html (2010.3.31確認)を調査
“山崎宗鑑”で検索、11件が見つかり、ご紹介する。
1) 秋香歌かたり / 中村秋香(不尽廼舎)著,五車楼, 明40.6
2) 逸話文庫 / 通俗教育研究会編,大倉書店, 明44
3) 今古雅談 / 堀成之著,金港堂書籍, 1892
4) 芸苑一夕話. 下 / 市島春城著,早稲田大学出版部, 大正11
5) 禅と英雄 / 秋山悟庵著,中央書院, 大正3
6) 日本俳諧史 / 池田常太郎(秋旻)著,日就社出版部, 明44.11
7) 俳諧百哲伝 / 竹の屋世外(武谷糺之)編,岡本偉業館, 明30.12
8) 俳諧名家列伝 / 籾山鈞著,博文館, 明26.3. - (寸珍百種 ; 第23編)
9) 俳家奇人談 / 竹窓玄々一遺稿他,今古堂, 1892. - (俳諧叢書 ; 第6編)
10) 俳文学選 / 志田義秀編,明治書院, 大正15
11) 鳴雪俳話 / 内藤鳴雪著,博文館, 明40.12
上記、4)『芸苑一夕話』下 によると、足利将軍に仕えていたが、出家した後、山崎村に庵をかまえたので山崎宗鑑と名乗ったとのこと。また、6)『日本俳諧史』、7)『俳諧百哲伝』には、一休に関する記述あり。
5.『禅学大辞典』を調査
『禅学大辞典 下巻 せ~わ』(駒沢大学内禅学大辞典編纂所/編 大修館書店,1978)
「宗鑑」の項目あり(p718)。お探しの宗鑑については記述なし。「宗鑑」の意味についても触れず。
同名別人で、大徳寺37世あり。
6.大阪府立中之島図書館 おおさか文献データベース (2010.3.31確認)を調査
“山崎宗鑑”で検索、事項名ではないが、文献名では下記2件が見つかる。
大阪春秋 18 大阪ゆかりの俳人 1/渡辺牀羊 p152-155 197810
大阪春秋 32 大阪俳壇に炬火を掲げた人々/渡辺牀羊 p38-40 198204
どちらにも、出生・没年なども諸説あり、と書かれておりお尋ねのような内容は記述なし。
7.国文学研究資料館国文学論文目録データベースhttp://base1.nijl.ac.jp/~ronbun(2010.3.31確認)を調査
"宗鑑”で検索、40件見つかる。そのなかから一休との関係が記述されていそうな1件をご紹介。
近江の連歌・俳諧 3 一休と宗長・宗鑑の関係//木村辰風//義仲寺 98巻
上記論文の掲載誌、「義仲寺 98巻」をNACSIS Webcatで調査し所蔵を、ご紹介。
8.『山崎宗鑑伝』『国史大辞典 14』以外の肖像がないか、確認
『美術作品レファレンス事典 人物・肖像篇』 宗鑑なし。
国立国会図書館 調べかた案内「肖像(日本人)」で紹介されているサイトや資料に宗鑑の肖像画がないか、確認 国文学研究資料館「歴史人物画像(古典キャラクター)データベースに「秀雅百人一首」収録の宗鑑の肖像あり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (281 9版)
- 参考資料
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- 『山崎宗鑑伝』吉川 一郎/著 養徳社,1955.1<当館書誌ID:0080295902>
- 『国史大辞典 14 や-わ』 国史大辞典編集委員会/編 吉川弘文館,1993.4 ISBN 4-642-00514-5<当館書誌ID:0000306499>
- 『潁原退蔵著作集 第2巻 連歌』 潁原 退蔵/著 中央公論社,1979.12<当館書誌ID:0080058210>
- 『禅学大辞典 下巻 せ~わ』駒沢大学内禅学大辞典編纂所/編 大修館書店,1978<当館書誌ID:0080051671>
- 国文学研究資料館「歴史人物画像(古典キャラクター)データベース http://base1.nijl.ac.jp/~rekijin/syouzou.html (2010.3.31確認)
- キーワード
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- 山崎宗鑑
- 宗鑑
- 一休
- 一休宗純
- 大徳寺
- 連歌
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 商用データベース「e-レファレンス/ツール」は、2010年6月から「e-レファレンス・ライブラリー」(日外 人物・出版情報) に変更。
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000065753