レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年01月29日
- 登録日時
- 2010/03/31 12:02
- 更新日時
- 2010/11/02 13:56
- 管理番号
- 福井県図-20100129
- 質問
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解決
福井県の九頭竜川(くずりゅうがわ)について、九頭竜にまつわる神話、民話、伝説にはどんなものがあるのか。九つの頭にそれぞれ何か意味があるのか、宗教との関わりなども含めて知りたい。
- 回答
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1.九頭竜川の名前の由来について
諸説あるが、主なものは以下のとおり。
○寛平元(889)年、平泉寺の白山権現が衆徒の前に示現され、その尊像を川に浮かばせたところ一身九頭の竜が現れ、尊像を捧げいただき流れ下って黒流大明神社の対岸に着いた。それ以降、この川を九頭竜川と名づけた。
○承平の頃(931年頃)、国土を護るために国の四隅に黒竜大明神が置かれ、このうち北は越前の崩山であった。この黒竜大明神の祭神は水体、黒竜王であり、その前を流れる川を「黒竜川」と呼ぶようになった。黒竜と書いてクズリュウと読ませた。
○「大乗院寺社雑事記」(1480年)の絵図に「崩川(くずれかわ)」という名前が見られ、「太平記」には黒竜神社を「クズレ明神」と記している。
*『九頭竜川物語』(建設省近畿地方建設局福井工事事務所)より
2.福井県内に伝わる九頭竜伝説について
「九つの頭をもった竜」や「九頭の竜が住んでいた」などが見られるが、竜を詳しく表現しているものはなく、竜のもつ意味はわからなかった。
●『龍:その多様な信仰と意匠』(福井県立歴史博物館/編・発行 2009)
p53~55:福井県に残る龍の伝説あり
●『千石平と九頭竜』(永平寺町教育委員会/編 1983)
p61~66:九頭竜川に伝わる伝説あり
●『若狭・越前の民話 第2集』(杉原丈夫,石崎直義/編 未来社 1978)
p116~117:「黒竜(くずりゅう)」
竜は架空の動物で、原産地はインドと中国であり、日本の神話伝説では竜の正体は大蛇である。(『いずみ村の伝説と民話』和泉村教育委員会p8参照)
- 回答プロセス
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1.郷土資料で伝説、民話に関する資料(H380~388)を探す。
2. 一般資料の竜に関する資料を探す。
- 事前調査事項
- NDC
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- 伝説.民話[昔話] (388 8版)
- 日本 (291 8版)
- 河海工学.河川工学 (517 8版)
- 参考資料
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- 『九頭竜川河譜』(橋川時雄/著 福井県・近畿建設局福井工事事務所 1950)H381/H/1
- 『越前若狭河川のルーツ』(上杉喜寿/著 福井県郷土誌出版研究会 1982)H290/U2/2
- 『ふくいの川』(上杉喜寿/著 福井県文化振興事業団 1995) H290/U2/6
- 『龍:その多様な信仰と意匠』(福井県立歴史博物館/編・発行 2009)H380/H10/4
- 『千石平と九頭竜』(永平寺町教育委員会/編 1983)H388/E3/1
- 『九頭竜川物語』(建設省近畿地方建設局福井工事事務所 1998)H517/K/8
- 『若狭・越前の民話 第2集』(杉原丈夫,石崎直義/編 未来社 1978)H388/W/2
- 『若狭・越前の伝説』(駒敏郎/著 角川書店 1980)H388/K6/1
- 『越前若狭の伝説』(杉原丈夫/編 松見文庫) H388/E/1
- 『福井県の伝説』(河合千秋/編 福井県教科書供給所) H388/S4/2
- キーワード
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- 龍
- 伝説
- 昔話
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000065620