レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010/03/31
- 登録日時
- 2010/03/17 09:43
- 更新日時
- 2014/06/06 17:04
- 管理番号
- 新県図-01174
- 質問
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解決
新潟駅には「忠犬タマ公」の銅像があるそうですが、実在した犬なのですか。
- 回答
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実在した犬です。
タマは、新潟県川内村(合併して村松町→五泉市)在住の刈田吉太郎さんが飼っていた、純日本犬(柴犬・メス)です。主人の刈田さんと共に熊狩りやうさぎ狩りに出かけ、猟犬としても活躍していました。
昭和9年2月5日と昭和11年1月10日の2度にわたり、雪崩にまきこまれ生き埋めになった飼い主をただ一匹で雪の中から掘り起こして救出しました。2度目の遭難では、飼い主を含む一行4名全員の命を救いました。
1回目の遭難救助当時から新聞報道され話題になり、昭和12年11月に、出身地にある川内小学校と新潟市の白山公園の2箇所に、川内出身の羽下大化さん制作の銅像が設置されました。『新潟駅の忠犬タマ公』には、白山公園の銅像前で刈田さんと一緒に写ったタマの写真が掲載されています。
白山公園の銅像は第二次世界大戦時に銅鉄類として供出されましたが、昭和34年4月10日、皇太子御成婚記念日を祝して復元され、除幕式がおこなわれました。再建された銅像は日展会員の渡辺徹さんが制作しました。
その後、昭和57年の上越新幹線開業の年が戌年と重なったことから、駅のシンボルとして新潟駅構内にタマの銅像が設置されました。この銅像は佐渡出身の彫刻家・林昭三さんが制作しました。
このほか、『図解にいがた歴史散歩 五泉・中蒲原・東蒲原』「忠犬タマ公と新幹線」には、タマ公像は「村松公園内ふるさと会館前に立てられたものとで計四基となった。」とあります。
また『奇跡の犬タマ公』によると、神奈川県横須賀市の衣笠公園内に「忠犬タマ公の碑」があるようです。[2014年6月6日追記]
タマ公について書かれている資料で、記述内容がもっとも詳細なのは前記の『新潟駅の忠犬タマ公』です。このほか、当館では、当時の新潟新聞のマイクロフィルムや全国紙の縮刷版も所蔵しています。コピーも可能ですので、新聞等の情報が必要な場合はご相談ください。
なお、タマ公の物語は五泉市のホームページでも紹介されています。
http://www.city.gosen.lg.jp/7/126/000329.html(最終確認:2010.3.16)
- 回答プロセス
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参考資料
『新潟駅の忠犬タマ公』(滝澤惣衛/文・絵 滝澤惣衛 1982)
『中央・上信越440駅 国鉄全線各駅停車 第6』(宮脇俊三,原田勝正/編 小学館 1983)
『図解にいがた歴史散歩 五泉・中蒲原・東蒲原』(新潟日報事業社出版部/編 新潟日報事業社出版部 1984)
『忠犬タマ公ものがたり』(滝沢てるお/文 木村しゅうじ/画 小学館 1983)
『三びきのタマ公』(本間芳男/作 村山陽/絵 あすなろ書房 1982)
『奇跡の犬タマ公』(綾野まさる/作 日高康志/画 ハ-ト出版 1998)[2014年6月6日追記]
『村松町史』『新潟県大百科事典』『新潟県民大百科事典』には記述なし。
現時点では、新聞記事の掲載年月日は未調査。
『新潟駅の忠犬タマ公』によると、2度の遭難、県表彰の対象除外、白山公園の銅像再建、新潟駅構内設置などに際して報道され記事が掲載されたものと思われる。
- 事前調査事項
- NDC
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- 小説.物語 (913 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 忠犬
- 銅像
- 新潟駅
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 簡易な事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 一般利用者
- 登録番号
- 1000064744