レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008/11/22
- 登録日時
- 2009/04/23 02:11
- 更新日時
- 2009/04/27 14:42
- 管理番号
- 埼熊-2008-124
- 質問
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解決
漢字のつくりについて知りたい。①なぜ「舟」が「月」に変わったのか。②[ソウ](「送」からしんにゅうを取ったもの。象形文字。火を両手で持っている人を表す。)の意味について。
- 回答
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①舟はつきへんと混同し、類似するもの。部首の「月」は、月の満ち欠けなどの状態に伴って時間などの意味を表す。本来、月(ツキ)と月(フネヅキ)、月(ニクヅキ)は区別されていたが、常用漢字ではすべて月の形にしている。②小貝を両手でささげる形を意味する。
- 回答プロセス
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漢和辞典および漢字の字源に関する資料を〈舟〉〈月〉〈肉〉〈ソウ(「送」からしんにゅうを取ったもの)〉〈廾〉で検索した。
①『大漢和辞典 5』p1010〈月〉の「参考」に「つきへんに混同し、又類似するもの、他に丹・肉・舟・?がある。形を別ければ、本来のつきへんは月で右方が離れ、丹は丹(横棒が出ていない形)で一畫は縦、肉は月で左右共に接し、舟は月(横棒が離れている。点々に近い形。) 又は月(中の線が斜めの形)で中の二畫を斜めにし」とあり。
『大漢和辞典 9』p246〈肉〉の「象形」に「切った肉による。中の点々はその筋を表す。」とあり。また、p250(月(ニク)〉に「にくづき。肉が漢字の偏となるときの形。」とあり。
『漢字類編』p400-401〈舟〉の「象形」に「舟は舟形の字とされるが、受・前・般・朕(ヨウ)などの甲骨文・金文の字形によっていえば、盤の象形で、物を盛る器である。その形が同じなので、また舟の意にもちいる。」とあり。
『角川大字源』p843〈月〉の「部首解説」に「月の満ち欠けなどの状態に伴って時間などの意味を表す。朝、服などの月は舟の省略形。本来、月(ツキ)と月(フネヅキ)、月(ニクヅキ)は区別されていたが、常用漢字ではすべて月の形にしている。」とあり。
②『漢字類編』p146〈[ソウ](「送」からしんにゅうを取ったもの〉に、「[貝の形](小貝)と廾(キョウ)(両手)との会意字。物を両手でささげる形。そのささげるものは小貝であろう。「ソウ」は贈のもとの字。」とあり。
『角川大字源』p585〈廾(キョウ)〉の「象形」に「両手を高く挙げて、物をささげているさま。」とあり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 音声.音韻.文字 (811 9版)
- 参考資料
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- 『大漢和辞典 5』(大修館書店 1980)
- 『大漢和辞典 9』(大修館書店 1980)
- 『漢字類編』(木耳社 1982)
- 『角川大字源』(角川書店 1992)
- キーワード
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- 漢字
- 漢和辞典
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000054131