レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008/03/30
- 登録日時
- 2009/04/17 02:11
- 更新日時
- 2011/12/27 15:42
- 管理番号
- 愛知県図-00222
- 質問
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未解決
トマト果実のガク(萼)の役割について書いた本を知りたい。できれば、児童向けの本が良い。
- 回答
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児童室で植物の本を見ましたが、萼の役割について書いてある本は見つけられませんでした。
一般図書で調べたところ、トマトの萼についての記載は見つかりませんでしたが、資料1~5に一般的な花の萼についての記載がありました。
【資料1】108頁に萼の説明があります。「花を構成する器官のなかで、萼片は葉の性質をとどめている。…(略)…萼片は形が単純化し、花の領域に引き入れられた葉である。…(略)…萼片の本質は葉身の形成が完全に阻止された葉に残った葉柄にほかならない。…(略)…芽の状態の萼片には、内側にある軟らかい花冠、雄蕊、雌蕊をおおって保護する機能がある。したがって、花が展開すると萼片は不要となって落下する植物も多いが、果実が熟するまで「へた」として残る植物もある(以下略)」とあります。
【資料2】4頁に、がく片(萼片,sepal)の説明があります。「花の一番外側(花弁の外側)に位置する花の要素で、がく片の集まりをがく(calyx)という。花弁と同様に雌しべ、雄しべを保護する。花の種類によっては、花弁と同様に着色して昆虫などを集めるはたらきをする場合もある。がく片も葉の変わったものである。事実、葉と同様に緑色をしている場合が多い」とあります。
【資料3】19頁「がく(萼)片(外花被片)」の説明があります。「蕾の時に内側にある花弁、おしべ、めしべを包んで守っています。…(略)…普通緑色をしていて、花葉(めしべ、おしべ、花弁、がく片)のなかでは一番葉に近い形で、葉と同じ組織があって光合成をしています。ただ、いろいろと変形しているものがあります(以下略)」とあります。
【資料4】298-304頁に「総苞片と萼片」の項目があります。花によってさまざまな形をとる萼片の形態的な考察から萼の成立について考察しています。
【資料5】15頁、に花の機能についての説明があります。「ふつう、がく片は蕾を包んで保護し、花弁は訪花動物を勧誘したり送粉を確実にするはたらきがあり」とあります。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 一般植物学 (471 9版)
- 参考資料
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- 資料1『植物形態の事典』 ヴェルナー=ラウ著 朝倉書店, 1999.7 ((1107769798/471.1/ラウ/776979 ))
- 資料2『花の観察学入門』 岡崎惠視、橋本健一著 培風館, 1999.1 ((1108010170/471.1/オカ/801017 ))
- 資料3『身近な植物から花の進化を考える』 小林正明著 東海大学出版会, 2001.7 ( (1108017107/471.1/コハ/801710 ))
- 資料4『図説植物形態学ハンドブック 下』 トロール[著] 朝倉書店, 2004.6 ( (1108660254/471.1/トロ/866025 ))
- 資料5『植物の進化形態学』 加藤雅啓著 東京大学出版会, 1999.5 ( (1107720705/471.1/カト/772070 ) )
- キーワード
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- 花
- 萼
- 萼片
- 植物形態学
- がく
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000053981