恐竜の絶滅については,様々な仮説があり『恐竜雑学謎と不思議』のp.209では,100を超える絶滅論があること,『恐竜のすべて』のp.94では60を越す説があると記述されている。有力な説はあるもののどの説にも限界があり,『超最新・恐竜ワールド』のp.91には「その現象の複雑さを考えると,恐竜の絶滅は永遠の謎かもしれない。」と述べられている。『恐竜雑学謎と不思議』p.210には,「絶滅説をごく大きくふたつに分類すると,「外因説」と「内因説」とに分けられる。前者は外部環境の大きな変化に恐竜が適応しきれずに絶滅したというもの。後者は恐竜自身の生理的性質の異常が原因で死に絶えたというものである。」とある。現在最も有力とされている仮説は,『ジュラシック・ミステリー』のp.75に「恐竜絶滅の謎を解く数々の仮説のうち,現在,最も有力な仮説として注目されているのは巨大隕石衝突説である。白亜紀末,巨大な隕石が地球に衝突し,環境の激変を引き起こし,恐竜が絶滅したというのだ。」とあり,以降詳しく説明されている。また,他の従来の恐竜絶滅説についても説明があり,p.111-138に「従来の恐竜絶滅説の盲点」と題してそれぞれの説の問題点について説明されている。諸説については,『恐竜雑学謎と不思議』のp.210-225に,「大隕石衝突が恐竜を死滅させた」,「大彗星の爆発で恐竜は絶滅した」,「恐竜を絶滅させた酸性雨」,「巨大な分子雲との遭遇が恐竜を滅ぼした」,「超新星の爆発が絶滅をもたらした」,「温室効果が恐竜を死に追いやった」,「海がなくなり恐竜が絶滅したのか?」,「恐竜は食糧不足が原因で滅んだ?」,「気温や水温の低下が恐竜を死なせた?」,「便秘が恐竜絶滅の原因に」,「恐竜自身の生理異常が絶滅を招いた?」というタイトルで11の有名な仮説を分かりやすくまとめて説明している。この中の「巨大な分子雲との遭遇が恐竜を滅ぼした」という説は,京都大学の藪下信(やぶした しん)助教授(当時)が提唱したもので,,『恐竜雑学謎と不思議』のp.215-216に「太陽系が巨大な分子雲に突入したときに,イリジウムを含む多量の宇宙塵(じん)が地球大気中にばらまかれて気候が悪化した。このとき同時に酸素の量が減少したため,肺が十分に発達していなかった巨大生物が酸欠状態に陥って絶滅した」とある。藪下氏は『巨大分子雲と恐竜絶滅』という本を自ら執筆して「巨大分子雲」説について詳しく説明している。