レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2005/10/15
- 登録日時
- 2006/04/20 02:10
- 更新日時
- 2007/03/04 11:08
- 管理番号
- 都立図事-2005004375
- 質問
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涅槃経の中に収録されている「心の師となれ 心を師とせざれ」という語句がでてくる経典名を知りたい。『獅子吼菩薩品』に出てくるらしい。インターネット検索ではでてくるが、中村元著『涅槃経』、松原泰道著『涅槃経』にはなかった。
- 回答
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資料1:「心」で索引をひいたが「心の師」は見出せなかった。
資料2:p.669に「こころの師となるとも、心を師とせざれ」(願作心師、不師於心)の項目があり、出典は「北本涅槃経 二十八」とあり。
資料3:「涅槃経」の項目中「大乗涅槃経」の説明文によれば、大乗の「大般涅槃経(だいはつねはんぎょう)」には漢訳が3種類あり、北涼の曇無識(ドンムシン)訳の40巻本(北本という)、同再治本36巻(南本)、法顕訳の「大般泥洹経(だいはつないおんぎょう)」6巻という説明がある。(洹はさんずいに亘)
資料4により、『北涼曇無識訳大般涅槃経』全40巻が資料5に収録されていることがわかる。
『北涼曇無識訳大般涅槃経』28巻(p.528~525)の巻頭に、「獅子吼菩薩品第十一之二」とあり、p.534上段4~5行目に該当の言葉が出てくる。
資料6:この文を「願わくは心の師と作りて心を師とせじ」と訳している。『大正新収大蔵経』の頁数と段数(3段上中下をabcであらわす)が『国訳一切経』に付与されているので、該当箇所をさがしやすい。
インターネットでは中華電子仏典協会(http://www.cbeta.org/index.htm)
の教典検索画面から<願作心師不師於心>で検索すれば、『大正新修大蔵経』中の巻数、頁、行が明示される。また、この文言は南本といわれる36巻本の第26巻にも出てくることがわかる(資料5 p.779 上段 1行目)。(最終検索日:2006.2.21。なお、検索は繁体字で、標点等をはずして行う。)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 経典 (183 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】 国訳一切経 印度撰述部 総索引 / 大東出版社 , 1974 R/1830/39/17
- 【資料2】 日本国語大辞典 第5巻 けんえ-さこい / 小学館国語辞典編集部∥編集 . 第2版 / 小学館 , 2001.5 R/813.1/5020/5
- 【資料3】 岩波仏教辞典 / 中村元∥[ほか]編集 . 第2版 / 岩波書店 , 2002.10 R/180.3/5006/2002
- 【資料4】 大正新修大蔵経総目録 / 高楠順次郎∥編 / 大蔵出版 , 1932 R/1830/T142/T
- 【資料5】 大正新脩大蔵経 第12巻 宝積部 下・涅槃部 / 大正新脩大蔵経刊行会 , 1967 /1830/10/12A
- 【資料6】 国訳一切経 印度撰述部 涅槃部 第2 . 改訂版 / 大東出版社 , 1977 /1830/39/7-2
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000028373