レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年06月30日
- 登録日時
- 2011/07/26 17:35
- 更新日時
- 2011/07/26 17:37
- 管理番号
- 福井県図-20110630
- 質問
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解決
万葉集についての本に、「もみじ」の漢字について、万葉集では多くが「黄葉」を宛て、「紅葉」を宛てている歌は1首しかないと書かれている。その1首を知りたい。
- 回答
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歌番号2201 の歌「妹許跡 馬鞍置而 射駒山 撃越来者 紅葉散筒」に出てくる「もみじ」の表記が「紅葉」である。ただし、この歌も訳文編や日本古典文学体系では「黄葉」の漢字が宛てられている。
- 回答プロセス
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・『国歌大観』を見る。
→かなでの索引で、漢字では調べられない。(かな索引だと、「もみじ」がつく歌は大量にある)
文学に911.1、918にある万葉集関係の索引などをブラウジング
→「紅葉」を宛てているのが1首とはいくつかの本に記述があるが、どの歌か書かれているものは確認できず。また索引類もかなでひく索引がほとんど。
・書庫で『万葉集総索引』 単語篇 平凡社 1974をひく。この索引は漢字で検索できる。
→「紅葉」を宛てている1首が10巻の2201番の歌と分かる。
→『万葉集』訳文篇 塙書房 1990 で2201番を見ると「妹がりと 馬に鞍置きて 生駒山 うち越え来れば 黄葉(もみじ)散りつつ」とあり、「黄葉」をあてている。『日本古典文学大系』の万葉集を見ても「黄葉」をあてている。
→『万葉集』本文篇 塙書房 1998.2(本書は万葉仮名の表記のままになっている)の2201番は「妹許跡 馬鞍置而 射駒山 撃越来者 紅葉散筒」となっており、「紅葉」となっている。
『万葉集注釈』第10 p388~389 に2201の歌の原表記と訳、解説あり。次の記述がある。
「もみち」に「紅葉」の文字を当てたのは、集中ここ一つである。「赤」の文字を用ゐた例(2205)は三つである。
とあることから、この歌が「紅葉」の文字を使った歌と判断した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 8版)
- 参考資料
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- 『万葉集総索引』 単語篇 平凡社 1974 (当館資料コード:1012744668 請求記号:911.1/M37/1)
- 『万葉集』本文篇 塙書房 1998.2 ISBN:4-8273-0081-X (当館資料コード:1012969034 請求記号: 911.1/マ)
- 『万葉集注釈』第10 中央公論社 1962.1 (当館資料コード:1011108790 請求記号:911.1/O3/6-10)
- キーワード
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- 万葉集
- 紅葉
- 黄葉
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000089034