レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20110624
- 登録日時
- 2011/07/21 02:02
- 更新日時
- 2011/07/21 16:31
- 管理番号
- B2011口頭0624
- 質問
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解決
金属の光学定数、屈折率を掲載している資料はありますか。
- 回答
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ご照会の事項について、以下のとおり回答します(【 】内は当館請求記号です)。
『物理学辞典』(3訂版 培風館 2005.9 【MC2-H7】)によると、「光学定数」(p.694)の項目に、「透明体では屈折率、吸収体では複素屈折率をその媒質の光学定数という」とあり、「屈折率」(p.571)の項目に、「吸収を伴う媒質や光学的活性体に関する屈折率は、複素屈折率によって表され」、「複素屈折率はn-iκで表される。ここでnは普通の意味での屈折率、κは消衰係数」とあります。
ここでは、屈折率(n)及び消衰係数(κ)の値が掲載されている資料(1)-(8)を紹介いたします。
(1)『化学便覧. 基礎編 2』(改訂5版 丸善 2004.2 【PA2-H22】)
化学分野の信頼性の高いデータを収載した便覧です。索引は各巻末に2冊共通の総索引(事項・人名)があり、金属の光学定数については「屈折率--金属の屈折率」で引くことができます。
「表14.54 金属と半導体の屈折率と反射率」(pp.II-643~II-644)に、17種類の物質について、屈折率(n)、消衰係数(κ)、反射率(R)のデータを掲載しています。
※データは『Handbook of optical constants of solids』(Academic Press c1998 【MC141-A151】)を原典にしています。
(2)『物理定数表』(新版 朝倉書店 1978.8 【MC2-19】)
物理学の学習、物理実験、物理的測定を行う学生、研究者、技術者に特に必要、有益な定数、図表などを取り上げ、取りまとめたデータ集です。巻末には50音順索引が用意されており、「光学定数--金属の光学定数」で引くことができます。
「7.1.2 金属の光学定数」(p.171)に、14種類の物質について、屈折率、消衰係数、反射率の表が掲載されています。
(3)『物理データ事典』(朝倉書店 2006.7 【MC2-H14】)
『物理定数表』(新版 朝倉書店 1978.8 【MC2-19】)の改訂版として企画された資料です。信頼できる物理定数と、データ内容を理解するための説明や解説を加えたデータ集です。巻末には50音順索引が用意されており、「光学定数」で引くことができます。
「IV.19.4 金属の光学的性質」の表19.13「金属の屈折率・消衰係数・反射率」(p.370)に、14種類の金属の屈折率、消衰係数、反射率の表が掲載されています。
(4)『天然および人工媒質の光学定数』(ヴェ・エム・ゾロタリョフ〔ほか〕著 日ソ通信社 1986.7 【MC141-160】)
淡水と海水、氷、石油、水溶液、溶媒、金属、結晶とガラス、半導体、ポリマーおよびエーロゾルなど、多種多様な物質の屈折率と吸収率に関するデータを1冊にまとめた資料です。「第5章 金属の光学定数」(pp.69-98)に、金属の屈折率(n)、消衰係数(κ)のデータ(テーブル/一部チャート)と、参考文献一覧が掲載されています。
(5)『CRC Handbook of Chemistry and Physics 』(CRC Press 年刊 【Z63-C694】)
化学と物理学のデータを、可能な限り広く深く網羅することを目的として編集されたデータ集です。収録データは各分野の専門家によって慎重に選びだされたもので、1913年の創刊号から毎年新しいデータを加えて刊行され続けています。巻末の索引か各セクションの表紙ページの項目一覧から、求めるデータを検索できるようになっており、「Optical properties --metals」で引くことができます。
第91版(2010/2011)では、「Section12 Properties of Solids」の「Optical properties of selected elements」(pp.12-125~12-149)に、屈折率(n)、消衰係数(κ)、反射率(R)のデータ(テーブル)と、参考文献一覧を掲載しています。
※『Handbook of optical constants of solids』(Academic Press c1998 【MC141-A151】)などを原典にしています。
(6)『Handbook of optical constants of solids』(Academic Press c1998 【MC141-A151】)
固体の光学定数について、測定方法や解説とともに個々の物質のデータを掲載する全5巻のハンドブックです。物質ごとに収載巻が分かれており、第1-3巻の「Part.2 Critiques - Subpart.1 Metals」で、金属の屈折率(n)、消衰係数(κ)のデータ(テーブル/チャート)と、参考文献一覧を掲載しています。
(7)『Landolt-Boernstein 第6版』 (Springer 1950- 【530.83-L258z6】【M5-2】)
(8)『Landolt-Boernstein New Series』 (Springer 1961- 【M5-B1】)
化学・物理・工学などの研究雑誌の原著論文等を元に作成されたファクトデータ集です。6th Edition(第6版)とNew Series(新編)で構成されています。求めるデータを入手するためには、いずれの巻号に掲載されているか確認する必要があります。確認の手段としては、冊子体の資料による検索(「Substance Index」および「Comprehensive Index」)のほか、出版者のホームページ内の、Springer Materials(http://www.springermaterials.com/)と、ハンブルク大学ホームページ内の、Landolt-Bornstein Substance / Property Index(http://lb.chemie.uni-hamburg.de/)で、キーワード、物質名等から、収載巻号、ページ数を検索する方法があります。
金属の光学定数に関しては、6th Edition(第6版)のII/8「28 Optische Konstanten - 281 Metalle und Legierungen」(pp.1-1~1-42)と、New Series(新編)のVol. III/15B 4.3「Optical constants of pure metals」(pp.222-371)に、金属の屈折率(n)、消衰係数(κ)、反射率(R)のデータ(テーブル/チャート)と、参考文献一覧が掲載されています。
インターネットの最終アクセス日は、2011年6月30日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 金属元素とその化合物 (436)
- 参考資料
- キーワード
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- 光学定数
- 屈折率
- 複素屈折率
- 消衰係数
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000088844