レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007/12/12
- 登録日時
- 2008/07/17 02:10
- 更新日時
- 2011/02/16 17:37
- 管理番号
- 10-2C-200712-11
- 質問
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解決
後小松天皇の皇子「小川宮(竜樹寺宮)」について知りたい。
- 回答
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小川宮(1404-1425)は、室町時代,後小松天皇の第2皇子。称光天皇の東宮となるが、(応永)32年2月16日急死した。22歳。追号は竜樹寺宮。
山形県東田川郡引町黒川の鎮守、春日神社に伝わる黒川能は、伝説では、小川宮が戦乱を避けてこの地に立ち寄り、これから村人に伝わったという。
「系図纂要 第1冊 下」(名著出版)後小松天皇の項(p.437)に、記載があるほか、
「日本人名大辞典」(講談社)「鎌倉・室町人名事典」(新人物往来社)に“小川宮”の項目あり。
「建内記」(室町中期の公卿、万里小路時房(1394~1457)の日記)、「薩戒記」(権大納言(ごんだいなごん)中山定親(なかやまさだちか)(1401―59)の日記)、「看聞日記」(後崇光院(ごすこういん)(1372~1456)の日記)に記載があること、東大史料編纂所古記録フルテキストデータベースで画像を見ることができるものもあることをご紹介。
「看聞日記」は、「続群書類従 補遺」2-[1]2-[2] (続群書類従完成会,1980)に、「看聞御記」上・下として収録、
「建内記」、「薩戒記」は、「大日本古記録」(岩波書店)に収録されていることと、
「看聞日記」について書かれた「室町時代の一皇族の生涯-『看聞日記』の世界」 (講談社,2002.11)をあわせて紹介した。
- 回答プロセス
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1.「国史大辞典」(吉川弘文館)を調査
“小川宮”の項目はなし。“後小松天皇”の項に記述があるのみ。
2.商用データベース「ジャパンナレッジ」調査
“小川宮”をキーワードに検索すると、「日本人名大辞典」の項目があり。
再度“小川宮”をキーワードに全文検索すると、下記の2項目があり。
1)くろかわ‐のう[くろかは:]【黒川能】(「日本国語大辞典」)
~山形県東田川郡引町黒川の鎮守、春日神社の社家(しゃけ)、氏子(うじこ)によって伝承された能。
現在の能楽五流以外の流れに立ち、古格を保って村人の間に伝承されている。
伝説では、後小松天皇第三(原文ママ)の皇子小川宮が戦乱を避けてこの地に立ち寄り、これから村人に伝わったという。~
2)そんきほうしんのう【尊煕法親王】(「日本国語大辞典」) 別の人物の幼名が小川宮
3.商用データベース「e-レファレンス」調査
“小川宮”で検索、「鎌倉・室町人名事典」が見つかり、現物で項目(p.108)を確認。
4.東京大学史料編纂所 東京大学史料編纂所データベースを調査
“小川宮”で検索、大日本史料総合データベース で「看聞日記」など23件、
古記録フルテキストデータベースより「建内記」、「薩戒記」の記録が各3件、
中世記録人名索引データベースで「看聞日記」、「勘仲記」(年代があわない)の記録21件が見つかる。
画像を見ることの可能なものもあり。
鎌倉遺文フルテキストデータベースにも見つかるが年代があわない。
“竜樹寺宮”では該当なし。
5.「系図纂要」(『尊卑分脈』、『諸家系図纂』ほかの系図類を再構成したもの)を調査。
「系図纂要 第1冊 下」(名著出版)後小松天皇の項(p.437)に、“小川宮”の記載あり。
6.雑誌論文を調査
商用データベース「「MAGAZINEPLUS」(日外アソシエーツ雑誌論文情報)、学術コンテンツポータル GeNii(http://ge.nii.ac.jp/genii/jsp/index.jsp 2009.12.21確認)
“小川宮”“竜樹寺宮”のキーワードで該当するものなし。
7.「看聞日記」、「建内記」、「薩戒記」について調査。
「看聞日記」は、「続群書類従 補遺」2-[1]2-[2] (続群書類従完成会,1980)に、「看聞御記」上・下として収録されたものを所蔵。
「看聞日記」について書かれた「室町時代の一皇族の生涯-『看聞日記』の世界」 (講談社,2002.11)を紹介。
「建内記」、「薩戒記」は、「大日本古記録」(岩波書店)に収録。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 9版)
- 参考資料
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「鎌倉・室町人名事典」新人物往来社,1990年(当館書誌ID:0000161859)ISBN 4-404-01757-X
「系図纂要 第1冊 下」名著出版,1996年(当館書誌ID:0000651743)ISBN 4-626-01542-5
「国史大辞典 15中 索引 人名」吉川弘文館,1996年(当館書誌ID:0000573939)ISBN 4-642-00516-1
商用データベース「ジャパンナレッジ」
商用データベース「e-レファレンス」
東京大学史料編纂所 東京大学史料編纂所データベースhttp://www.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/ (2009.12.20確認) - 「室町時代の一皇族の生涯-『看聞日記』の世界」 横井 清/[著]講談社,2002.11 ISBN 4-06-159572-5<当館書誌ID:0010409852>
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「鎌倉・室町人名事典」新人物往来社,1990年(当館書誌ID:0000161859)ISBN 4-404-01757-X
- キーワード
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- 小川宮
- 竜樹寺宮
- 後小松天皇
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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後小松天皇(1377-1433)
南北朝-室町時代,第100代天皇(北朝第6代)。在位1382-1412。
父のあと6歳で即位。室町幕府は3代将軍足利義満(よしみつ)の全盛期で,明徳3=元中9年義満の提案をうけいれた南朝の後亀山(ごかめやま)天皇から神器をうけ,南北朝合一がなった。称光天皇,後花園天皇を即位させ,院政をおこなった。一休宗純は実子。
(「日本人名大辞典」後小松天皇の項より抜粋)
商用データベース「e-レファレンス/ツール」は、2010年6月から「e-レファレンス・ライブラリー」(日外 人物・出版情報) に変更。
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000045831